2022年改定|がん患者指導管理料の算定要件とカルテ記載について

がん患者指導管理料

 B001-23 がん患者指導管理料

医師が看護師と共同して診療方針等について話し合い、その内容を文書等により提供した場合…500点

医師、看護師または公認心理士が心理的不安を軽減するための面接を行った場合…200点

医師又は薬剤師が抗悪性腫瘍剤の投薬又は注射の必要性等について文書により説明を行った場合…200点

医師が遺伝子検査の必要性等について文書により説明を行った場合…300点

■診療情報通信機器を用いて行った場合(イの場合)…435点

■診療情報通信機器を用いて行った場合(ロの場合)…174点

■診療情報通信機器を用いて行った場合(ハの場合)…174点

■診療情報通信機器を用いて行った場合(ニの場合)…261点

患者様ご本人の十分な理解が得られない場合又はご本人の意思が確認できない場合は算定の対象にならず、看護をする家族等にのみ説明を行った場合も算定できません。

 

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「イ」の算定について

「イ」については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がんと診断された患者様であって継続して治療を行うものに対して、ご本人の同意を得て、医師が看護師と共同して、診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合、または入院中の患者以外の末期の悪性腫瘍の患者様に対して、同意を得て、医師が看護師と共同して、診療方針等について十分に話し合った上で、当該患者の意思決定に対する支援を行い、その内容を文書等により提供した場合に、患者様1人につき1回に限り算定します。

施設基準(イ〜ニ)がん患者に対して指導管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。

「イ」の指導について

悪性腫瘍と診断されたものに対して、ご本人の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師及びがん患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が適宜必要に応じてその他の職種と共同して、診断結果及び治療方法等についてご本人が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように説明及び相談を行った場合に算定します。なお、化学療法の対象となる患者様に対しては、外来での化学療法の実施方法についても説明を行うこととされています。

算定時は指導内容等の要点を診療録又は看護記録にしっかり記載しましょう。

「ロ」の算定について

「ロ」については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がんと診断された患者様であって継続して治療を行うものに対して、ご本人の同意を得て、医師又は医師の指示に基づき看護師もしくは公認心理士が、ご本人の心理的不安を軽減するための面接を行った場合に、患者1人につき6回に限り200点を算定します。

POINT「緩和ケア診療加算」「小児悪性腫瘍患者指導管理料」「がん性疼痛緩和指導管理料」「外来緩和ケア管理料」を別に算定することはできません。

「ロ」の指導について

悪性腫瘍と診断されたものに対して、ご本人の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師又はがん患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が適宜必要に応じてその他の職種と共同して、身体症状及び精神症状の評価及び対応、病状、診療方針、診療計画、外来での化学療法の実施方法、日常生活での注意点等の説明、ご本人の必要とする情報の提供、意思決定支援、他部門との連絡及び調整等、患者の心理的不安を軽減するための指導を実施した場合に算定します。

看護師が実施した場合は、指導を行った看護師が診療を担当する医師に対して、「患者の状態」「指導内容」等について情報提供等を行うこととされています。

「ハ」の算定について

ハについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がんと診断された患者様であって継続して抗悪性腫瘍剤の投薬又は注射を受けているものに対して、ご本人の同意を得て、医師又は医師の指示に基づき薬剤師が、投薬又は注射の前後にその必要性等について文書により説明を行った場合に、患者1人につき6回に限り200点を算定します。

「ハ」の指導について

悪性腫瘍と診断されたもののうち、抗悪性腫瘍剤を投薬又は注射されている者(予定を含む)に対して、ご本人の心理状態に十分配慮された環境で、がん診療の経験を有する医師又は抗悪性腫瘍剤に係る業務に従事した経験を有する専任の薬剤師が必要に応じてその他の職種と共同して、抗悪性腫瘍剤の投薬若しくは注射の開始日前 30 日以内、又は投薬若しくは注射をしている期間に限り、薬剤の効能・効果、服用方法、投与計画、副作用の種類とその対策、日常生活での注意点、副作用に対応する薬剤や医療用麻薬等の使い方、他の薬を服用している場合は薬物相互作用、外来での化学療法の実施方法等について文書により説明を行った場合に算定します。

指導内容等の要点を診療録若しくは薬剤管理指導記録に記載又は説明に用いた文書の写しを診療録等に添付することとされています。

POINT抗悪性腫瘍剤には、薬効分類上の腫瘍用薬の他にインターフェロン、酢酸リュープロレリン等の悪性腫瘍に対する効能を有する薬剤が含まれます。

薬剤管理指導料とがん患者指導管理料「ハ」を算定する日の間隔は6日以上とされています。

「ニ」の算定について

「ニ」については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、乳癌、卵巣癌又は卵管癌と診断された患者様のうち、遺伝性乳癌卵巣癌症候群が疑われるものに対して、ご本人の同意を得て、医師が「BRCA1/2遺伝子検査」の血液検査を実施する前にその必要性及び診療方針等について文書により説明を行った場合に、患者1人につき1回に限り300点を算定します。

POINT遺伝カウンセリング加算に係る施設基準の届出を行っている他保険医療機関の臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師と連携して指導を行った場合においても算定可能です。

情報通信機器を機器を用いた場合について

厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん患者指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、イ、ロ、ハ又はニの所定点数に代えて、それぞれ435点、174点、174点又は261点を算定します。

POINT令和2年4月7日、新型コロナウイルス感染症が拡大し、医療機関の受診が困難になりつつあることに鑑みた時限的・特例的な対応として、電話や情報通信機器を用いた診療や服薬指導等の取扱いが臨時的に可能となりました。令和4年4月現在も臨時的措置は継続しているため、算定要件を満たした場合には届出なしで算定が可能です。

施設基準の届出について

がん患者指導管理料の届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する地方厚生局に必要書類を1部提出する必要があります。

各書式は各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。
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