A311-3 精神科救急・合併症入院料(1日につき)
1 30日以内の期間 3624点
2 31日以上60日以内の期間 3323点
3 61日以上90日以内の期間 3123点
注
1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者(別に厚生労働大臣が定める基準に適合するものに限る。)について算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料の例により算定する。
2 診療に係る費用(注3及び注4に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、妊産婦緊急搬送入院加算、医師事務作業補助体制加算、地域加算、離島加算、特定感染症患者療養環境特別加算、精神科措置入院診療加算、精神科応急入院施設管理加算、精神科身体合併症管理加算、依存症入院医療管理加算、摂食障害入院医療管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算、データ提出加算、精神科入退院支援加算、薬剤総合評価調整加算、排尿自立支援加算及び地域医療体制確保加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第7部リハビリテーションの区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料、H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料、H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料、H002に掲げる運動器リハビリテーション料、H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料、区分番号H004に掲げる摂食機能療法、区分番号H007に掲げる障害児(者)リハビリテーション料及び区分番号H007-2に掲げるがん患者リハビリテーション料、第8部精神科専門療法、第9部処置の区分番号J038に掲げる人工腎臓、区分番号J042に掲げる腹膜灌流及び区分番号J400に掲げる特定保険医療材料(区分番号J038に掲げる人工腎臓又は区分番号J042に掲げる腹膜灌流に係るものに限る。)、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療並びに第14部その他並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神科救急・合併症入院料に含まれるものとする。
3 当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。
4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、入院した日から起算して30日を限度として、看護職員夜間配置加算として、1日(別に厚生労働大臣が定める日を除く。)につき70点を所定点数に加算する。
通知
(1) 精神科救急・合併症入院料の算定対象となる患者は、次のアからウまでのいずれかに該当する患者(以下この項において「新規患者」という。)又はエに該当する患者であること。
ア 措置入院患者、緊急措置入院患者又は応急入院患者
イア以外の患者であって、当該病棟に入院する前3か月において保険医療機関(当該病棟を有する保険医療機関を含む。)の精神病棟(精神病床のみを有する保険医療機関の精神病棟を除く。)に入院(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第42条第1項第1号又は第61条第1項第1号に規定する同法による入院(医療観察法入院)を除く。)したことがない患者のうち、入院基本料の入院期間の起算日の取扱いにおいて、当該病院への入院日が入院基本料の起算日に当たる患者(当該病棟が満床である等の理由により一旦他の病棟に入院した後、入院日を含め2日以内に当該病棟に転棟した患者を含む。)
ウ イの規定にかかわらず、精神科救急・合併症入院料を算定した後に、身体合併症の病状が悪化等して、当該医療機関において特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料又は総合周産期特定集中治療室管理料(母体・胎児集中治療室管理料を算定するものに限る。)を算定し、再度精神科救急・合併症入院料を算定する病棟へ入院した患者
エ アからウまでにかかわらず、クロザピンを新規に導入することを目的として、当該入院料に係る病棟を有する保険医療機関において、当該保険医療機関の他の病棟(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転棟した患者又は他の保険医療機関(精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料を算定する病棟を除く。)から当該病棟に転院した患者
(2) 当該入院料は、入院日から起算して90日を限度として算定する。なお、届出を行い、新たに算定を開始することとなった日から90日以内においては、届出の効力発生前に当該病棟に新規入院した入院期間が90日以内の患者を、新規患者とみなして算定できる。
(3) (1)のエに該当する患者については、当該保険医療機関の他の病棟から転棟又は他の保険医療機関から転院後、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日から起算して90日を限度として算定する。ただし、クロザピンの投与後に投与を中止した場合については、以下の取扱いとする。
ア クロザピン投与による無顆粒球症又は好中球減少症により、投与を中止した場合は、投与中止日から2週間まで当該入院料を算定できる。
イ ア以外の事由により、投与を中止した場合は、投与中止日まで当該入院料を算定できる。
(4) 精神科救急・合併症入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、精神科救急・合併症入院料に含まれ、別に算定できない。
(5) 精神科救急・合併症入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、精神病棟入院基本料の15対1入院基本料を算定する。
(6) (5)により、「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、「A307」の小児入院医療管理料の(9)と同様であること。
(7) 当該入院料の算定対象となる患者は、「A311」精神科救急急性期医療入院料の(7)の例による。
(8) 「注3」に規定する加算の算定に当たっては、「A311」精神科救急急性期医療入院料の(8)から(10)までの例による。
(9) 「注4」に規定する看護職員夜間配置加算の算定に当たっては、「A311」精神科救急急性期医療入院料の(11)から(13)までの例による。
(10) 「注4」に規定する看護職員夜間配置加算を算定する各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、基本診療料の施設基準等の第九の十五の二の(1)のトに定める夜間の看護師の最小必要数を超えた看護職員3人以上でなければ算定できない。
(11) (1)のエに該当する患者について、当該病棟においてクロザピンの投与を開始した日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、当該病棟において、クロザピンの投与を中止した場合は、投与中止日及び投与を中止した理由を(3)のア又はイのいずれか該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。あわせて、同一の保険医療機関において、(1)のエに該当する患者として当該病棟へ転棟又は転院する以前にクロザピンの投与を中止したことがある場合は、転棟又は転院する以前の直近の投与中止日及び同一入院期間中における通算の投与中止回数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。なお、通算の投与中止回数に(3)のア又はイのいずれかに該当するものとして中止した場合は含めないこと。
精神科救急・合併症入院料に関する施設基準等
(1) 医療法の規定に基づき許可を受け、若しくは届出をし、又は承認を受けた病床の数以上の入院患者を入院させていないこと。
(2) 当該保険医療機関内に、精神科医師が5名以上常勤していること。
(3) 当該保険医療機関内に当該入院料を算定する病棟以外の他の精神病棟が存在する場合は、当該他の精神病棟は、精神病棟入院基本料の10対1入院基本料、13対1入院基本料、15対1入院基本料、18 対1入院基本料若しくは 20 対1入院基本料又は特定入院料を算定している病棟でなければならない。
(4) 当該各病棟における常勤の医師の数は、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1以上であること。
(5) 当該各病棟に2名以上の常勤の精神保健福祉士が配置されていること。
(6) 当該各病棟において、日勤帯以外の時間帯にあっては、看護師が常時2人以上配置されていること。
(7) 当該病棟の病床数は、1看護単位当たり60床以下であること。
(8) 当該病棟に以下に定める合併症ユニットを有しており、当該病棟の病床のうち、隔離室を含む個室が半数以上を占めること。なお、合併症ユニットの病床は個室として算入することができる。
ア 当該病棟の治療室単位であり、当該病棟の病床数の2割以上であること。
イ 当該治療室に入院する患者は、常時8割以上が下記の身体疾患を持つ精神障害者であること。
(イ) 呼吸器系疾患(肺炎、喘息発作、肺気腫、間質性肺炎の急性増悪、肺塞栓又は気胸)
(ロ) 心疾患(New York Heart Associationの心機能分類のⅢ度、Ⅳ度相当の心不全、虚血性心疾患又はモニター監視を必要とする不整脈)
(ハ) 手術又は直達・介達牽引を要する骨折
(ニ) 脊髄損傷
(ホ) 重篤な内分泌・代謝性疾患(インスリン投与を要する糖尿病、専門医の診療を要する内分泌疾患又は肝硬変に伴う高アンモニア血症)
(ヘ) 重篤な栄養障害(Body Mass Index 15未満の摂食障害)
(ト) 意識障害(急性薬物中毒、アルコール精神障害、電解質異常、代謝性疾患によるせん妄等)
(チ) 全身感染症(結核、後天性免疫不全症候群、梅毒1期、2期又は敗血症)
(リ) 中枢神経系の感染症(髄膜炎、脳炎等)
(ヌ) 急性腹症(消化管出血、イレウス等)
(ル) 劇症肝炎又は重症急性膵炎
(ヲ) 悪性症候群又は横紋筋融解症
(ワ) 広範囲(半肢以上)熱傷
(カ) 手術、化学療法若しくは放射線療法を要する状態又は末期の悪性腫瘍
(ヨ) 重篤な血液疾患(ヘモグロビン 7g/dl 以下の貧血又は頻回に輸血を要する状態)の患者
(タ) 急性かつ重篤な腎疾患(急性腎不全、ネフローゼ症候群又は糸球体腎炎)の患者
(レ) 人工透析中又は腎不全で透析導入を要する状態
(ソ) 手術室での手術を必要とする状態
(ツ) 合併症妊娠・出産
(ネ) 膠原病(専門医による管理を必要とする状態)
ウ 身体合併症管理を行うために必要な次に掲げる装置及び器具を当該病棟内に常時備えていること。
(イ) 救急蘇生装置
(ロ) 除細動器
(ハ) 心電計
(ニ) 呼吸循環監視装置
(9) 必要な検査及びCT撮影が必要に応じて速やかに実施できる体制にあること。
(10) 1月間の当該入院料を算定している病棟の患者の延べ入院日数のうち、4割以上が新規患者の延べ入院日数であること。
(11) 当該病棟において、措置入院患者、鑑定入院患者、医療観察法入院患者及びクロザピンの新規導入を目的とした入院患者を除いた新規入院患者のうち4割以上が入院日から起算して3月以内に退院し、自宅等へ移行すること。「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設へ移行することである。なお、ここでいう「患家」とは、退院先のうち、同一の保険医療機関の当該入院料に係る病棟以外の病棟へ転棟した場合、他の保険医療機関へ転院した場合及び介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設に入所した場合を除いたものをいう。また、退院後に、医科点数表第1章第2部通則5の規定により入院期間が通算される再入院をした場合は、移行した者として計上しない。
(12) 精神科救急医療体制整備事業において基幹的な役割を果たしていること。具体的には、以下のアからウまでのいずれも満たしていること。
ア 常時精神科救急外来診療が可能であること。
イ 精神疾患に係る時間外、休日又は深夜における入院件数が年間20件以上であること。
ウ 全ての入院形式の患者受入れが可能であること。
(13) 当該病棟の年間の新規患者のうち6割以上が措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院、鑑定入院、医療観察法入院及び合併症ユニットへ入院する身体疾患を有する精神障害者のいずれかに係るものであること。
(14) 以下の地域における直近1年間における措置入院、緊急措置入院及び応急入院に係る新規入院患者のうち、原則として4分の1以上又は5件以上の患者を当該病棟において受け入れていること。
ア 当該保険医療機関の所在地の都道府県(政令市の区域を含むものとする。)
イ 1精神科救急医療圏と1基幹病院が対となって明確に区分された圏域がある場合(例えば政令市は市立病院が、政令市以外の地区は県立病院が救急基幹病院となる。)は、当該圏域
看護職員夜間配置加算の施設基準
(1) 当該病棟において、夜間に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が
16又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。
(2) 行動制限最小化に係る委員会において次の活動を行っていること。
ア 行動制限についての基本的考え方や、やむを得ず行動制限する場合の手順等を盛り込んだ基本指針の整備
イ 患者の病状、院内における行動制限患者の状況に係るレポートをもとに、月1回程度の病状改善、行動制限の状況の適切性及び行動制限最小化のための検討会議の開催
ウ 当該保険医療機関における精神科診療に携わる職員全てを対象とした、精神保健福祉法、隔離拘束の早期解除及び危機予防のための介入技術等に関する研修会の年2回程度の実施
(3) 次に掲げる夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。また、当該3項目以上にクが含まれることが望ましいこと。ただし、当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウからクまでのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。なお、各項目の留意点については、別添3の第4の3の9の(3)と同様であること。
ア 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の勤務終了時刻と直後の勤務の開始時刻の間が11時間以上であること。
イ 3交代制勤務又は変則3交代制勤務の病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降となる勤務編成であること。
ウ 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の連続して行う夜勤の数が2回以下であること。
エ 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の夜勤後の暦日の休日が確保されていること。
オ 当該病棟において、夜勤時間帯の患者のニーズに対応できるよう、早出や遅出等の柔軟な勤務体制の工夫がなされていること。
カ 当該保険医療機関において、所属部署以外の部署を一時的に支援するために、夜勤時間帯を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムが構築されており、かつ、部署間での業務標準化に取り組み、過去一年間に当該システムを夜勤時間帯に運用した実績があること。
キ 当該保険医療機関において、夜勤時間帯を含めて開所している院内保育所を設置しており、夜勤を含む交代制勤務に従事する医療従事者の利用実績があること。
ク 当該病棟において、ICT、AI、IoT等の活用によって、看護職員の業務負担軽減を行っていること。
(4) 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を整備していること。当該体制については、別添2の第2の11の(3)の例による。
届出を行う地方厚生局HPについて
届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。
基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。
届出時の留意事項
- 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
- 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
- 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
- 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。