2024年|病棟薬剤業務実施加算の算定要件と施設基準について

病棟薬剤業務実施加算は、病棟等において、薬剤師が医療従事者の負担軽減及び薬物療法の有効性、安全性の向上に資する業務(病棟薬剤業務)を実施していることを評価したものであり、病棟専任の薬剤師が病棟薬剤業務を1病棟又は治療室1週間につき20時間相当以上実施している場合に、病棟薬剤業務実施加算1にあっては週1回に限り、病棟薬剤業務実施加算2にあっては1日につき以下の点数を算定します。

A244 病棟薬剤業務実施加算

1 病棟薬剤業務実施加算1(週1回) 120点

2 病棟薬剤業務実施加算2(1日につき) 100点

療養病棟入院基本料、精神病棟入院基本料又は特定機能病院入院基本料(精神病棟に限る)を算定している患者さんについては、入院した日から起算して8週を限度として算定できます。

複数の薬剤師が一の病棟又は治療室において実施する場合には、当該薬剤師が実施に要した時間を全て合算して得た時間が20時間相当以上であれば大丈夫とされています。

 

※ここでいう入院した日とは、入院期間が通算される入院の初日のことをいいます。

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病棟薬剤業務実施加算1が算定できる入院料について

以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。 

  • 一般病棟入院基本料
  • 療養病棟入院基本料
  • 結核病棟入院基本料
  • 精神病棟入院基本料
  • 特定機能病院入院基本料
  • 専門病院入院基本料
  • 小児入院医療管理料

病棟薬剤業務実施加算2が算定できる入院料について

以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。 

  • 救命救急入院料
  • 特定集中治療室管理料
  • ハイケアユニット入院医療管理料
  • 脳卒中ケアユニット入院医療管理料
  • 小児特定集中治療室管理料
  • 新生児特定集中治療室管理料
  • 総合周産期特定集中治療室管理料

病棟薬剤業務について

病棟薬剤業務とは、次に掲げるものであることをいいます。

過去の投薬・注射及び副作用発現状況等を患者さん又はその家族等から聴取し、当該保険医療機関及び可能な限り他の保険医療機関における投薬及び注射に関する基礎的事項を把握することが必要です。

医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)によるなど、インターネットを通じて常に最新の医薬品緊急安全性情報、医薬品・医療機器等安全性情報、製造販売業者が作成する医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に関する情報、医薬品・医療機器等の回収等の医薬品情報の収集を行うとともに、重要な医薬品情報については、医療従事者へ周知していることが必要です。

当該保険医療機関において投薬される医薬品について、以下の情報を知ったときは、速やかに当該患者の診療を担当する医師に対し、当該情報を文書により提供することが必要です。

ⅰ 緊急安全性情報、安全性速報
ⅱ 医薬品・医療機器等安全性情報
ⅲ 医薬品・医療機器等の回収等

入院時に、持参薬の有無、薬剤名、規格、剤形等を確認し、服薬計画を書面で医師等に提案するとともに、その書面の写しを診療録等に添付することが必要です。

 入院している患者さんに対し2種以上(注射薬及び内用薬を各1種以上含む)の薬剤が同時に投与される場合には、治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合等を除き、投与前に、注射薬と内用薬との間の相互作用の有無等の確認を行うことが必要です。

患者さん又はその家族に対し、治療方針に係る説明を行う中で、特に安全管理が必要な医薬品等の説明を投与前に行う必要がある場合には、病棟専任の薬剤師がこれを行うこととされています。なお、ここでいう特に安全管理が必要な医薬品とは、薬剤管理指導料の対象患者に規定する医薬品のことをいいます。

特に安全管理が必要な医薬品等のうち、投与の際に流量又は投与量の計算等が必要な場合は、治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合等を除き、投与前に病棟専任の薬剤師が当該計算等を実施することが必要です。

アからキまでに掲げる業務のほか、「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(平成22年4月30日医政発0430第1号)の記の2の(1)(③、⑥及び⑧を除く)に掲げる業務についても、可能な限り実施するよう努めることとされています。

退院時の薬学的管理指導について、可能な限り実施することとされています。

病棟薬剤業務の留意点

病棟薬剤業務の実施に当たっては、次の点に留意することとされています。

医薬品情報の収集、抗がん剤の無菌調製など、病棟薬剤業務の内容によっては、必ずしも病棟において実施されるものではないものであること。

病棟専任の薬剤師は、別紙様式30又はこれに準じた当該病棟に係る病棟薬剤業務日誌を作成・管理し、記入の日から5年間保存しておくこと。また、患者の薬物療法に直接的に関わる業務については、可能な限り、その実施内容を診療録等にも記録すること。

病棟薬剤業務実施加算を算定できない病棟又は治療室においても病棟薬剤業務を実施するよう努めること。

病棟薬剤業務日誌

病棟薬剤業務実施加算1の施設基準

(1) 常勤の薬剤師が、2名以上配置されているとともに、病棟薬剤業務の実施に必要な体制がとられていることが必要です。週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている非常勤薬剤師を2名組み合わせることにより、当該常勤薬剤師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤薬剤師が配置されている場合には、これらの非常勤薬剤師の実労働時間を常勤換算し常勤薬剤師数に算入することができます。ただし、常勤換算し常勤薬剤師に算入することができるのは、常勤薬剤師のうち1名までに限ります。

(2) 病棟薬剤業務を行う専任の薬剤師が当該保険医療機関の全ての病棟(障害者施設等入院基本料又は小児入院医療管理料以外のの特定入院料(病棟単位で行うものに限る)を算定する病棟を除く)に配置されていることが必要です。ただし、この場合において、複数の薬剤師が一の病棟において病棟薬剤業務を実施することを妨げない。病棟の概念及び1病棟当たりの病床数に係る取扱いについては、別添2の第2の1及び2によるものであること。
なお、病棟薬剤業務実施加算を算定できない手術室、治療室及び小児入院医療管理料以外の特定入院料(病棟単位で行うものに限る)を算定する病棟においても、病棟薬剤業務の実施に努めることとされています。

(3) 病棟専任の薬剤師による病棟薬剤業務の直近1か月の実施時間が合算して1週間につき20時間相当に満たない病棟(障害者施設等入院基本料又は小児入院医療管理料以外の特定入院料(病棟単位で行うものに限る)を算定する病棟を除く)があってはならないとされています。

(4) 病棟薬剤業務の実施時間には、小児入院医療管理料の退院時薬剤情報管理指導連携加算、薬剤管理指導料及び退院時薬剤情報管理指導料の算定のための業務に要する時間は含まれません。

(5) 医薬品情報の収集及び伝達を行うための専用施設(医薬品情報管理室)を有し、院内からの相談に対応できる体制が整備されていることが必要です。なお、院内からの相談に対応できる体制とは、当該保険医療機関の医師等からの相談に応じる体制があることを当該医師等に周知していればよく、医薬品情報管理室に薬剤師が常時配置されている必要はありません。

(6) 医薬品情報管理室が、病棟専任の薬剤師を通じて、次のアからウまでに掲げる情報(医薬品安全性情報等)を積極的に収集し、評価するとともに、一元的に管理し、医薬品安全性情報等及びその評価した結果について、有効に活用されるよう分かりやすく工夫した上で、関係する医療従事者に速やかに周知していることは必要です。

 医薬品の投薬及び注射の状況(使用患者数、使用量、投与日数等を含む。)

 発生した医薬品に係る副作用、ヒヤリハット、インシデント等の情報

公的機関、医薬品製造販売業者、卸売販売業者、学術誌、医療機関外の医療従事者等外部から入手した医薬品の有効性、安全性、品質、ヒヤリハット、インシデント等の情報(後発医薬品に関するこれらの情報を含む。)

(7) 医薬品安全性情報等のうち、迅速な対応が必要となるものを把握した際に、電子媒体に保存された診療録、薬剤管理指導記録等の活用により、当該医薬品を処方した医師及び投与された患者さんを速やかに特定でき、必要な措置を迅速に講じることができる体制を有していることが必要です。

(8) 病棟専任の薬剤師と医薬品情報管理室の薬剤師が必要に応じカンファレンス等を行い、各病棟での問題点等の情報を共有するとともに、各薬剤師が病棟薬剤業務を実施するにつき必要な情報が提供されていることが必要です。

(9) データベースの構築などにより医療従事者が、必要な時に医薬品情報管理室で管理している医薬品安全性情報等を容易に入手できる体制を有していることが必要です。

(10) 上記(6)から(9)までに規定する内容の具体的実施手順及び新たに入手した情報の重要度に応じて、安全管理委員会、薬事委員会等の迅速な開催、関連する医療従事者に対する周知方法等に関する手順が、あらかじめ「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書(医薬品業務手順書)」に定められており、それに従って必要な措置が実施されていることが必要です。

(11) 薬剤管理指導料に係る届出を行っていることが必要です。

(12) 病棟専任の薬剤師の氏名が病棟内に掲示されていることが必要です。

病棟薬剤業務実施加算2の施設基準

(1) 病棟薬剤業務実施加算1に係る届出を行っていることが必要です。

(2) 病棟薬剤業務を行う専任の薬剤師が当該加算を算定する治療室に配置されていることが必要です。

(3) 治療室専任の薬剤師による病棟薬剤業務の直近1か月の実施時間が合算して1週間につき20時間相当に満たない治療室があってはならないとされています。

(4) 病棟薬剤業務の実施時間には、薬剤管理指導料及び退院時薬剤情報管理指導料算定のための業務に要する時間は含まれないものであることが必要です。

(5) 医薬品情報管理室が、治療室専任の薬剤師を通じて、医薬品安全性情報等を積極的に収集し、評価するとともに、一元的に管理し、当該情報及びその評価した結果について、有効に活用されるよう分かりやすく工夫した上で、関係する医療従事者に速やかに周知していることが必要です。

(6) 治療室専任の薬剤師と医薬品情報管理室の薬剤師が必要に応じカンファレンス等を行い、各治療室での問題点等の情報を共有するとともに、各薬剤師が病棟薬剤業務を実施するにつき必要な情報が提供されていることが必要です。

施設基準の届出について

病棟薬剤業務実施加算の算定を行う場合は、地方厚生局へ施設基準に係る届出を行う必要があります。届出の際は別添7の様式40の4へ必要事項を記載申請を行いましょう。

届出を行う地方厚生局HPについて

各書式は各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。
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