2022年改定|在宅患者訪問看護・指導料の算定要件と加算について

在宅患者訪問看護

在宅患者訪問看護・指導料は、在宅で療養を行っており「通院困難な患者さん」の病状に基づいて訪問看護・指導計画を作成し、その 計画に基づいて患家を定期的に訪問し、看護及び指導を行った場合に1日に1回を限度として以下の点数を算定します。

1 保健師、助産師又は看護師(3の場合を除く)による場合

イ 週3日目まで 580点
ロ 週4日目以降 680点
2 准看護師による場合
イ 週3日目まで 580点
ロ 週4日目以降 680点
3 悪性腫瘍の患者に対する緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師による場合 1285点

ただし、医師又は看護師の配置が義務付けられている施設に入所している患者さんについては、算定の対象となりません。

同一建物居住者である患者さんに対しては「同一建物居住者訪問看護・指導料」を算定します。

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「1」「2」の算定について

保険医療機関が、在宅で療養を行っている患者さんであって通院が困難な方に対して、診療に基づく訪問看護計画により「保健師・助産師・看護師又は准看護師」を訪問させて看護又は療養上必要な指導を行った場合に、日単位で算定します。

ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病以外の患者さん(※1)については、同一建物居住者訪問看護・指導料(3を除く)又は精神科訪問看護・指導料を算定する日と合わせて週3日(患者さんの急性増悪等により一時的に頻回の訪問看護を行う必要を認めてた場合は1月に1回(※1の患者さんについては月2回)に限り、週7日(当該診療の日から起算して14日以内の期間に行われる場合に限る。))を限度とします。

※1厚生労働大臣が定める疾病

  • 末期の悪性腫瘍
  • 多発性硬化症
  • 重症筋無力症
  • スモン
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 脊髄小脳変性症
  • ハンチントン病
  • 進行性筋ジストロフィー症パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))
  • 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
  • プリオン病
  • 亜急性硬化性全脳炎
  • ライソゾーム病
  • 副腎白質ジストロフィー
  • 脊髄性筋萎縮症
  • 球脊髄性筋萎縮症
  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
  • 後天性免疫不全症候群
  • 頚髄損傷
  • 人工呼吸器を使用している状態

難病等複数回訪問加算

医師が必要と認めて、1日に2回又は3回以上訪問看護・指導を実施した場合は、難病等複数回訪問加算としてそれぞれ450点又は800点を所定点数に加算します。

緊急訪問看護加算

医師の指示により、緊急に訪問看護・指導を実施した場合には、緊急訪問看護加算として1日につき265点を所定点数に加算します。

長時間訪問看護・指導加算

別に厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する患者さんに対し、長時間にわたる訪問看護・指導を実施した場合には、長時間訪問看護・指導加算として、週1日(別に厚生労働大臣が定める者※2の場合にあっては週3日)に限り、520点を所定点数に加算します。

長時間の訪問を要する患者さんとは

1.15歳未満の小児であって、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算に規定する超重症の状態又は超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算に規定する準超重症の状態にあるもの

2.以下の状態にある患者さん(※3)

  • 在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
  • 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者
  • 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
  • 真皮を越える 褥瘡の状態にある者
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

3.医師が、診療に基づき、患者さんの急性増悪等により一時的に頻回の訪問看護・指導を行う必要を認めた者

※3厚生労働大臣が定める者

1.15歳未満の小児であって、超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算に規定する超重症の状態又は超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算に規定する準超重症の状態にあるもの

2.15歳未満の小児であって、※2の患者さん

乳幼児加算

6歳未満の乳幼児に対し、保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合には、乳幼児加算として、1日につき150点を所定点数に加算します。

複数名訪問看護・指導加算

同時に複数の看護師等または看護補助者による訪問看護が必要な方として別に厚生労働大臣が定める者に対して、保険医療機関の看護師等が、当該保険医療機関の他の看護師または看護助手者と同時に訪問看護を行うことについて、患者さん又はその家族等の同意を得て、訪問看護を実施した場合には、複数名訪問看護・指導加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定点数に加算します。

所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等が他の保健師、助産師又は看護師と同時に訪問看護・指導を行う場合  450点

所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等が他の准看護師と同時に訪問看護・指導を行う場合  380点

所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等がその他の職員と同時に訪問看護・指導を行う場合(別に厚生労働大臣が定める場合を除く) 300点

所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等がその他の職員と同時に訪問看護・指導を行う場合(別に厚生労働大臣が定める場合に限る)
( 1 ) 1日に1回の場合 300点
( 2 ) 1日に2回の場合 600点
(3) 1日に3回以上の場合 1,000点

イ又はロの場合にあっては週1日を、ハの場合にあっては週3日を限度として算定します。

在宅患者連携指導加算

訪問診療を実施している保険医療機関を含め、歯科訪問診療を実施している保険医療機関又は訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局と文書等により情報共有を行うとともに、共有された情報を踏まえて療養上必要な指導を行った場合に、在宅患者連携指導加算として、月1回に限り300点を所定点数に加算します。

在宅患者緊急時等カンファレンス加算

保健師、助産師又は看護師が、患者さんの急変等に伴い、医師の求めにより、他の保険医療機関の保険医等、歯科医師等、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師、介護支援専門員又は相談支援専門員と共同で、カンファレンスに参加し、それらの者と共同で療養上必要な指導を行った場合には、在宅患者緊急時等カンファレンス加算として、月2回に限り200点を所定点数に加算します。

在宅ターミナルケア加算

在宅でご逝去された患者さん又は特別養護老人ホームその他これに準ずる施設でご逝去された患者さんに対して、医師の指示により、その死亡日及び死亡日前14日以内に、2回以上訪問看護・指導を実施し、訪問看護におけるターミナルケアに係る支援体制について患者さん及び家族等に対して説明した上でターミナルケアを行った場合は、在宅ターミナルケア加算として、次に掲げる区分に従い、いずれかを所定点数に加算します。

イ 在宅で死亡した患者又は特別養護老人ホーム等で死亡した患者 2,500点

ロ 特別養護老人ホーム等で死亡した患者であって、看取り介護加算等を算定しているもの 1,000点

時間外加算

夜間(午後6時から午後10時まで)又は早朝(午前6時から午前8時まで)に訪問看護・指導を行った場合は、夜間・早朝訪問看護加算として210点を所定点数に加算し、深夜に訪問看護・指導を行った場合は、深夜訪問看護加算として420点を所定点数に加算します。

訪問看護・指導体制充実加算

厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合には、訪問看護・指導体制充実加算として、月1回に限り150点を所定点数に加算します。

施設基準訪問看護・指導について、十分な体制が整備され、相当の実績を有していること。

【2022年新設】専門管理加算

1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の緩和ケア、褥瘡ケア若しくは人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師又は保健師助産師看護師法 第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる研修を修了した看護師が、訪問看護・指導の実施に関する計画的な管理を行った場合には、専門管理加算として、月1回に限り、次に掲げる区分に従い、いずれかを所定点数に加算します。

緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合(悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている患者、真皮を越える褥瘡の状態にある患者(区分番号C013に掲げる在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合にあっては真皮までの状態の患者)又は人工肛門若しくは人工膀胱を造設している者で管理が困難な患者さんに対して行った場合に限る。) 250点

特定行為研修を修了した看護師が計画的な管理を行った場合(保健師助産師看護師法第37条の2第2項第1号に規定する特定行為(訪問看護において専門の管理を必要とするものに限る。以下この部において同じ。)に係る管理の対象となる患者さんに対して行った場合に限る。) 250点

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、保険医療機関が所在する都道府県を管轄する地方厚生局に必要書類を提出する必要があります。

各書式は各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

「3」の算定について

3の算定については、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、在宅で療養を行っている「悪性腫瘍の鎮痛療法を行っている患者さん」「化学療法を行っている患者さん」「真皮を越える褥瘡がある患者さん」「人工肛門若しくは人工膀胱を造設しており管理が困難な患者さん」であって通院が困難なものに対して、診療に基づく訪問看護計画により、緩和ケア、褥瘡ケア、人工肛門ケア、人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師を訪問させて、他の保険医療機関の看護師若しくは准看護師又は訪問看護ステーションの看護師若しくは准看護師と共同して同一日に看護又は療養上必要な指導を行った場合に、当該患者1人について、それぞれ月1回に限り算定する。

施設基準

「緩和ケア」「褥瘡ケア」「人工肛門ケア」「人工膀胱ケア」に係る専門の研修を受けた看護師が配置されていること。

診療録記載について

医師の記載

医師は、看護師等に対して行った指示内容の要点を診療録に記載すること。

看護師等の記載

保健師・助産師・看護師が准看護師に対して指示を行ったときは、その内容の要点を記録すること。また、保険医療機関における日々の訪問看護・指導を実施した患者氏名、訪問場所、訪問時間(開始時刻及び終了時刻)及び訪問人数等について記録し、保管しておくこと。

また、患者さんのバイタルや病態等に対して行った指導や看護内容の要点をカルテに記録しておく必要があります。

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