保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る)において 「脂質異常症」「高血圧症」「糖尿病」を主病とする患者様(入院中以外)に対して、ご本人の同意を得て治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、月1回に限り以下の点数を算定します。
1 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付する場合
1 脂質異常症を主病とする場合 570点
2 高血圧症を主病とする場合 620点
3 糖尿病を主病とする場合 720点
同一月内において、院外処方箋を交付する日と交付しない日がある場合は「処方箋を交付する場合」で算定します。

糖尿病を主病とする患者様が「在宅自己注射指導管理料」を算定している場合には、当該管理料は算定できません。
生活習慣管理料の指導について
生活習慣病管理料は、脂質異常症、高血圧症、糖尿病を主病とする患者様に対し、「服薬」「運動」「休養」「栄養」「喫煙及び飲酒」等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行い、「療養計画書」により丁寧に説明を行い、ご本人の同意を得るとともに、計画書に患者様の署名を受けた場合に算定します。
また、交付した療養計画書の写しは診療録に添付します。
生活習慣病管理料を算定している方に対しては、少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理が行う必要があります。また、糖尿病の方については状態に応じて、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこととされています。
糖尿病の合併症として「糖尿病網膜症」があります。糖尿病網膜症は自覚症状のないまま徐々に進行し、失明に至るリスクを伴う病気です。 糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても定期的な眼科受診が必要です。
服薬指導について
患者様がきちんと処方通りに服用できているか、服薬によって副作用は起きていないか、検査結果に基づいて現在の服薬の継続は妥当か等を考慮し指導を行います。
飲み忘れがある患者様にはしっかり内服するように指導を行い、自己判断で通院を中断したり、内服を中断することのないように指導することも大切です。
運動療法について
ウォーキング、水泳、体操など全身を使う運動は生活習慣病の改善に効果的であり、毎日継続することが大切です。
栄養について
生活習慣病の患者様にとって食事療法はとても大切です。食事は栄養のバランスを考え摂取するよう指導を行います。食べ過ぎは肥満の原因となり、生活習慣病の悪化とつながります。塩分の過剰摂取にも注意が必要で、男性は7.5g未満、女性は6.5g未満が目標量とされています。
禁煙の指導
禁煙すると24時間で心臓発作のリスクの低下があると言われています。
禁煙から1ヵ月が経過すると、咳や痰などの呼吸器症状が改善します。 さらに禁煙後1年たつと肺機能が改善し、禁煙2~4年後には虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが約3分の1減少することが知られています。
喫煙している患者様には禁煙の指導も大切です。
カルテ記載について
糖尿病又は高血圧症の患者様については、生活習慣に関する「管理方針の変更」「薬物療法の導入」「投薬内容の変更」等で管理方針を変更した場合は、その理由や内容を診療録に記載しましょう。
カルテ記載のPOINT糖尿病の方については血糖値及びHbA1cの値を、高血圧症の患者については血圧の値を必ず記載することが必要です。
血糖自己測定指導加算について
糖尿病を主病とする患者(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る)に対して、血糖自己測定値に基づく指導を行った場合は、血糖自己測定指導加算として 年1回に限り所定点数に500点を算定します。
POINT患者教育の観点から血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況等を報告させるとともに、その報告に基づき、必要な指導を行い療養計画に反映させること。当該加算は「血糖試験紙」「固定化酵素電極」を給付し、在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定します。血糖試験紙、固定化酵素電極、穿刺器、穿刺針及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は当該加算点数に含まれ別に算定できません。
【新設】外来データ提出加算について
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該保険医療機関における診療報酬の請求状況、生活習慣病の治療管理の状況等の診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合は、外来データ提出加算として、50点を所定点数に加算します。
外来データ提出加算の施設基準
- 外来患者に係る診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出するために必要な体制が整備されていること。
- データ提出加算に係る届出を行っていない保険医療機関であること。
- 診療記録(過去5年間の診療録及び過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されている。
- 診療記録の保管・管理のための規定が明文化されている。
- 疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病が分類されている。
- 保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できる。
届出を行う地方厚生局HPについて
届出を行う際は、保険医療機関が所在する都道府県を管轄する地方厚生局に届出書類を提出する必要があります。
