令和6年|A315 精神科地域包括ケア病棟入院料の算定要件と施設基準

A315 精神科地域包括ケア病棟入院料(1日につき) 1535点

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別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神病棟を有する保険医療機関において、当該届出に係る精神病棟に入院している患者について、区分番号A311に掲げる精神科救急急性期医療入院料区分番号A311-2に掲げる精神科急性期治療病棟入院料及び区分番号A311-3に掲げる精神科救急・合併症入院料を算定した期間と通算して180日を限度として、所定点数を算定する。ただし、当該病棟に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。

当該病棟に転棟若しくは転院又は入院した日から起算して90日間に限り、自宅等移行初期加算として、100点を加算する。

過去1年以内に、注1本文及び注2に規定する点数を算定した患者(当該保険医療機関以外の保険医療機関で算定した患者を含む。)については、当該期間を注1本文及び注2に規定する期間に通算する。

区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の15対1入院基本料、18対1入院基本料並びに20対1入院基本料、区分番号A312に掲げる精神療養病棟入院料区分番号A314に掲げる認知症治療病棟入院料及び区分番号A318に掲げる地域移行機能強化病棟入院料を届け出ている病棟から、当該病棟への転棟は、患者1人につき1回に限る。

当該病棟に入院している統合失調症の患者に対して、計画的な医学管理の下に非定型抗精神病薬による治療を行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合には、当該患者が使用した1日当たりの抗精神病薬が2種類以下の場合に限り、非定型抗精神病薬加算として、1日につき15点を所定点数に加算する。

診療に係る費用(注2及び注5に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、特定感染症入院医療管理加算地域加算離島加算特定感染症患者療養環境特別加算精神科措置入院診療加算精神科応急入院施設管理加算精神科身体合併症管理加算強度行動障害入院医療管理加算依存症入院医療管理加算摂食障害入院医療管理加算医療安全対策加算感染対策向上加算患者サポート体制充実加算報告書管理体制加算褥瘡ハイリスク患者ケア加算精神科救急搬送患者地域連携受入加算データ提出加算精神科入退院支援加算薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算、第2章第1部医学管理等の区分番号B015に掲げる精神科退院時共同指導料2、第7部リハビリテーションの区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料H002に掲げる運動器リハビリテーション料H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料及びH003-2に掲げるリハビリテーション総合計画評価料第8部精神科専門療法(区分番号I011に掲げる精神科退院指導料及び区分番号I011-2に掲げる精神科退院前訪問指導料を除く。)、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療及び第14部その他並びに除外薬剤・注射薬に係る費用を除く。)は、精神科地域包括ケア病棟入院料に含まれるものとする。

通知

(1) 精神科地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟は、精神疾患を有する者の地域移行・地域定着に向けた重点的な支援を提供する精神病棟であり、主として急性期治療を経過した精神疾患を有する患者及び在宅において療養を行っている精神疾患を有する患者等の受入れ並びに患者の在宅復帰支援等を行う機能を有し、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを支える役割を担うものである。

(2) 当該病棟の入院患者に対しては、主治医が病状の評価に基づいた診療計画を作成し、適切な治療を実施するとともに、医師、看護職員、薬剤師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師等の多職種が共同して、個々の患者の希望や状態に応じて、退院後の療養生活を見据え必要な療養上の指導、服薬指導、作業療法、相談支援、心理支援等を行うこと。

(3) 当該病棟の入院患者のうち必要なものに対しては、療養上の指導、服薬指導、作業療法、相談支援又は心理支援等を、1日平均2時間以上提供していることが望ましい。

(4) 精神科地域包括ケア病棟入院料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、精神科地域包括ケア病棟入院料に含まれ、別に算定できない。

(5) 当該入院料の算定期間の計算に当たっては、以下のとおりとする。

当該入院料は、「A311」精神科救急急性期医療入院料「A311-2」精神科急性期治療病棟入院料及び「A311-3」精神科救急・合併症入院料(以下「精神科救急急性期医療入院料等」という。)を算定した期間と通算して180日を限度として算定する。ただし、精神科救急急性期医療入院料等を算定する病棟から退院した日から起算して3月以内に当該病棟に入院した場合も、精神科救急急性期医療入院料等を算定する病棟から退院するまでの間に精神科救急急性期医療入院料等を算定した期間を、当該入院料の算定期間に算入することとする。

過去1年以内に当該入院料を算定した患者については、過去1年以内に当該入院料を算定した期間をアの算定期間に算入することとする。
ア及びイについては、当該保険医療機関以外の保険医療機関において精神科救急急性期医療入院料等を算定していた場合も含む。
当該入院料を算定する保険医療機関は、患者の当該病棟への入院に際し、患者又はその家族等に対して当該患者の過去1年以内の入院の有無を確認するとともに、入院前の患者の居場所(転院の場合は入院前の医療機関名)、自院の入院歴の有無、入院までの経過等を診療録に記載すること。必要に応じて、他の保険医療機関等に対し照会等を行うことにより、他の保険医療機関における当該入院料の算定の有無及び算定日数を確認すること。

(6) 精神科地域包括ケア病棟入院料を算定した患者が退院した場合、退院した先について診療録に記載すること。

(7) 精神科地域包括ケア病棟入院料に係る算定要件に該当しない患者が、当該病棟に入院した場合には、精神病棟入院基本料の特別入院基本料を算定する。

(8) 症状性を含む器質性精神障害の患者にあっては、精神症状を有する状態に限り、当該入院料を算定できるものとし、単なる認知症の症状のみを有する患者については、当該入院料を算定できない。

(9) 「注2」に規定する自宅等移行初期加算は、早期の地域移行・地域定着を推進する観点から、当該病棟への受入れ初期に行われる支援を評価するものであり、転棟若しくは転院又は入院した日から起算して90日を限度として算定できる。なお、当該加算の算定期間の計算に当たって、過去1年以内に当該加算を算定した患者(当該保険医療機関以外の保険医療機関において当該加算を算定していた場合も含む。)については、当該算定期間を当該加算の算定期間に算入すること。

(10) 「注5」に規定する加算の算定に当たっては、精神科救急急性期医療入院料の(8)から(10)までの例による。

精神科地域包括ケア病棟入院料に関する施設基準等

(1) 医療法の規定に基づき許可を受け、若しくは届出をし、又は承認を受けた病床の数以上の入院患者を入院させていないこと。

(2) 当該保険医療機関における精神科救急急性期医療入院料を算定する病床数が 120 床以下であること。

(3) 当該保険医療機関における精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料又は精神科地域包括ケア病棟入院料を算定する病床数の合計が200床以下であること。

(4) 当該病棟に精神科医師である常勤の専任医師が配置されていること。

(5) 当該病棟における専任の精神科医師は他の病棟に配置される医師と兼任はできない。また、当該医師の外来業務及び他病棟の入院患者の診療業務への従事は週2日以内とすること。

(6) 当該病棟において、日勤時間帯以外の時間帯にあっては看護職員が常時2人以上配置されていること。

(7) 当該病棟の病床数は、1看護単位当たり60床以下であること。

(8) 当該病棟に専任の常勤作業療法士、常勤精神保健福祉士及び常勤公認心理師が配置されていること。なお、当該専任の作業療法士、専任の精神保健福祉士及び専任の公認心理師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤作業療法士、専任の非常勤精神保健福祉士又は専任の非常勤公認心理師をそれぞれ2名以上組み合わせることにより、常勤作業療法士、常勤精神保健福祉士又は常勤公認心理師と同じ時間帯にこれらの非常勤作業療法士、非常勤精神保健福祉士又は非常勤公認心理師が配置されている場合には、当該基準を満たしているとみなすことができる。

(9) 当該病棟において、日勤時間帯にあっては作業療法士、精神保健福祉士又は公認心理師が常時1人以上配置されていること。

(10) 当該保険医療機関がクロザピンを処方する体制を有していること。具体的には、当該保険医療機関がクロザリル患者モニタリングサービスの登録医療機関であること。

(11) 当該病棟を有する保険医療機関は次のいずれかの要件を満たすこと。

精神科救急医療確保事業において常時対応型施設として指定を受けている医療機関又は身体合併症救急医療確保事業において指定を受けている医療機関であること。
精神科救急医療確保事業において病院群輪番型施設として指定を受けている医療機関であって、以下の(イ)又は(ロ)のいずれかに該当すること。

(イ) 時間外、休日又は深夜における入院件数が年4件以上であること。そのうち1件以上は、精神科救急情報センター、精神医療相談窓口、救急医療情報センター、他の医療機関、都道府県(政令市の地域を含むものとする。以下イにおいて同じ。)、市町村、保健所、警察又は消防(救急車)からの依頼であること。
(ロ) 時間外、休日又は深夜における外来対応件数が年10件以上であること。なお、精神科救急情報センター、精神医療相談窓口、救急医療情報センター、他の医療機関、都道府県、市町村、保健所、警察又は消防(救急車)からの依頼の場合は、日中の対応であっても件数に含む。

(12) 次に掲げる項目のうちア又はイ及びウからオまでのいずれかを満たしていること。

当該保険医療機関において「I012」精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)及び(Ⅲ)の算定回数が直近3か月間で60回以上であること。

当該保険医療機関と同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する訪問看護ステーションにおいて精神科訪問看護基本療養費の算定回数が直近3か月間で300回以上であること。
当該保険医療機関において「B015」精神科退院時共同指導料の算定回数が直近3か月間で3回以上であること。
当該保険医療機関において「I002」通院・在宅精神療法の「2」の算定回数が直近
3か月で20回以上であること。
当該保険医療機関において「I016」精神科在宅患者支援管理料の算定回数が直近3か月間で10回以上であること。

(13) 精神保健福祉法上の精神保健指定医の公務員としての業務(措置診察等)について、都道府県に積極的に協力し、診察業務等を年1回以上行うこと。具体的には、都道府県に連絡先等を登録し、都道府県の依頼による公務員としての業務等に参画し、アからオまでのいずれかの診察あるいは業務を年1回以上行うこと。

措置入院及び緊急措置入院時の診察
医療保護入院及び応急入院のための移送時の診察

精神医療審査会における業務
精神科病院への立入検査での診察
その他都道府県の依頼による公務員としての業務

(14) 「A246―2」精神科入退院支援加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

(15) 当該病棟において、措置入院患者、鑑定入院患者又は医療観察法入院患者として当該保険医療機関に入院となった患者を除いた当該病棟の入院患者のうち7割以上が、当該病棟に入院した日から起算して6月以内に退院し、自宅等へ移行すること。ただし、(12)のオを満たしている保険医療機関にあっては、7割以上ではなく、6割以上が当該病棟に入院した日から起算して6月以内に退院し、自宅等へ移行すること。
「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設へ移行することである。なお、ここでいう「患家」とは、退院先のうち、同一の保険医療機関の当該入院料に係る病棟以外の病棟へ転棟した場合、他の保険医療機関へ転院した場合及び介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設に入所した場合を除いたものをいう。また、退院後に、第2部「通則5」の規定により入院期間が通算される再入院をした場合は、移行した者として計上しない。

(16) 精神障害者の地域生活を支援する関係機関等との連携を有していること。連携先については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく一般相談支援、特定相談支援、地域移行支援、地域定着支援、自立生活援助、共同生活援助若しくは就労継続支援等の障害福祉サービス等事業者、児童福祉法に基づく障害児相談支援事業所、介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者、精神保健福祉センター、保健所又は都道府県若しくは市区町村の障害福祉担当部署等のうち、患者の状態に応じて必要な機関を選択すること。また、連携に当たっては、当該保険医療機関の担当者をあらかじめ指定し、その連絡先を保健所等に文書で情報提供するとともに、障害福祉サービス等事業者等の担当者の氏名及び連絡先の提供を受けていること。

(17) データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。また、当該基準については別添7の様式40の7を用いて届出を行った時点で、当該入院料の届出を行うことができる。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。

基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

届出に関する事項

(1) 精神科地域包括ケア病棟入院料の施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式 20(精神保健指定医については、備考欄に指定医番号を記載すること。)及び様式57の5を用いること。この場合において、病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式20の当該看護要員のみを省略することができること。

(2) 1病棟に限り届出を行うことができること。

(3) 令和6年3月31日において現に精神病棟入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料又は地域移行機能強化病棟入院料に係る届出を行っている病棟については、令和7年5月31日までの間に限り、(11)から(14)に該当するものとする。

(4) 令和6年3月31日において現に精神病棟入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料又は地域移行機能強化病棟入院料に係る届出を行っている病棟については、令和7年9月30日までの間に限り、(15)及び(17)に該当するものとする。

届出時の留意事項

  • 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
  • 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
  • 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
  • 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。
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