B000 特定疾患療養管理料の算定要件

特定疾患療養管理料の算定要件とカルテ記載

特定疾患療養管理料とは、厚生労働大臣が定める対象疾患を主病とする患者さんに対して、計画的な医療管理(運動・食事・服薬)を行った場合に算定する医学管理料です。

B000 特定疾患療養管理料
1 診療所の場合 225点
2 許可病床数が100未満の病院の場合 147点
3 許可病床数が100床以上200床未満の病院の場合 87点
※許可病床は一般病床に限るものではありません。

2024年6月の診療報酬改定で「糖尿病」「脂質異常症」「高血圧症」の生活習慣病が対象疾患から除外されました。これに伴い、特定疾患療養管理料を算定できる医療機関は大きく減り、生活習慣病管理料Ⅰ生活習慣病管理料Ⅱに移行するケースが増えると想定されています。

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特定疾患療養管理料の算定要件

注1 別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に対して、治療計画に基づき療養上必要な管理を行った場合に、月2回に限り算定する。

Q
患者さんのご家族に対して療養上の管理指導を行った場合は算定可能でしょうか?
A

患者さんの看護にあたっている家族等を通して管理指導を行った場合であっても算定は認められています。

注2 初診料を算定する初診の日に行った管理又は当該初診の日から1月以内に行った管理の費用は、初診料に含まれるものとする。

注3 入院中の患者に対して行った管理又は退院した患者に対して退院の日から起算して1月以内に行った管理の費用は、入院基本料に含まれるものとする。

注4 在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料又は皮膚科特定疾患指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った管理の費用は、各区分に掲げるそれぞれの指導管理料に含まれるものとする。

注5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、特定疾患療養管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、1、2又は3の所定点数に代えて、それぞれ196点、128点又は76点を算定する。

特定疾患療養管理料は、主病の療養に必要な管理が行われた場合に算定ができます。風邪や腹痛などの急性期症状についてのみ診療した場合は算定できません。

特定疾患療養管理料 病名一覧

  • 結核
  • 悪性新生物
  • 甲状腺障害
  • 処置後甲状腺機能低下症
  • スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害
  • ムコ脂質症
  • リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症(家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限る。)
  • リポジストロフィー
  • ローノア・ ベンソード腺脂肪腫症
  • 虚血性心疾患
  • 不整脈
  • 心不全
  • 脳血管疾患
  • 一過性脳虚血発作及び関連症候群
  • 単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎
  • 詳細不明の慢性気管支炎
  • その他の慢性閉塞性肺疾患
  • 肺気腫
  • 喘息
  • 喘息発作重積状態
  • 気管支拡張症
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃炎及び十二指腸炎
  • 肝疾患(経過が慢性なものに限る)
  • 慢性ウイルス肝炎
  • アルコール性慢性膵炎
  • その他の慢性膵炎
  • 思春期早発症
  • 性染色体異常
  • アナフィラキシー
  • ギラン・バレー症候群

2024年の診療報酬改訂にて、糖尿病、脂質異常症、高血圧を対象疾患から除外され、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群が新たに追加されました。

カルテの記載方法について

特定疾患療養管理料を算定する場合は、管理内容の要点を診療録にしっかり記載することが必要です。

たとえ日々の診療がしっかりされていても、それに伴ったカルテ記載がしっかりされていなければ地方厚生局の個別指導で指摘されてしまいます。診療録の記載は診療の都度しっかり行うことが大切です。

  • 患者さんの病態に合った指導の記載を行う。
  • 指導は〇〇分、〇g、〇〇kcalなど具体的に記載を行う。
  • 患者さんの病態や生活習慣の変化に応じた指導・記載を行う。(毎回変更する)

例)気管支喘息の診療録

S)発作は起こっていません
 夜中の咳も少し落ち着いてます

O)BP128/85mmHg P60bpm SpO2 99%
 咽頭発赤なし
 扁桃腫大なし
 胸部聴診上肺胞呼吸音
 心雑音なし

A)# 気管支喘息(主)
LT拮抗薬の内服にて発作なく経過良好

以下の療養上の指導を行い、特定疾患管理料算定とした

  • 症状がなくても内服は指示通り続けて下さい
  • 食事はバランスよく摂取して下さい
  • 1日の塩分は7gまでにして下さい。
  • 1日の摂取カロリーは1800kcalまでにして下さい。
  • 毎日15分程度のストレッチを行って下さい
  • 激しい運動は避けて下さい
  • 規則正しい生活を心がけて下さい
  • 喫煙、アルコールの過剰摂取は控えて下さい
  • 症状が改善しても内服は継続して下さい

P)内服継続
 次回4週間後の再診とする

指導のPOINT
肥満は喘息を悪化させる原因となるため、糖分の多い食べ物は避けること、過食・間食は控えて規則正しい食生活をすることが大切です。
急に激しい運動をしたり、無理な運動は厳禁ですが、運動で心肺機能を高めると発作予防につながります。ウォーキングやジョギング、サイクリングのような有酸素運動が効果的です。

特定疾患療養管理料の留意事項

(1) 特定疾患療養管理料は、別に厚生労働大臣が定める疾患(特定疾患)を主病とする患者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を行うことを評価したものであり、許可病床数が 200 床以上の病院においては算定できない。

プライマリケアとは、特定の病気だけを診る専門的な医療機関とは違い、普段から何でも診てくれ、急に体調が悪くなった時の医療提供から健康診断の結果に対する相談までを行う医療のことをいいます。

(2) 特定疾患療養管理料は、特定疾患を主病とする患者に対して、治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に、月2回に限り算定する。

特定疾患療養管理料の指導例

  • おかずは揚げ物、炒め物等、油を使用したものを避けましょう
  • マヨネーズ、ドレッシング、ソース等調味料を控えましょう
  • 醤油、ソース等調味料を控えましょう
  • 野菜を積極的に摂取しましょう
  • 運動は毎日20分程度、有酸素運動を行いましょう
  • 通勤ではなるべく歩くようにしましょう
  • なるべく階段を使いましょう
  • 内服を忘れないようしっかり行いましょう
  • 食後30分以内には服薬しましょう
  • 週に3日は休肝日を設定しましょう
  • 可能な限り喫煙を行いましょう
  • 発作時はすぐに受診してください(気管支喘息)

(3) 第1回目の特定疾患療養管理料は、初診料(「注5」のただし書に規定する所定点数を算定する場合を含む。特に規定する場合を除き、以下この部において同じ。)を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定する。ただし、本管理料の性格に鑑み、1か月を経過した日が休日の場合であって、その休日の直前の休日でない日に特定疾患療養管理料の「注1」に掲げる要件を満たす場合には、その日に特定疾患療養管理料を算定できる。

(4) 初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日が翌々月の1日となる場合であって、初診料を算定した初診の日又は退院の日が属する月の翌月の末日(その末日が休日の場合はその前日)に特定疾患療養管理料の「注1」に掲げる要件を満たす場合には、本管理料の性格に鑑み、その日に特定疾患療養管理料を算定できる。

(5) 診察に基づき計画的な診療計画を立てている場合であって、必要やむを得ない場合に、看護に当たっている家族等を通して療養上の管理を行ったときにおいても、特定疾患療養管理料を算定できる。

(6) 管理内容の要点を診療録に記載する。

(7) 同一保険医療機関において、2以上の診療科にわたり受診している場合においては、主病と認められる特定疾患の治療に当たっている診療科においてのみ算定する。

(8) 特定疾患療養管理料は、特定疾患を主病とする者に対し、実際に主病を中心とした療養上必要な管理が行われていない場合又は実態的に主病に対する治療が当該保険医療機関では行われていない場合には算定できない。

(9) 主病とは、当該患者の全身的な医学管理の中心となっている特定疾患をいうものであり、対診又は依頼により検査のみを行っている保険医療機関にあっては算定できない。

(10) 入院中の患者については、いかなる場合であっても特定疾患療養管理料は算定できない。

(11) 別に厚生労働大臣が定める疾患名は、「疾病、傷害及び死因の統計分類基本分類表(平成27年総務省告示第35号)」(以下「分類表」という。)に規定する分類に該当する疾患の名称であるが、疾患名について各医療機関での呼称が異なっていても、その医学的内容が分類表上の対象疾患名と同様である場合は算定の対象となる。ただし、混乱を避けるため、できる限り分類表上の名称を用いることが望ましい。

(12) 「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

特定疾患料管理料算定時のクレーム

特定疾患療養管理料の算定に関するクレームとして、主病を中心とした療養管理が十分にされいなかったり、主病に対する治療が保険医療機関で行われていない場合などに発生する可能性があります。

特定疾患療養管理料は「治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の指導を行った」などの要件を満たした場合に算定できます。しかし、実際の診察では、症状や検査結果の説明と療養上の説明が一緒に行われるため、患者さんにとっては「診察」と「療養上の指導」がやや分かりづらく、医師は請求額に見合う納得すべき診察と指導を行うことが求められます。

また、患者さんから受付へ聞かれた際は「長期で治療が必要な疾患については、生活指導などの指導や記録を行っており、その管理料として月2回算定するように法律で定められています。」などしっかり答えられるような教育も必要かと思います。

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