保険医療機関・保険薬局におけるオンライン資格確認の導入が、2023年10月1日より原則義務化とされ、同時に 「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が新設されました。
もともとオンライン資格確認の活用に係る点数として「電子的保健医療情報活用加算」がありましたが、こちらの加算は医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の新設に伴い止廃止されました。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算とは、オンライン資格確認の導入の原則義務化を踏まえ、オンライン資格確認を導入している医療機関の外来にて、初診時の患者さんについて「薬剤情報」や「定健診情報」等の診療情報を活用して質の高い診療を実施する体制を評価するものです。
オンライン資格確認を導入している医療機関で外来受診をした初診時の患者さんについては以下の点数が加算されます。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算
1 施設基準を満たす医療機関で初診を行った場合 4点
2 1であって、オンライン資格確認等により情報を取得した場合 2点
初診を行った場合に、月に1回に限り算定できます。
算定要件
- 薬剤情報や特定健診情報等の診療情報を活用して質の高い診療を行うこと。
- レセプトについてはオンライン請求を行うこと。
- 医療機関の内の見やすい場所に掲示及びホームページ等に掲載する
院内掲示物について
医療情報・システム基盤整備体制充実加算を算定する医療機関では、以下の事項について院内及びホームページ等に掲示し、必要に応じて患者さんに対して説明することとされています。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算 掲示初診時の問診票について
初診時問診票については、以下の項目を追加して改訂を行うこととされています。
- マイナ保険証による診療情報取得に対する同意の有無
- 他院からの紹介状持参の有無
- 本日受診した症状について・・・症状の内容、発症時期、経過
- 現在、他の医療機関に通院しているか
- 現在、処方されている薬があるか(マイナ保険証による情報取得に同意した患者については、直近1ヶ月以内の処方薬を除き、記載を省略可能※)・・・薬剤名、用量、投薬期間 等
- これまでに大きな病気にかかったことがあるか(入院や手術を要する病気等)・・・病名、時期、医療機関名、治療内容 等
- この1年間で健診(特定健診及び高齢者健診に限る)を受診したか(マイナ保険証による情報取得に同意した患者については、記載を省略可能※)・・・受診時期、指摘事項 等
- 薬や食品などでのアレルギー歴について・・・原因となったもの、症状 等
- 現在、妊娠中又は授乳中であるか(女性のみ)・・・妊娠週数 等
問診表の項目以外に以下の内容についても問診票等に記載を行うこととされています。
- 当該医療機関は、マイナ保険証の利用や問診票等を通じて患者の診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めている医療機関(医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定医療機関)であること。
- マイナ保険証により正確な情報を取得・活用することで、より質の高い医療を提供できるため、マイナ保険証を積極的に利用いただきたいこと。
(記載例)
当院は診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めています。正確な情報を取得・活用するため、マイナ保険証の利用にご協力をお願いいたします。
◆医療情報・システム基盤整備体制充実加算(初診時)
加算1 4点/加算2 2点(マイナ保険証を利用した場合)