【2024年】褥瘡ハイリスク患者ケア加算の算定要件と施設基準

褥瘡ハイリスク患者ケア加算とは、重点的な褥瘡ケアを行う必要を認め、計画的な褥瘡対策が行われた場合に、入院中1回に限り、以下の点数を算定することが可能です。

A236 褥瘡ハイリスク患者ケア加算(入院中1回)

褥瘡ハイリスク患者ケア加算  500点

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算定要件

褥瘡ハイリスク患者ケア加算は、褥瘡ケアを実施するための適切な知識・技術を有する専従の褥瘡管理者が、対象となる患者さんに対し、適切な褥瘡予防・治療のための予防治療計画に基づく総合的な褥瘡対策を継続して実施した場合に算定を行います。

褥瘡管理者は、褥瘡リスクアセスメント票・褥瘡予防治療計画書に基づき実施した褥瘡ケアの内容を診療録等に記載することが必要です。入院期間が通算される再入院であっても算定できます。

算定対象患者について

褥瘡予防・管理が難しく重点的な褥瘡ケアが必要な患者さんとは、ベッド上安静であって、次に掲げるものとなっています。

ア ショック状態の患者さん

イ 重度の末梢循環不全の患者さん
ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要な患者さん
エ 6時間以上の全身麻酔下による手術を受けた患者さん
オ 特殊体位による手術を受けた患者さん
カ 強度の下痢が続く患者さん
キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸等)である患者さん
ク 皮膚に密着させる医療関連機器の長期かつ持続的な使用が必要である患者さん
ケ 褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有する患者さん

加算が算定できる入院料について

褥瘡ハイリスク患者ケア加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。

  • 一般病棟入院基本料
  • 結核病棟入院基本料
  • 精神病棟入院基本料
  • 特定機能病院入院基本料
  • 専門病院入院基本料
  • 障害者施設等入院基本料
  • 救命救急入院料
  • 特定集中治療室管理料
  • ハイケアユニット入院医療管理料
  • 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
  • 小児特定集中治療室管理料
  • 新生児特定集中治療室管理料
  • 総合周産期特定集中治療室管理料
  • 新生児治療回復室入院医療管理料
  • 一類感染症患者入院医療管理料
  • 小児入院医療管理料
  • 緩和ケア病棟入院料
  • 精神科救急急性期医療入院料
  • 精神科急性期治療病棟入院料
  • 精神科救急・合併症入院料
  • 児童・思春期精神科入院医療管理料
  • 特定一般病棟入院料

褥瘡ハイリスク患者ケア加算の施設基準

  1. 褥瘡ケアに係る専門の研修を受けた専従の看護師等が褥瘡管理者として配置されていること。
  2. 褥瘡管理者が、褥瘡対策チームと連携して、あらかじめ定められた方法に基づき、個別の患者ごとに褥瘡リスクアセスメントを行っていること。
  3. 褥瘡リスクアセスメントの結果を踏まえ、特に重点的な褥瘡ケアが必要と認められる患者について、主治医その他の医療従事者が共同して褥瘡の発生予防等に関する計画を個別に作成し、当該計画に基づき重点的な褥瘡ケアを継続して実施していること。
  4. 褥瘡の早期発見及び重症化予防のための総合的な褥瘡管理対策を行うにふさわしい体制が整備されていること。

POINT

「1」の看護師とは、褥瘡ハイリスク患者さんのケアに従事した経験が5年以上あり、褥瘡等の創傷ケアに係る適切な研修を終了した人をいいます。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。

基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

届出時の留意事項

  • 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
  • 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
  • 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
  • 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。

定例報告の義務

毎年7月の定例報告には「褥瘡対策の実績等」を地方厚生局へ提出する必要があります。

報告内容は以下のようなものです。

  1. 入院患者数(報告月の前月の1ヶ月間の入院患者数)
  2. 入院患者数のうち、褥瘡リスクアセスメント実施人数
  3. 褥瘡リスクアセスメント実施人数のうち、褥瘡ハイリスク項目に該当する患者数
  4. 褥瘡ハイリスク項目別のそれぞれの人数「ショック状態のもの」「重度の末梢循環不全のもの」「麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要であるもの」「6時間以上の全身麻酔下による手術を受けたもの」「特殊体位による手術を受けたもの」「強度の下痢が続く状態であるもの」「極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸など)」「医療関連機器の長期かつ持続的な使用(医療用弾性ストッキング、シーネ等) 」「褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有するもの」
  5. 褥瘡ハイリスク患者ケア加算を算定した人数
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