妊産婦緊急搬送入院加算とは、緊急用の自動車や救急医療用ヘリコプターで搬送された妊産婦が入院した場合に算定する入院基本料の加算です。
A205-3 妊産婦緊急搬送入院加算(入院初日)
妊産婦緊急搬送入院加算(入院初日) 7000点
妊産婦緊急搬送入院加算の算定要件
産科又は産婦人科を標榜する保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たすものにおいて、入院医療を必要とする異常が疑われ緊急用の自動車等で緊急に搬送された妊産婦を入院させた場合に、当該患者(入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は特定入院料のうち、妊産婦緊急搬送入院加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、入院初日に限り所定点数に加算する。
妊産婦緊急搬送入院加算の留意事項
(1) 妊産婦緊急搬送入院加算は、次に掲げる場合(当該妊娠及び入院医療を必要とする異常の原因疾患につき、直近3か月以内に当該加算を算定する保険医療機関への受診歴のある患者が緊急搬送された場合を除く。)において受け入れた妊産婦が、母体又は胎児の状態により緊急入院の必要があり、医療保険の対象となる入院診療を行った場合に入院初日に限り算定する。
ア 妊娠に係る異常又はその他入院医療を必要とする異常が疑われ、救急車等により当該保険医療機関に緊急搬送された場合
イ 他の医療機関において、妊娠に係る異常又はその他入院医療を必要とする異常が認められ、当該保険医療機関に緊急搬送された場合
ウ 助産所において、妊娠に係る異常又はその他入院医療を必要とする異常が疑われ、当該保険医療機関に緊急搬送された場合
(2) 当該加算は、緊急搬送された妊産婦が妊娠に係る異常以外の入院医療を必要とする異常が疑われる場合においては、当該保険医療機関において産科又は産婦人科の医師と当該異常に係る診療科の医師が協力して妊産婦の緊急搬送に対応することを評価するものであり、産科又は産婦人科以外の診療科への入院の場合においても算定できる。
(3) (1)において、受診歴とは妊婦健診及び往診等による受診を含むものである。ただし、(1)のウの場合において、当該保険医療機関が当該助産所の嘱託医療機関である場合又は当該保険医療機関の保険医が当該助産所の嘱託医である場合においては、嘱託医療機関又は嘱託医が実施した妊婦健診は、受診歴に含まない。なお、この場合においては、嘱託医療機関であること又は嘱託医の氏名を診療録に記載すること。
(4) 妊産婦とは産褥婦を含む。
算定できる入院料について
以下の入院料に対して妊産婦緊急搬送入院加算を算定することが可能です
- A100 一般病棟入院基本料
- A102 結核病棟入院基本料
- A103 精神病棟入院基本料
- A104 特定機能病院入院基本料
- A105 専門病院入院基本料
- A108 有床診療所入院基本料
- A300 救命救急入院料
- A301 特定集中治療室管理料
- A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料
- A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
- A303 総合周産期特定集中治療室管理料
- A305 一類感染症患者入院医療管理料
- A310 緩和ケア病棟入院料
- A311-2 精神科急性期治療病棟入院料
- A311-3 精神科救急・合併症入院料
- A317 特定一般病棟入院料
令和6年 妊産婦緊急搬送入院加算施設基準
(1) 産科又は産婦人科を標榜している保険医療機関であること。
(2) 妊産婦である患者の受診時に、緊急の分娩について十分な経験を有する専ら産科又は産婦人科に従事する医師が配置されており、その他緊急の分娩に対応できる十分な体制がとられていること。
(3) 妊産婦である患者の受診時に、緊急に使用可能な分娩設備等を有しており、緊急の分娩にも対応できる十分な設備を有していること。
施設基準の届出について
妊産婦緊急搬送入院加算の施設基準に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はありません。