A234-5 報告書管理体制加算(退院時1回) 7点
報告書管理体制加算の算定要件
組織的な医療安全対策の実施状況の確認につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、当該入院中に第4部画像診断又は第13部病理診断に掲げる診療料を算定したもの(入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は特定入院料のうち、報告書管理体制加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、退院時1回に限り、所定点数に加算する。
報告書管理体制加算の留意事項
(1) 報告書管理体制加算は、医療機関全体の医療安全の一環として行われる、画像診断報告書・病理診断報告書(以下この項において「報告書」という。)の確認漏れによる診断又は治療開始の遅延を防止する取組を評価するものであり、当該保険医療機関に入院している患者であって、第4部画像診断又は第 13部病理診断に掲げる診療料を算定するものについて、退院時1回に限り算定する。
(2) 組織的な報告書管理とは、画像診断部門、病理診断部門又は医療安全管理部門に所属する報告書確認管理者が、医療安全管理対策委員会と連携し、当該保険医療機関内の報告書の確認漏れによる診断及び治療開始の遅れを防止する取組に係る状況を把握するとともに、当該保険医療機関内に報告書確認対策チームを設置し、当該チームが、報告書管理のための支援や業務改善等を継続的に実施していることをいう。
加算が算定できる入院料について
報告書管理体制加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。
- A100 一般病棟入院基本料
- A101 療養病棟入院基本料
- A102 結核病棟入院基本料
- A103 精神病棟入院基本料
- A104 特定機能病院入院基本料
- A105 専門病院入院基本料
- A106 障害者施設等入院基本料
- A108 有床診療所入院基本料
- A109 有床診療所療養病床入院基本料
- A300 救命救急入院料
- A301 特定集中治療室管理料
- A301-2 ハイケアユニット入院医療管理料
- A301-3 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
- A301-4 小児特定集中治療室管理料
- A302 新生児特定集中治療室管理料
- A303 総合周産期特定集中治療室管理料
- A303-2 新生児治療回復室入院医療管理料
- A305 一類感染症患者入院医療管理料
- A306 特殊疾患入院医療管理料
- A307 小児入院医療管理料
- A308 回復期リハビリテーション病棟入院料
- A308-3 地域包括ケア病棟入院料
- A309 特殊疾患病棟入院料
- A310 緩和ケア病棟入院料
- A311 精神科救急急性期医療入院料
- A311-2 精神科急性期治療病棟入院料
- A311-3 精神科救急・合併症入院料
- A311-4 児童・思春期精神科入院医療管理料
- A312 精神療養病棟入院料
- A314 認知症治療病棟入院料
- A317 特定一般病棟入院料
- A318 地域移行機能強化病棟入院料
- A319 特定機能病院リハビリテーション病棟入院料
令和6年 報告書管理体制加算の施設基準
(1) 放射線科又は病理診断科を標榜していることが必要です。
(2) 医療安全対策加算1又は2の施設基準に係る届出を行っていることが必要です。
(3) 画像診断管理加算2若しくは3又は病理診断管理加算1若しくは2の施設基準に係る届出を行っていることが必要です。
(4) 医療機関内に、医療安全対策に係る適切な研修を修了した専任の常勤臨床検査技師又は専任の常勤診療放射線技師その他の常勤医療有資格者を報告書確認管理者として配置されていることが必要です。ここでいう適切な研修とは、医療安全対策加算の(1)のアをいうものである。
(5) 医療機関内に、以下の構成員からなる報告書確認対策チームが設置されていることが必要です。
ア (4)の報告書確認管理者
イ 専ら画像診断を行う医師もしくは専ら病理診断を行う医師
ウ 医療安全管理部門の医師その他医療有資格者
(6) 報告書確認管理者が行う業務に関する事項について
ア 報告書管理に係る企画立案を行うこと。
イ 報告書管理の体制確保のための各部門との調整を行うこと。
ウ 各部門における報告書管理の支援を実施し、その結果を記録していること。
エ 報告書作成から概ね2週間後に、主治医等による当該報告書の確認状況について、確認を行うとともに、未確認となっている報告書を把握すること。
オ 未確認となっている報告書のうち、医学的な対応が必要とされるものについて、その対応状況について、診療録等により確認すること。医学的な対応が行われていない場合にあっては、主治医等に電話連絡等の方法により対応を促すこと。
(7) 報告書確認対策チームが行う業務に関する事項について
ア 各部門における報告書管理の実施状況の評価を行い、実施状況及び評価結果を記録するとともに、報告書管理の実施状況の評価を踏まえた、報告書管理のための業務改善計画書を作成すること。
イ 報告書管理を目的とした院内研修を、少なくとも年1回程度実施していること。
ウ 医療安全管理対策委員会との連携状況、院内研修の実績を記録すること。
エ 報告書管理の評価に係るカンファレンスが月1回程度開催されており、報告書確認対策チームの構成員及び必要に応じて患者の診療を担う医師、画像診断を担当する医師、病理診断を担当する医師、看護師等が参加していること。なお、当該カンファレンスは、対面によらない方法で開催しても差し支えない。
(8) 医療事故が発生した際に適切に報告する体制を整備していることが望ましいとされています。