褥瘡ハイリスク患者ケア加算とは、重点的な褥瘡ケアを行う必要を認め、計画的な褥瘡対策が行われた場合に、入院中1回に限り、以下の点数を算定することが可能です。
褥瘡ハイリスク患者ケア加算(入院中1回) 500点

算定するには厚生労働大臣が定める施設基準を満たしており、地方厚生局長等に施設基準の届出を行っている必要があります。
算定要件
褥瘡ハイリスク患者ケア加算は、褥瘡ケアを実施するための適切な知識・技術を有する専従の褥瘡管理者が、対象となる患者さんに対し、適切な褥瘡予防・治療のための予防治療計画に基づく総合的な褥瘡対策を継続して実施した場合に算定を行います。
褥瘡管理者は、褥瘡リスクアセスメント票・褥瘡予防治療計画書に基づき実施した褥瘡ケアの内容を診療録等に記載することが必要です。
POINT入院期間が通算される再入院であっても算定できます。
算定対象患者について
褥瘡予防・管理が難しく重点的な褥瘡ケアが必要な患者さんとは、ベッド上安静であって、次に掲げるものとなっています。
ア ショック状態の患者さん
イ 重度の末梢循環不全の患者さん
ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要な患者さん
エ 6時間以上の全身麻酔下による手術を受けた患者さん
オ 特殊体位による手術を受けた患者さん
カ 強度の下痢が続く患者さん
キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸等)である患者さん
ク 皮膚に密着させる医療関連機器の長期かつ持続的な使用が必要である患者さん
ケ 褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有する患者さん
褥瘡ハイリスク患者ケア加算の施設基準
- 褥瘡ケアに係る専門の研修を受けた専従の看護師等が褥瘡管理者として配置されていること。
- 褥瘡管理者が、褥瘡対策チームと連携して、あらかじめ定められた方法に基づき、個別の患者ごとに褥瘡リスクアセスメントを行っていること。
- 褥瘡リスクアセスメントの結果を踏まえ、特に重点的な褥瘡ケアが必要と認められる患者について、主治医その他の医療従事者が共同して褥瘡の発生予防等に関する計画を個別に作成し、当該計画に基づき重点的な褥瘡ケアを継続して実施していること。
- 褥瘡の早期発見及び重症化予防のための総合的な褥瘡管理対策を行うにふさわしい体制が整備されていること。
POINT1の看護師とは、褥瘡ハイリスク患者さんのケアに従事した経験が5年以上あり、褥瘡等の創傷ケアに係る適切な研修を終了した人をいいます。
届出を行う地方厚生局HPについて
届出を行う際は、保険医療機関が所在する都道府県を管轄する地方厚生局に「添付書類」を1部提出する必要があります。

定例報告の義務
毎年7月の定例報告には「褥瘡対策の実績等」を地方厚生局へ提出する必要があります。

報告内容は以下のようなものです。
- 入院患者数(報告月の前月の1ヶ月間の入院患者数)
- 入院患者数のうち、褥瘡リスクアセスメント実施人数
- 褥瘡リスクアセスメント実施人数のうち、褥瘡ハイリスク項目に該当する患者数
- 褥瘡ハイリスク項目別のそれぞれの人数「ショック状態のもの」「重度の末梢循環不全のもの」「麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要であるもの」「6時間以上の全身麻酔下による手術を受けたもの」「特殊体位による手術を受けたもの」「強度の下痢が続く状態であるもの」「極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸など)」「医療関連機器の長期かつ持続的な使用(医療用弾性ストッキング、シーネ等) 」「褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有するもの」
- 褥瘡ハイリスク患者ケア加算を算定した人数