A251 排尿自立支援加算

排尿自立支援加算の算定要件と施設基準について

排尿自立支援加算とは、尿道カテーテルを抜去後に下部尿路機能障害の症状がある、または生じる可能性がある入院患者さんの排尿自立ケアを評価する入院料の加算です。

A251 排尿自立支援加算(週1回) 200点

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排尿自立支援加算の算定要件

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者(入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は特定入院料のうち、排尿自立支援加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)であって別に厚生労働大臣が定めるものに対して、包括的な排尿ケアを行った場合に、患者1人につき、週1回に限り12週を限度として所定点数に加算する。

排尿自立支援加算の施設基準
排尿に関するケアを行うにつき十分な体制が整備されていること。

排尿自立支援加算の対象患者
尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害の症状を有する患者又は尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの。

Q
尿道カテーテルを抜去後に、尿道カテーテルを再留置した場合であっても、初回算定から12週間間以内であれば算定可能でしょうか?
A

算定可能です。

排尿自立支援加算の留意事項

(1) 排尿自立支援加算は、当該保険医療機関に排尿に関するケアに係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(排尿ケアチーム)を設置し、当該患者の診療を担う医師、看護師等が、排尿ケアチームと連携して、当該患者の排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的なケア(包括的排尿ケア)を実施することを評価するものである。

(2) 当該指導料は、次のいずれかに該当する者について算定できる。

 尿道カテーテル抜去後に、尿失禁、尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有するもの
 尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの

(3) 病棟の看護師等は、次の取組を行った上で、排尿ケアチームに相談すること。

 尿道カテ-テル抜去後の患者であって、尿失禁、尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有する患者を抽出する。
 アの患者について下部尿路機能評価のための情報収集(排尿日誌、残尿測定等)を行う。
 尿道カテーテル挿入中の患者について、尿道カテーテル抜去後の、排尿自立の可能性について評価し、抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるが、排尿自立の可能性がある患者を抽出する。

(4) 排尿ケアチームは、(3)を基に下部尿路機能障害を評価し、病棟の看護師等と共同して、排尿自立に向けた包括的排尿ケアの計画を策定する。包括的排尿ケアの内容は、看護師等による排尿誘導や生活指導、必要に応じ理学療法士等による排尿に関連する動作訓練、医師による薬物療法等を組み合わせた計画とする。

Q
排尿自立に向けた包括的排尿ケアの計画策定については、リハビリテーション実施計画書やリハビリテーション綜合計画書をもって併用することは可能でしょうか?
A

包括的排尿ケアの計画内容が記載されていれば併用しても問題ないとされています。

(5) 排尿ケアチーム、病棟の看護師等及び関係する従事者は、共同して(4)に基づく包括的排尿ケアを実施し、定期的な評価を行う。

(6) (3)から(5)までについて、診療録等に記載する。

(7) 排尿ケアチームが当該患者の状況を評価する等の関与を行うと共に、病棟の看護師等が、包括的排尿ケアの計画に基づいて患者に対し直接的な指導又は援助を行った場合について、週1回に限り、12 週を限度として算定できる。排尿ケアチームによる関与と、病棟の看護師等による患者への直接的な指導又は援助のうち、いずれか片方のみしか行われなかった週については算定できない。また、排尿が自立し指導を終了した場合には、その後については算定できない。

(8) 退院後に外来において、引き続き、包括的排尿ケアを実施する必要性を認めた場合には、診療録等にその旨を記載すること。

加算が算定できる入院料について

排尿自立支援加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。

排尿自立支援加算に関する施設基準

(1) 保険医療機関内に、以下から構成される排尿ケアチームが設置されていることが必要です。

 下部尿路機能障害がある患者さんの診療について経験がある医師
 下部尿路機能障害がある患者さんの看護に従事した経験が3年以上あり、所定の研修を修了した専任の常勤看護師
 下部尿路機能障害がある患者さんのリハビリテーション等の経験がある専任の常勤理学療法士又は専任の常勤作業療法士

(2) (1)のアに掲げる医師は、3年以上の勤務経験がある泌尿器科の医師又は排尿ケアに係る適切な研修を修了した者であることが必要です。なお、他の保険医療機関を主たる勤務先とする医師が対診等により当該チームに参画しても大丈夫です。また、ここでいう適切な研修とは、次の事項に該当する研修のことをいいます。

 国又は医療関係団体等が主催する研修であること。
 下部尿路機能障害の病態、診断、治療、予防及びケアの内容が含まれるものであること。
 通算して6時間以上のものであること。

(3) (1)のイに掲げる所定の研修とは、次の事項に該当する研修のことをいいます。

 国又は医療関係団体等が主催する研修であること。
 下部尿路機能障害の病態生理、その治療と予防、評価方法、排尿ケア及び事例分析の内容が含まれるものであること。
 排尿日誌による評価、エコーを用いた残尿測定、排泄用具の使用、骨盤底筋訓練及び自己導尿に関する指導を含む内容であり、下部尿路機能障害患者の排尿自立支援について十分な知識及び経験のある医師及び看護師が行う演習が含まれるものであること。
 通算して16時間以上のものであること。

(4) 排尿ケアチームの構成員は、外来排尿自立指導料に規定する排尿ケアチームの構成員と兼任であっても大丈夫です。

(5) 排尿ケアチームは、対象となる患者抽出のためのスクリーニング及び下部尿路機能評価のための情報収集(排尿日誌、残尿測定)等の排尿ケアに関するマニュアルを作成し、療機関内に配布し、院内研修を実施することが必要です。

(6) 包括的排尿ケアの計画及び実施に当たっては、下部尿路機能の評価、治療及び排尿ケアに関するガイドライン等を遵守することとされています。

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