特定集中治療室管理料とは、厚生労働省が定める施設基準を満たした特定集中治療室において、集中治療を受ける患者さんに対して算定される特定入院料です。
A301 特定集中治療室管理料(1日につき)
1 特定集中治療室管理料1
イ 7日以内の期間 14406点
ロ 8日以上の期間 12828点
2 特定集中治療室管理料2
イ 特定集中治療室管理料
(1) 7日以内の期間 14406点
(2) 8日以上の期間 12828点
ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料
(1) 7日以内の期間 14406点
(2) 8日以上60日以内の期間 13028点
3 特定集中治療室管理料3
イ 7日以内の期間 9890点
ロ 8日以上の期間 8307点
4 特定集中治療室管理料4
イ 特定集中治療室管理料
(1) 7日以内の期間 9890点
(2) 8日以上の期間 8307点
ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料
(1) 7日以内の期間 9890点
(2) 8日以上60日以内の期間 8507点
5 特定集中治療室管理料5
イ 7日以内の期間 8890点
ロ 8日以上の期間 7307点
6 特定集中治療室管理料6
イ 特定集中治療室管理料
(1) 7日以内の期間 8890点
(2) 8日以上の期間 7307点
ロ 広範囲熱傷特定集中治療管理料
(1) 7日以内の期間 8890点
(2) 8日以上60日以内の期間 7507点
特定集中治療室管理料の算定要件
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、必要があって特定集中治療室管理が行われた場合に、当該基準に係る区分及び当該患者の状態について別に厚生労働大臣が定める区分(特定集中治療室管理料2、4及び6に限る。)に従い、14日(別に厚生労働大臣が定める状態の患者(特定集中治療室管理料2、4及び6に係る届出を行った保険医療機関に入院した患者に限る。)にあっては60日、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、急性血液浄化(腹膜透析を除く。)又は体外式心肺補助(ECMO)を必要とするものにあっては25日、臓器移植を行ったものにあっては30日)を限度として、それぞれ所定点数を算定する。
注2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、15歳未満の重篤な患者に対して特定集中治療室管理が行われた場合には、小児加算として、当該患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。
イ 7日以内の期間 2,000点
ロ 8日以上14日以内の期間 1,500点
注3 第1章基本診療料並びに第2章第3部検査、第6部注射、第9部処置及び第13部病理診断のうち次に掲げるものは、特定集中治療室管理料に含まれるものとする。
イ 入院基本料
ロ 入院基本料等加算(臨床研修病院入院診療加算、超急性期脳卒中加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、特定感染症入院医療管理加算、難病等特別入院診療加算(二類感染症患者入院診療加算に限る。)、地域加算、離島加算、精神科リエゾンチーム加算、がん拠点病院加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、重症患者初期支援充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、術後疼痛管理チーム加算、病棟薬剤業務実施加算2、データ提出加算、入退院支援加算(1のイ及び3に限る。)、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算、精神疾患診療体制加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算を除く。)
ハ 第2章第3部の各区分の検査(同部第1節第2款の検体検査判断料を除く。)
ニ 点滴注射
ホ 中心静脈注射
ヘ 酸素吸入(使用した酸素及び窒素の費用を除く。)
ト 留置カテーテル設置
チ 第13部第1節の病理標本作製料
注4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から離床等に必要な治療を行った場合に、早期離床・リハビリテーション加算として、入室した日から起算して14日を限度として500点を所定点数に加算する。この場合において、同一日に心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料、掲げる障害児(者)リハビリテーション料及びがん患者リハビリテーション料は、算定できない。
注5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者に対して、入室後早期から必要な栄養管理を行った場合に、早期栄養介入管理加算として、入室した日から起算して7日を限度として250点(入室後早期から経腸栄養を開始した場合は、当該開始日以降は400点)を所定点数に加算する。ただし、入院栄養食事指導料は別に算定できない。
注6 重症患者の対応に係る体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病室に入院している患者について、重症患者対応体制強化加算として、当該患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ 3日以内の期間 750点
ロ 4日以上7日以内の期間 500点
ハ 8日以上14日以内の期間 300点
注7 特定集中治療室管理料5又は特定集中治療室管理料6を算定する保険医療機関であって別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たすものにおいて、特定集中治療室管理に係る専門的な医療機関として別に厚生労働大臣が定める保険医療機関と情報通信機器を用いて連携して特定集中治療室管理が行われた場合に、特定集中治療室遠隔支援加算として、980点を所定点数に加算する。
特定集中治療室管理料の留意事項
(1) 特定集中治療室管理料の算定対象となる患者は、次に掲げる状態にあって、医師が特定集中治療室管理が必要であると認めた者であること。
ア 意識障害又は昏睡
イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪
ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)
エ 急性薬物中毒
オ ショック
カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)
キ 広範囲熱傷
ク 大手術後
ケ 救急蘇生後
コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態
(2) 広範囲熱傷特定集中治療管理料の算定対象となる広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な患者とは、救命救急入院料の(2)と同様であること。
(3) 「注1」に掲げる臓器移植を行った患者とは、当該入院期間中に心臓、肺又は肝臓の移植を行った患者のことをいう。
(4) 「注2」に規定する小児加算については、専任の小児科の医師が常時配置されている保険医療機関において、15 歳未満の重篤な患者に対して特定集中治療室管理が行われた場合に14日を限度として算定する。
(5) 「注4」に規定する早期離床・リハビリテーション加算は、特定集中治療室に入室した患者に対し、患者に関わる医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は臨床工学技士等の多職種と早期離床・リハビリテーションチームによる以下のような総合的な離床の取組を行った場合の評価である。
ア 早期離床・リハビリテーションチームは、当該患者の状況を把握・評価した上で、当該患者の運動機能、呼吸機能、摂食嚥下機能、消化吸収機能及び排泄機能等の各種機能の維持、改善又は再獲得に向けた具体的な支援方策について、関係学会の指針等に基づき患者が入室する治療室の職員とともに計画を作成する。
イ 当該患者を診療する医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は臨床工学技士等が、早期離床・リハビリテーションチームと連携し、当該患者が特定集中治療室に入室後48時間以内に、当該計画に基づく早期離床の取組を開始する。
ウ 早期離床・リハビリテーションチームは、当該計画に基づき行われた取組を定期的に評価する。
エ アからウまでの取組等の内容及び実施時間について診療録等に記載すること。
(6) 「注5」早期栄養介入管理加算は、重症患者の特定集中治療室への入室後、早期に管理栄養士が当該治療室の医師、看護師、薬剤師等と連携し、早期の経口移行・維持及び低栄養の改善等につながる栄養管理を実施した場合の評価である。なお、当該加算を算定する場合は、同一日に入院栄養食事指導料を別に算定できないが、他の病棟に転棟後、退院後の生活を見据えて必要性が認められる場合は、この限りではない。
(7) 「注5」に規定する加算を算定する場合には、日本集中治療医学会の「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」に沿った栄養管理を実施すること。また、入室患者全員に栄養スクリーニングを実施し、抽出された患者に対し、次の項目を実施すること。なお、ア及びイ(「注5」に規定する「入室後早期から経腸栄養を開始した場合」の所定点数を算定する場合にあっては、アからウまで)は入室後48時間以内に実施すること。
ア 栄養アセスメント
イ 栄養管理に係る早期介入の計画の作成及び計画に基づく栄養管理の実施
ウ 腸管機能評価を実施し、入室後48時間以内に経腸栄養等を開始
エ 経腸栄養開始後は、1日に3回以上のモニタリングを行い、その結果を踏まえ、必要に応じて計画を見直すとともに栄養管理を実施
オ 再アセスメントを実施し、胃管からの胃内容物の逆流の有無等を確認
カ アからオまでの内容を診療録等に記載すること。なお、ウに関しては、入室時刻及び経腸栄養の開始時刻を記載すること加えて、上記項目を実施する場合、特定集中治療室の医師、看護師、薬剤師等とのカンファレンス及び回診等を実施するとともに、早期離床・リハビリテーションチームが設置されている場合は、適切に連携して栄養管理を実施すること。
(8) 「注5」に規定する加算の1日当たりの算定患者数は、管理栄養士1名につき、10人以内とする。また、当該加算及び栄養サポートチーム加算を算定する患者数は、管理栄養士1名につき、合わせて15人以内とする。
(9) 「注6」に規定する重症患者対応体制強化加算は、重症患者対応に係る体制について、集中治療領域における重症患者対応の強化及び人材育成に係る体制を評価したものである。
(10) 「注6」に規定する重症患者対応体制強化加算は、特定集中治療室管理料を算定している患者について、当該患者の入院期間に応じて算定する。
(11) 「注7」に規定する特定集中治療室遠隔支援加算は、特定集中治療室管理料を算定している患者について、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」及び関係学会の定めるガイドラインを参考に通信環境等を整備した上で、情報通信機器を用いて支援側の保険医療機関と連携して特定集中治療室管理を行った場合に被支援側の保険医療機関において算定する。なお、この場合の医療機関間での診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるものとする。
(12) 特定集中治療室管理料に係る算定要件に該当しない患者が、当該治療室に入院した場合には、入院基本料等を算定する。この際、入院基本料等を算定する場合の費用の請求については、救命救急入院料の(17)と同様であること。
特定集中治療室管理料1に関する施設基準
(1) 専任の医師が常時、特定集中治療室内に勤務していること。当該専任の医師に、特定集中治療の経験を5年以上有する医師を2名以上含むこと。なお、当該専任の医師は、宿日直を行う医師ではないこと。ただし、患者の当該治療室への入退室などに際して、看護師と連携をとって当該治療室内の患者の治療に支障がない体制を確保している場合は、一時的に当該治療室から離れても差し支えない。
(2) 集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を5年以上有し、集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修を修了した専任の常勤看護師を当該治療室内に週20時間以上配置すること。なお、専任の常勤看護師を2名組み合わせることにより、当該治療室内に週 20 時間以上配置しても差し支えないが、当該2名の勤務が重複する時間帯については1名についてのみ計上すること。また、ここでいう「適切な研修」とは、国又は医療関係団体等が主催する 600 時間以上の研修(修了証が交付されるものに限る。)であり、講義及び演習により集中治療を必要とする患者の看護に必要な専門的な知識及び技術を有する看護師の養成を目的とした研修又は保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる集中治療を必要とする患者の看護に係る研修であること。
(3) 専任の臨床工学技士が、常時、院内に勤務していること。
(4) 特定集中治療室管理を行うにふさわしい専用の特定集中治療室を有しており、当該特定集中治療室の広さは、内法による測定で、1床当たり 20 平方メートル以上であること。ただし、新生児用の特定集中治療室にあっては、1床当たり9平方メートル以上であること。
(5) 当該管理を行うために必要な次に掲げる装置及び器具を特定集中治療室内に常時備えていること。ただし、ウからカについては、当該保険医療機関内に備え、必要な際に迅速に使用でき、緊急の事態に十分対応できる場合においては、この限りではない。
ア 救急蘇生装置(気管内挿管セット、人工呼吸装置等)
イ 除細動器
ウ ペースメーカー
エ 心電計
オ ポータブルエックス線撮影装置カ 呼吸循環監視装置
(6) 新生児用の特定集中治療室にあっては、(5)に掲げる装置及び器具のほか、次に掲げる装置及び器具を特定集中治療室内に常時備えていること。
ア 経皮的酸素分圧監視装置又は経皮的動脈血酸素飽和度測定装置
イ 酸素濃度測定装置
ウ 光線治療器
(7) 自家発電装置を有している病院であって、当該病院において電解質定量検査及び血液ガス分析を含む必要な検査が常時実施できること。
(8) 当該治療室内に、手術室と同程度の空気清浄度を有する個室及び陰圧個室を設置することが望ましいこと。
(9) 当該治療室勤務の医師は、当該治療室に勤務している時間帯は、当該治療室以外での勤務及び宿日直を併せて行わないものとし、当該治療室勤務の看護師は、当該治療室に勤務している時間帯は、当該治療室以外での夜勤を併せて行わないものとすること。
(10) 当該入院料を算定するものとして届け出ている治療室に入院している全ての患者の状態を、別添6の別紙17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」を用いて測定及び評価し、その結果、基準を満たす患者が、重症度、医療・看護必要度Ⅱによる評価で8割以上いること。ただし、短期滞在手術等基本料を算定する患者、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者及び歯科の入院患者(同一入院中に医科の診療も行う期間については除く。)は対象から除外する。なお、別添6の別紙17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」のB項目の患者の状況等については、特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る基準に用いないが、当該評価票を用いて評価を行っていること。
(11) 「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」の記入は、院内研修を受けたものが行うものであること。ただし、別添6の別紙17の別表1に掲げる「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係るレセプト電算処理システム用コード一覧」を用いて評価を行う項目については、当該評価者により各選択肢の判断を行う必要はない。なお、実際に患者の重症度、医療・看護必要度が正確に測定されているか定期的に院内で確認を行うこと。
(12) 直近1年間における、新たに当該治療室に入室した患者のうち、入室日のSOFAスコア5以上の患者の割合が1割以上であること。ただし、15歳未満の小児は対象から除外する。
(13) 医療安全対策加算1の届出を行っていること。
特定集中治療室管理料2(広範囲熱傷特定集中治療管理料)に関する施設基準
(1) 特定集中治療室管理料1の施設基準を満たすほか、広範囲熱傷特定集中治療管理を行うにふさわしい治療室を有しており、当該治療室の広さは、内法による測定で、1床当たり20平方メートル以上であること。
(2) 当該保険医療機関に広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤の医師が勤務していること。
特定集中治療室管理料3に関する施設基準
(1) 専任の医師が常時、特定集中治療室内に勤務していること。当該専任の医師は、宿日直を行う医師ではないこと。ただし、患者の当該治療室への入退室などに際して、看護師と連携をとって当該治療室内の患者の治療に支障がない体制を確保している場合は、一時的に当該治療室から離れても差し支えない。
(2) 特定集中治療室管理を行うにふさわしい専用の特定集中治療室を有しており、当該特定集中治療室の広さは、内法による測定で、1床当たり 15 平方メートル以上であること。ただし、新生児用の特定集中治療室にあっては、1床当たり9平方メートル以上であること。
(3) 特定集中治療室管理料1の(5)から(9)、(11)及び(13)を満たすこと。
(4) 当該入院料を算定するものとして届け出ている治療室に入院している全ての患者の状態を、別添6の別紙17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」を用いて測定及び評価し、その結果、基準を満たす患者が、重症度、医療・看護必要度Ⅱによる評価で7割以上いること。ただし、短期滞在手術等基本料を算定する患者、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者及び歯科の入院患者(同一入院中に医科の診療も行う期間については除く。)は対象から除外する。なお、別添6の別紙17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」のB項目の患者の状況等については、特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る基準の対象から除外するが、当該評価票を用いて評価を行っていること。
(5) 直近1年間における、新たに治療室に入室する患者のうち、入室日のSOFAスコア3以上の患者の割合が1割以上であること。ただし、15歳未満の小児は対象から除外する。
特定集中治療室管理料4(広範囲熱傷特定集中治療管理料)に関する施設基準
(1) 特定集中治療室管理料3の施設基準を満たすほか、広範囲熱傷特定集中治療管理を行うにふさわしい治療室を有しており、当該治療室の広さは、内法による測定で、1床当たり15平方メートル以上であること。
(2) 当該保険医療機関に広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤の医師が勤務していること。
特定集中治療室管理料5に関する施設基準
(1) 専任の医師(宿日直を行っている専任の医師を含む)が常時、保険医療機関内に勤務していること。
(2) 特定集中治療室管理料1の(2) 、(5)から(9)まで、(11)及び(13)を満たすこと。
(3) 特定集中治療室管理料3の(2)及び(4)を満たすこと。
(4) 当該治療室勤務の医師は、当該治療室に勤務している時間帯は、当該治療室以外での勤務を併せて行わないものとすること。
(5) 届出を行う治療室について、届出時点で、継続して3月以上、特定集中治療室管理料1、2、3若しくは4又は救命救急入院料を算定していること。
特定集中治療室管理料6に関する施設基準
(1) 特定集中治療室管理料5の施設基準を満たすほか、広範囲熱傷特定集中治療管理を行うにふさわしい治療室を有しており、当該治療室の広さは、内法による測定で、1床当たり15平方メートル以上であること。
(2) 当該保険医療機関に広範囲熱傷特定集中治療を担当する常勤の医師が勤務していること。
算定上限日数に係る施設基準
(1) 当該治療室において、「注4」に規定する早期離床・リハビリテーション加算又は「注5」に規定する早期栄養介入管理加算の届出を行っていること。
(2) 当該治療室に入院する患者について、関連学会と連携の上、適切な管理等を行っていること。
小児加算の施設基準
専任の小児科の医師が常時配置されている保険医療機関であること。
早期離床・リハビリテーション加算の施設基準
(1) 当該治療室内に、以下から構成される早期離床・リハビリテーションに係るチームが設置されていること。
ア 集中治療に関する5年以上の経験を有する専任の医師
イ 集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を5年以上有し、集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修を修了した専任の常勤看護師
ウ 急性期医療を提供する保険医療機関において5年以上従事した経験を有する専任の常勤理学療法士、専任の常勤作業療法士又は専任の常勤言語聴覚士
(2) 当該保険医療機関内に複数の特定集中治療室等が設置されている場合、(1)に規定するチームが複数の特定集中治療室等の早期離床・リハビリテーションに係るチームを兼ねることは差し支えない。
(3) (1)のアに掲げる専任の医師は、特定集中治療室等に配置される医師が兼ねることは差し支えない。また、特定集中治療室等を複数設置している保険医療機関にあっては、当該医師が配置される特定集中治療室等の患者の治療に支障がない体制を確保している場合は、別の特定集中治療室等の患者に対する早期離床・リハビリテーションに係るチームの業務を実施することができる。
(4) (1)のイに掲げる集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修とは、国又は医療関係団体等が主催する 600 時間以上の研修(修了証が交付されるもの)であり、講義及び演習により集中治療を必要とする患者の看護に必要な専門的な知識及び技術を有する看護師の養成を目的とした研修又は保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる集中治療を必要とする患者の看護に係る研修であること。
(5) (1)のイに掲げる専任の常勤看護師は、特定集中治療室管理料1及び2を届け出る治療室に配置される1の(2)の看護師が兼ねることは差し支えない。また、特定集中治療室等を複数設置している保険医療機関にあっては、当該看護師が配置される特定集中治療室等の患者の看護に支障がない体制を確保している場合は、別の特定集中治療室等の患者に対する早期離床・リハビリテーションに係るチームの業務を実施することができる。
(6) (1)のウに掲げる専任の常勤理学療法士、専任の常勤作業療法士又は専任の常勤言語聴覚士は特定集中治療室等を有する保険医療機関で5年以上の経験を有すること。ただし、特定集中治療室等を有する保険医療機関での経験が5年に満たない場合は、回復期リハビリテーション病棟に専従で勤務した経験とあわせて5年以上であっても差し支えない。
(7) 特定集中治療室における早期離床・リハビリテーションに関するプロトコルを整備していること。なお、早期離床・リハビリテーションの実施状況等を踏まえ、定期的に当該プロトコルの見直しを行うこと。
(8) 心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料に係る届出を行っている保険医療機関であること。
早期栄養介入管理加算の施設基準
(1) 当該治療室に次の要件を満たす管理栄養士が専任で配置されていること。
ア 別添3の第19の1の(3)に規定する研修を修了し、栄養サポートチームにおいて栄養管理に係る3年以上の経験を有すること
イ 集中治療を必要とする患者の栄養管理に係る3年以上の経験を有すること
(2) (1)に掲げる管理栄養士は、以下の知識及び技能を有していることが望ましい。
ア 特定集中治療室への入室翌日までに入室患者全員の栄養スクリーニングを実施し、重点的な栄養管理を必要とする患者を特定することができること
イ 腸管機能として腸蠕動音、鼓音及び腹部膨満等を確認するとともに、Refeeding Syndro me、Over feedingについてのアセスメント及びモニタリングをすることができること
ウ 栄養管理に係る計画及び治療目的を多職種と共有し、アセスメントによって把握された徴候及び症状を勘案し、可能な限り入院前の日常生活機能等に近づけるよう栄養補給について立案することができること
エ 経腸栄養投与継続が困難と評価した場合は、担当医に報告し、栄養管理に係る計画を再考することができること
オ 経口摂取移行時においては、摂食嚥下機能について確認し、必要に応じて言語聴覚士等との連携を図ることができること
(3) 特定集中治療室管理料を算定する一般病床の治療室における専任の管理栄養士の数は、当該治療室の入院患者の数が10又はその端数を増すごとに1以上であること。複数の治療室を有する保険医療機関において、専任の管理栄養士は、複数の治療室を担当することは可能であるが、その場合であっても、専任の管理栄養士の数は、当該加算を届け出る治療室の入院患者の数の合計数が10又はその端数を増すごとに1以上であること。
(4) 当該治療室において、早期から栄養管理を実施するため日本集中治療医学会の「日本版重症患者の栄養療法ガイドライン」を参考にして院内において栄養管理に係る手順書を作成し、それに従って必要な措置が実施されていること。また、栄養アセスメントに基づく計画を対象患者全例について作成し、必要な栄養管理を行っていること。
重症患者対応体制強化加算の施設基準
(1) 集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を5年以上有し、かつ、集中治療を必要とする患者の看護に関する適切な研修を修了した専従の常勤看護師(以下この項において「常勤看護師」という。)が当該治療室内に1名以上配置されていること。なお、ここでいう「適切な研修」とは、国又は医療関係団体等が主催する 600 時間以上の研修(修了証が交付されるものに限る。)であり、講義及び演習により集中治療を必要とする患者の看護に必要な専門的な知識及び技術を有する看護師の養成を目的とした研修又は保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる集中治療を必要とする患者の看護に係る研修であること。
(2) 救命救急入院料2又は4、特定集中治療室管理料に係る届出を行っている保険医療機関において5年以上勤務した経験を有する専従の常勤臨床工学技士が当該治療室内に1名以上配置されていること。
(3) 常勤看護師のほか、集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を3年以上有する看護師が当該治療室内に2名以上配置されていること。
(4) (3)に規定する看護師は、集中治療を必要とする患者の看護に関する以下のいずれかの研修を受講すること。なお、当該研修を既に修了している場合においては、(5)に示す院内研修の講師や、(6)に示す地域の医療機関等が主催する集中治療を必要とする患者の看護に関する研修の講師として参加すること。
ア 国又は医療関係団体等が主催する 600 時間以上の研修(修了証が交付されるものに限る。)であって、講義及び演習により集中治療を必要とする患者の看護に必要な専門的な知識及び技術を有する看護師の養成を目的とした研修
イ 保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる集中治療を必要とする患者の看護に関する研修
(5) 当該保険医療機関の医師、(3)に規定する看護師又は臨床工学技士により、集中治療を必要とする患者の看護に従事する看護職員を対象とした院内研修を、年1回以上実施すること。
なお、院内研修は重症患者への看護実践のために必要な知識・技術の習得とその向上を目的とした研修であり、講義及び演習に、次のいずれの内容も含むものであること。
ア 重症患者の病態生理、全身管理の知識・看護
イ 人工呼吸器又は体外式膜型人工肺(ECMO)を用いた重症患者の看護の実際
(6) (3)に規定する看護師は、地域の医療機関等が主催する集中治療を必要とする患者の看護に関する研修に講師として参加するなど、地域における集中治療の質の向上を目的として、地域の医療機関等と協働することが望ましい。
(7) (3)に規定する看護師の研修の受講状況や(6)に規定する地域活動への参加状況について記録すること。
(8) 新興感染症の発生等の有事の際に、都道府県等の要請に応じて、他の医療機関等の支援を行う看護師が2名以上確保されていること。なお、当該看護師は、(3)に規定する看護師であることが望ましいこと。
(9) 急性期充実体制加算及び感染対策向上加算 1 に係る届出を行っている保険医療機関であること。
(10) (3)に規定する看護師は、当該治療室の施設基準に係る看護師の数に含めないこと。
(11) (3)に規定する看護師が当該治療室以外の治療室又は病棟において勤務した場合、勤務した治療室又は病棟の施設基準に係る看護師の数に含めないこと。
(12) 当該治療室に入院している全ての患者の状態を、別添6の別紙17の「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」を用いて測定及び評価し、その結果、重症度、医療・看護必要度Ⅱによる評価で「特殊な治療法等」に該当する患者が直近6か月間で1割5分以上であること。ただし、短期滞在手術等基本料を算定する患者及び基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者に対して短期滞在手術等基本料3の対象となる手術、検査又は放射線治療を行った場合(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者及び歯科の入院患者(同一入院中に医科の診療も行う期間については除く。)は対象から除外する。
特定集中治療室遠隔支援加算の施設基準
被支援側医療機関における施設基準を満たした上で、支援側医療機関における施設基準を満たす医療機関から入院患者についての常時モニタリングを受けるとともに助言を受けられる体制があること。
被支援側医療機関における施設基準
ア 特定集中治療室管理料5又は特定集中治療室管理料6の届出を行っていること。
イ 支援側医療機関から定期的に重症患者の治療に関する研修を受けていること。
ウ 情報セキュリティに必要な体制を整備した上で、支援側による電子カルテの確認及びモニタリングに必要な機器等を有している等関係学会の定める指針に従って支援を受ける体制を有していること。
支援側医療機関における施設基準
ア 特定集中治療室管理料1又は特定集中治療室管理料2の届出を行っていること。
イ 当該保険医療機関が支援する被支援側医療機関に、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域又は医療法第三十条の四第六項に規定する医師の数が少ないと認められる同条第二項第十四号に規定する区域に所在する保険医療機関が含まれること。なお、令和7年5月31日までの間に限り、当該基準を満たすものであること。
ウ 特定集中治療の経験を5年以上有する医師又は集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を5年以上有し、集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修を修了した専任の看護師が、被支援側医療機関の特定集中治療室における患者のモニタリングを常時行うこと。
エ 特定集中治療の経験を5年以上有する医師が、特定集中治療室内に勤務する専任の医師と別に配置されていること。
オ ウの職員数は、被支援側医寮機関の治療室における入院患者数が30又はその端数を増すごとに1以上であること。
カ 被支援側医療機関に対して定期的に重症患者の治療に関する研修を行うこと。
キ 情報セキュリティに必要な体制を整備した上で、被支援側医療機関の電子カルテの確認及びモニタリングに必要な機器等を有する等関係学会の定める指針に従って支援を行う体制を有していること。
疑義解釈
(問) 特定集中治療室管理料「1」から「4」までにおいて、患者の入室日のSOFAスコアの基準が示され、15 歳以上の患者が対象とされているが、15 歳未満の患者を主として受け入れる治療室はどのように評価するのか。
(答)15歳以上の患者の入室日のSOFAスコアにより評価する。ただし、15歳以上の患者の入室日のSOFAスコアで基準を満たさない場合であって、15歳未満の患者を pSOFAスコアで評価し、15 歳未満の患者も含めて評価して基準を満たす場合には、SOFAスコアの基準を満たすものとして差し支えない。
(問)特定集中治療室管理料の「1」から「4」の施設基準において、入室日のSOFAスコアの基準が定められているが、入室日という のは当該治療室に入った初日を指すのか。
(答)そのとおり。
(問)特定集中治療室管理料の「1」から「4」の施設基準において、入室日のSOFAスコアの基準が定められているが、1回の入院において複数回入室した場合についてどのように考えればよいか。
(答)入院期間が通算される1回の入院において、特定集中治療室に複数回入室した場合、初回の入室日のSOFAスコアを評価する。
(問)特定集中治療室管理料の「1」から「4」の施設基準において、入室日のSOFAスコアの基準が定められているが、入室日におけるSOFAスコアの評価方法とはどのようなものか。
(答)日本集中治療医学会ICU機能評価委員会による「JIPAD 日本ICU患者データベースデータ辞書」等を参考に、原則として入室後、速やかに評価し、入室日に2回以上評価した場合、最も高いスコアをその患者のスコアとする。
(問)特定集中治療室管理料の「1」から「4」の施設基準において、入室日のSOFAスコアの基準が定められているが、深夜に入院した場合等、入室日のSOFAスコアを評価することが困難な場合について、 どのように考えればよいか。
(答)入室日のSOFAスコアを評価することが困難な場合、入室後 24 時間以内に評価したスコアであって、評価が可能になったときに速やかに評価したスコアに限り、当該スコアをその患者のスコアとして差し支えない。
(問)特定集中治療室管理料の「1」から「4」の施設基準において、入室日のSOFAスコアについて、「15 歳未満の小児は対象から除外する。」とあるが、入室中に15歳になった場合について、どのように考え ればよいか。
(答)入室日の年齢が 15 歳未満であれば、対象から除外する。
(問)特定集中治療室管理料「1」から「4」の施設基準において、入室日のSOFAスコアの基準が定められているが、令和6年5月31日以前に測定した、入室日のSOFAスコアについてどのように考えればよいか。
(答)令和6年5月31日以前に測定したSOFAスコアについては、2023 年度「DPC導入の影響評価に係る調査」実施説明資料に基づいて測定しているSOFAスコアであれば、施設基準の計算に用いてよい。
(問)注7に規定する特定集中治療室遠隔支援加算の支援側医療機関の施設基準において、「特定集中治療の経験を5年以上有する医師が、特定集中治療室内に勤務する専任の医師と別に配置されていること。」とあるが、当該別に配置されている医師は、支援側 医療機関の特定集中治療室に入院する患者に係る業務を行ってもよいか。
(答)特定集中治療室内に専任の医師が2名以上勤務しており、そのうち遠隔支援を担当する医師が特定集中治療の経験を5年以上有する医師である場 合であって、当該医師が遠隔支援に係る助言を求められた際に対応可能である場合に限り、施設基準を満たすものとみなす。
(問)注7に規定する特定集中治療室遠隔支援加算の支援側医療機関の施設基準において、「特定集中治療の経験を5年以上有する医師が、特定集中治療室内に勤務する専任の医師と別に配 置されていること。」とあるが、当該別に配置されている医師は、支援側 医療機関の特定集中治療室内に勤務している必要はあるか。また、当該医 師は宿日直を行う医師であってもよいか。
(答)当該医師は支援側医療機関の特定集中治療室内に勤務している必要はなく、宿日直を行う医師であっても差し支えない。ただし、当該医師が被支 援側医療機関の特定集中治療室における患者のモニタリングを行っている看護師から助言を求められた場合に直ちに対応できる必要がある。
(問)注7に掲げる特定集中治療室遠隔支援加算の支援側医療機関の施設基準において、「特定集中治療の経験を5年以上有する医師又は集中治療を必要とする患者の看護に従事した経験を5年以上有し、集中治療を必要とする患者の看護に係る適切な研修を修了した専任の看護師が、被支援側医療機関の特定集中治療室における患者の モニタリングを常時行うこと。」とあるが、患者のモニタリングを行う場所は、支援側の医療機関における特定集中治療室内である必要があるのか。
(答)モニタリングを行う場所は、支援側の保険医療機関内であれば、特定集 中治療室内である必要はないが、患者のモニタリングを行う職員が集中治 療を必要とする患者の看護に係る適切な研修を修了した専任の看護師であ る場合には、特定集中治療の経験を5年以上有し、遠隔支援を担当する医 師と速やかに連絡を取れる体制を有する必要がある。
(問)特定集中治療室遠隔支援加算の被支援側医療機関の施設基準において、「支援側医療機関から定期的に重症患者の治療に関する研修を受けていること。」とあるが、こ の研修は具体的にどのようなものを指すのか。
(答)概ね3か月に1回以上、例えば以下の内容を含む研修又はカンファレンスを施していること。 また、当該研修等は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。
- 遠隔支援が行われた又は遠隔支援を行うことが適当と考えられた重症 患者の症例についての検討
- 当該施設間の遠隔支援に係る組織体制、運用マニュアル等について(マニュアル等の改正の検討を含む。)
- 重症患者の治療に関する最新の知見について