A250 薬剤総合評価調整加算

薬剤総合評価調整加算の算定要件と点数について

A250 薬剤総合評価調整加算(退院時1回)100点

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薬剤総合評価調整加算の算定要件

注1 入院中の患者について、次のいずれかに該当する場合に、退院時1回に限り所定点数に加算する。

入院前に6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていた患者について、当該処方の内容を総合的に評価した上で、当該処方の内容を変更し、かつ、療養上必要な指導を行った場合

精神病棟に入院中の患者であって、入院直前又は退院1年前のいずれか遅い時点で抗精神病薬を4種類以上内服していたものについて、当該抗精神病薬の処方の内容を総合的に評価した上で、当該処方の内容を変更し、かつ、療養上必要な指導を行った場合

注2 次のいずれかに該当する場合に、薬剤調整加算として150点を更に所定点数に加算する。

注1のイに該当する場合であって、当該患者の退院時に処方する内服薬が2種類以上減少した場合

注1のロに該当する場合であって、退院日までの間に抗精神病薬の種類数が2種類以上減少した場合その他これに準ずる場合

薬剤総合評価調整加算の留意事項

(1) 「注1」に規定する薬剤総合評価調整加算は、複数の内服薬が処方されている患者であって、薬物有害事象の存在や服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等のおそれのあるものに対して、処方の内容を総合的に評価した上で、当該処方の内容を変更し、当該患者に対して療養上必要な指導を行う取組を評価したものであり、次に掲げる指導等を全て実施している場合に算定する。

患者の入院時に、持参薬を確認するとともに、(7)の関連ガイドライン等を踏まえ、特に慎重な投与を要する薬剤等の確認を行う。

アを踏まえ、患者の病状、副作用、療養上の問題点の有無を評価するために、医師、薬剤師及び看護師等の多職種による連携の下で、薬剤の総合的な評価を行い、適切な用量への変更、副作用の被疑薬の中止及びより有効性・安全性の高い代替薬への変更等の処方内容の変更を行う。また、評価した内容や変更の要点を診療録等に記載する。
処方の内容を変更する際の留意事項を多職種で共有した上で、患者に対して処方変更に伴う注意点を説明する。また、併せて当該患者に対し、ポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行う。なお、ここでいうポリファーマシーとは、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」をいう。
処方変更による病状の悪化や新たな副作用の有無について、多職種で確認し、必要に応じて、再評価を行う。
イ、ウ及びエを実施するに当たっては、ポリファーマシー対策に係るカンファレンスを実施するほか、病棟等における日常的な薬物療法の総合的評価及び情報共有ができる機会を活用して、多職種が連携して実施すること。
(7)に規定するガイドライン等を参考にして、ポリファーマシー対策に関する手順書を作成し、保険医療機関内に周知し活用すること。

(2) 「注1のイ」については、入院中の患者であって、入院前に内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されていたものについて、算定する。この場合において、「特に規定するもの」として、屯服薬については内服薬の種類数から除外する。また、服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬の種類数からは除外する。

(3) 「注1のロ」については、精神病棟に入院中の患者であって、入院時又は退院1年前のうちいずれか遅い時点で抗精神病薬を4種類以上内服していたものについて、算定する。

(4) 当該加算の算定における内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。

(5) 「注1のロ」及び「注2のロ」に規定する抗精神病薬の種類については、F001処方料の(3)イにおける抗精神病薬の種類と同様の取扱いとする。

(6) 医師は、処方内容の総合調整に当たって、薬効の類似した処方や相互作用を有する処方等について、当該保険医療機関の薬剤師に必要に応じ照会を行う。また、当該保険医療機関の薬剤師は、薬効の類似した処方や相互作用を有する処方等について、必要に応じ医師に情報提供を行う。

(7) 持参薬の確認及び内服薬の総合的な評価及び変更に当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)「ポリファーマシー対策の進め方」(日本病院薬剤師会)等を参考にすること。

(8) 患者に対してポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うに当たっては、「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」(日本老年医学会、日本老年薬学会)等を参考にすること。

(9) 「注2」に規定する薬剤調整加算は、「注1」に規定する薬剤総合評価調整加算に係る算定要件を満たした上で、薬効の重複する薬剤の減少等により、退院時に処方される内服薬が減少したことを評価したものである。

(10) 「注2」に規定する薬剤調整加算は、「注1」に規定する薬剤総合評価調整加算に係る算定要件を満たした上で、退院時に処方される内服薬が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合又は退院までの間に、抗精神病薬の種類数が2種類以上減少した場合に算定する。なお、保険医療機関がクロルプロマジン換算を用いた評価を行う場合には、別紙36の2に示す係数を用い、クロルプロマジン換算で2,000mg以上内服していたものについて、クロルプロマジン換算で 1,000mg 以上減少した場合を含めることができる。

(11) 「注2」に規定する薬剤調整加算の算定に当たっては、内服薬が減少する前後の内服薬の種類数(クロルプロマジン換算の評価による場合はクロルプロマジン換算した量)を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(12) 「注2」に規定する薬剤調整加算の算定に当たっては、当該保険医療機関及び他の保険医療機関で処方された内服薬を合計した種類数から2種類以上減少した場合については、薬剤総合評価調整管理料と合わせて、1か所の保険医療機関に限り算定できることとする。この場合には、当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(13) 「注2」に規定する薬剤調整加算は、当該保険医療機関で薬剤調整加算又は薬剤総合評価調整管理料を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後の内服薬の種類数から、更に2種類以上減少しているときに限り新たに算定することができる。

加算が算定できる入院料について

薬剤総合評価調整加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。

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