同一建物居住者訪問看護・指導料は、通院困難な患者さんの病状に基づいて訪問看護・指導計画を作成し、計画に基づき実際に患家を定期的に訪問し、看護及び指導を行った場合に算定します。
C005-1-2 同一建物居住者訪問看護・指導料(1日につき)
1 保健師、助産師又は看護師(3の場合を除く。)による場合
イ 同一日に2人
(1) 週3日目まで 580点
(2) 週4日目以降 680点
ロ 同一日に3人以上
(1) 週3日目まで 293点
(2) 週4日目以降 343点
2 准看護師による場合
イ 同一日に2人
(1) 週3日目まで 530点
(2) 週4日目以降 630点
ロ 同一日に3人以上
(1) 週3日目まで 268点
(2) 週4日目以降 318点
3 悪性腫瘍の患者に対する緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師による場合 1285点
在宅患者訪問看護・指導料と同一建物居住者訪問看護・指導料の違い
在宅患者訪問看護・指導料と同一建物居住者訪問看護・指導料の違いは、同一建物に居住する患者さんに対する訪問看護の有無です。
在宅患者訪問看護・指導料は、病院などの専門看護師や認定看護師が患者宅を訪問し、療養上のアドバイスを行う際に算定されます。一方、同一建物居住者訪問看護・指導料は、同一建物に居住する患者さんに対して、同じ日に訪問看護を行う場合に適用されます。
同一建物とは、老人ホーム等の施設やマンションなどを指し、同じ屋根の下に複数の住まいがある場合を指します。
同一建物居住者訪問看護・指導料の算定要件
注1 1及び2については、保険医療機関が、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、診療に基づく訪問看護計画により、看護師等を訪問させて看護又は療養上必要な指導を行った場合に、患者1人について日単位で算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者以外の患者については、在宅患者訪問看護・指導料(3を除く。)又は精神科訪問看護・指導料を算定する日と合わせて週3日(保険医療機関が、診療に基づき患者の急性増悪等により一時的に頻回の訪問看護・指導を行う必要を認めて、訪問看護・指導を行う場合にあっては、1月に1回を限度とする。
厚生労働大臣が定める疾病
末期の悪性腫瘍
多発性硬化症
重症筋無力症
スモン
筋萎縮性側索硬化症
脊髄小脳変性症
ハンチントン病
進行性筋ジストロフィー症パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))
多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
プリオン病
亜急性硬化性全脳炎
ライソゾーム病
副腎白質ジストロフィー
脊髄性筋萎縮症
球脊髄性筋萎縮症
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
後天性免疫不全症候群
頚髄損傷
人工呼吸器を使用している状態
注2 3については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、在宅で療養を行っている悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている患者、真皮を越える褥瘡の状態にある患者(在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合にあっては真皮までの状態の患者)又は人工肛門若しくは人工膀胱を造設している者で管理が困難な患者(いずれも同一建物居住者に限る。)であって通院が困難なものに対して、診療に基づく訪問看護計画により、緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師を訪問させて、他の保険医療機関の看護師若しくは准看護師又は訪問看護ステーションの看護師若しくは准看護師と共同して同一日に看護又は療養上必要な指導を行った場合に、当該患者1人について、それぞれ月1回に限り算定する。
注3 1及び2については、注1ただし書に規定する別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者又は同注ただし書の規定に基づき週7日を限度として所定点数を算定する患者に対して、当該患者に対する診療を担う保険医療機関の保険医が必要と認めて、1日に2回又は3回以上訪問看護・指導を実施した場合は、難病等複数回訪問加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定点数に加算する。
イ 1日に2回の場合
(1) 同一建物内1人又は2人 450点
(2) 同一建物内3人以上 400点
ロ 1日に3回以上の場合
(1) 同一建物内1人又は2人 800点
(2) 同一建物内3人以上 720点
注4 1及び2については、同時に複数の看護師等又は看護補助者による訪問看護・指導が必要な者として別に厚生労働大臣が定める者に対して、保険医療機関の看護師等が、当該保険医療機関のその他職員と同時に訪問看護・指導を行うことについて、当該患者又はその家族等の同意を得て、訪問看護・指導を実施した場合には、複数名訪問看護・指導加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定点数に加算する。ただし、イ又はロの場合にあっては週1日を、ハの場合にあっては週3日を限度として算定する。
イ 所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等が他の保健師、助産師又は看護師と同時に訪問看護・指導を行う場合
(1) 同一建物内1人又は2人 450点
(2) 同一建物内3人以上 400点
ロ 所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等が他の准看護師と同時に訪問看護・指導を行う場合
(1) 同一建物内1人又は2人 380点
(2) 同一建物内3人以上 340点
ハ 所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等がその他職員と同時に訪問看護・指導を行う場合(別に厚生労働大臣が定める場合を除く。)
(1) 同一建物内1人又は2人 300点
(2) 同一建物内3人以上 270点
ニ 所定点数を算定する訪問看護・指導を行う看護師等がその他職員と同時に訪問看護・指導を行う場合(別に厚生労働大臣が定める場合に限る。)
(1) 1日に1回の場合
① 同一建物内1人又は2人 300点
② 同一建物内3人以上 270点
(2) 1日に2回の場合
① 同一建物内1人又は2人 600点
② 同一建物内3人以上 540点
(3) 1日に3回以上の場合
① 同一建物内1人又は2人 1,000点
② 同一建物内3人以上 900点
注5 同一建物居住者訪問看護・指導料を算定した場合には、在宅患者訪問看護・指導料又は精神科訪問看護・指導料は、算定しない。
注6 在宅患者訪問看護・指導料の注4から注6まで、注8から注18まで及び注20の規定は、同一建物居住者訪問看護・指導料について準用する。この場合において、同注8中「在宅で療養を行っている患者」とあるのは「在宅で療養を行っている患者(同一建物居住者に限る。)」と、「在宅患者連携指導加算」とあるのは「同一建物居住者連携指導加算」と、同注9中「在宅で療養を行っている患者」とあるのは「在宅で療養を行っている患者(同一建物居住者に限る。)」と、「在宅患者緊急時等カンファレンス加算」とあるのは「同一建物居住者緊急時等カンファレンス加算」と、同注10及び同注18中「在宅ターミナルケア加算」とあるのは「同一建物居住者ターミナルケア加算」と読み替えるものとする。
同一建物居住者訪問看護・指導料の留意事項
(1) 在宅患者訪問看護・指導料及び同一建物居住者訪問看護・指導料は、在宅での療養を行っている通院困難な患者の病状に基づいて訪問看護・指導計画を作成し、かつ、当該計画に基づき実際に患家を定期的に訪問し、看護及び指導を行った場合に、1日に1回を限度として算定する。ただし、医師又は看護師の配置が義務付けられている施設に入所している患者については、算定の対象としない。在宅患者訪問看護・指導料は、在宅での療養を行っている患者(同一建物居住者であるものを除く。)に対して、同一建物居住者訪問看護・指導料は、同一建物居住者であるものに対して算定する。
(2) 在宅患者訪問看護・指導料又は同一建物居住者訪問看護・指導料は、訪問看護・指導を実施する保険医療機関において医師による診療のあった日から1月以内に行われた場合に算定する。ただし、当該患者に関し、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)等を算定すべき訪問診療を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、当該患者に対して継続して訪問看護・指導を行っている別の保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合には、当該診療情報の提供(診療情報提供料(Ⅰ)の場合に限る。)を行った保険医療機関において、当該診療情報提供料の基礎となる診療があった日から1月以内に行われた場合に算定する。
(3) 同一建物居住者訪問看護・指導料については、以下のア又はイにより算定すること。なお、同一建物居住者に係る人数については、同一日に同一建物居住者訪問看護・指導料を算定する患者数と精神科訪問看護・指導料の「3」精神科訪問看護・指導料(Ⅲ)を算定する患者数とを合算した人数とすること。
ア 同一建物居住者が2人の場合は、当該患者全員に対して、1のイ又は2のイにより算定
イ 同一建物居住者が3人以上の場合は、当該患者全員に対して、1のロ又は2のロにより算定
(4) 在宅患者訪問看護・指導料等の算定は週3日を限度とするが、厚生労働大臣が定める疾病等の患者については週4日以上算定できる。
【厚生労働大臣が定める疾病等の患者】
○特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の患者
末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群若しくは頸髄損傷の患者又は人工呼吸器を使用している状態
○特掲診療料の施設基準等の別表第八に掲げる状態等の患者
在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理又は在宅強心剤持続投与指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者、在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者、人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者、真皮を越える褥瘡の状態にある者、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
(5) 診療に基づき、患者の病状の急性増悪、終末期、退院直後等により一時的に週4日以上の頻回の訪問看護・指導が必要であると認められた患者については、月1回(気管カニューレを使用している状態にある者又は真皮を越える褥瘡の状態にある者については、月2回)に限り、当該診療を行った日から 14日以内の期間において、14 日を限度として算定できる。また、当該患者に対する訪問看護・指導については、当該患者の病状等を十分把握し、一時的に頻回に訪問看護・指導が必要な理由を訪問看護計画書及び訪問看護報告書等に記載し、訪問看護・指導の実施等において、医師と連携を密にすること。また、例えば、毎月、恒常的に週4日以上の訪問看護・指導が頻回に必要な場合については、その理由を訪問看護計画書及び報告書に記載すること。当該患者が介護保険法第 62条に規定する要介護被保険者等である場合には、看護記録に頻回の訪問看護・指導が必要であると認めた理由及び頻回の訪問看護・指導が必要な期間(ただし14日間以内に限る。)を記載すること。
(6) (4)又は(5)により、週4回以上在宅患者訪問看護・指導料等を算定する場合は、在宅患者訪問看護・指導料等の「1」の「ロ」又は「2」の「ロ」、同一建物居住者訪問看護・指導料の「1」の「イ」の(2)、「1」の「ロ」の(2)、「2」の「イ」の(2)又は「2」の「ロ」の(2)により算定する。
(7) 在宅患者訪問看護・指導料等の「3」については、在宅で療養を行っている悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている患者、真皮を越える褥瘡の状態にある患者(在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合にあっては真皮までの状態の患者)又は人工肛門若しくは人工膀胱周囲の皮膚にびらん等の皮膚障害が継続若しくは反復して生じている状態にある患者若しくは人工肛門若しくは人工膀胱のその他の合併症を有する患者に対し、別に定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関が専門の研修を受けた看護師を訪問させて、他の保険医療機関の看護師若しくは准看護師又は訪問看護ステーションの看護師若しくは准看護師と共同して同一日に看護又は療養上必要な指導を行った場合に、在宅患者訪問看護・指導料等の「3」により当該患者につきそれぞれ月1回を限度として、当該専門の看護師が所属する保険医療機関において算定する。この場合、当該医療機関で別に定める専従要件となっている場合であっても、別に定める専従業務に支障が生じなければ訪問しても差し支えない。
(8) 「1」の助産師による在宅患者訪問看護・指導料等の算定の対象となる患者は、在宅での療養を行っている通院困難な妊産婦及び乳幼児であって、疾病等に係る療養上の指導等が必要な患者であり、療養上必要と認められない一般的保健指導を専ら行う場合は算定しない。
(9) 訪問看護・指導計画は、医師又は保健師、助産師若しくは看護師が患家を訪問し、患者の家庭における療養状況を踏まえて作成し、当該計画は少なくとも1月に1回は見直しを行うほか、患者の病状に変化があった場合には適宜見直す。訪問看護・指導計画には、看護及び指導の目標、実施すべき看護及び指導の内容並びに訪問頻度等を記載すること。
(10) 医師は、保健師、助産師、看護師又は准看護師(看護師等)に対して行った指示内容の要点を診療録に記載すること。また、保健師、助産師又は看護師が准看護師に対して指示を行ったときは、その内容の要点を記録すること。なお、、保険医療機関における日々の訪問看護・指導を実施した患者氏名、訪問場所、訪問時間(開始時刻及び終了時刻)及び訪問人数等について記録し、保管しておくこと。
(11) 看護師等は、患者の体温、血圧等基本的な病態を含む患者の状態並びに行った指導及び看護の内容の要点を記録すること。
(12) 他の保険医療機関において在宅患者訪問看護・指導料等を算定している患者については、在宅患者訪問看護・指導料等を算定できない。ただし、保険医療機関を退院後1月以内の患者に対して当該保険医療機関が行った訪問看護・指導及び緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が、当該患者の在宅療養を担う他の保険医療機関の看護師若しくは准看護師又は訪問看護ステーションの看護師若しくは准看護師と共同して行った訪問看護・指導については、この限りではない。
(13) 同一の患者について、訪問看護ステーションにおいて訪問看護療養費を算定した月については、在宅患者訪問看護・指導料等を算定できない。ただし、次に掲げる場合はこの限りではない。
ア (4)の厚生労働大臣が定める疾病等の患者について、訪問看護療養費を算定した場合
イ 急性増悪等により一時的に週4日以上の頻回の訪問看護・指導を行う必要を認めた患者
ウ 当該保険医療機関を退院後1月以内の患者
エ 緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が、当該患者の在宅療養を担う他の保険医療機関の看護師若しくは准看護師又は訪問看護ステーションの看護師若しくは准看護師と共同して訪問看護・指導を行った場合
(14) (13)において、同一の患者について、在宅患者訪問看護・指導料等及び訪問看護療養費を算定できる場合であっても、訪問看護療養費を算定した日については、在宅患者訪問看護・指導料等を算定できない。ただし、(13)のウ及びエの場合は、この限りではない。
(15) 同一の患者について、複数の保険医療機関や訪問看護ステーションにおいて訪問看護・指導を行う場合は、保険医療機関間及び保険医療機関と訪問看護ステーションとの間において十分に連携を図る。具体的には、訪問看護・指導の実施による患者の目標の設定、訪問看護・指導計画の立案、訪問看護・指導の実施状況及び評価を共有する。
(16) 介護保険法第8条第 20項に規定する認知症対応型共同生活介護を行う施設、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅、障害者総合支援法第5条第1項に規定する障害福祉サービスを行う施設、その他の高齢者向け施設等に入所している患者に訪問看護・指導を行う場合においては、介護保険又は障害福祉サービスによる医療及び看護サービスの提供に係る加算の算定等を含む当該施設における利用者の医療ニーズへの対応について確認し、当該施設で行われているサービスと十分に連携する。また、当該施設において当該保険医療機関が日常的な健康管理等(医療保険制度の給付によるものを除く。)を行っている場合は、健康管理等と医療保険制度の給付による訪問看護・指導を区別して実施する。
(17) 在宅患者訪問看護・指導料の「注3」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注3」に規定する難病等複数回訪問加算は、(4)の厚生労働大臣が定める疾病等の患者又は一時的に頻回の訪問看護・指導を行う必要が認められた患者に対して、1日に2回又は3回以上訪問看護・指導を実施した場合に算定する。また、同一建物居住者訪問看護・指導料の「注3」に規定する難病等複数回訪問加算を算定する場合にあっては、同一建物内において、当該加算又は精神科訪問看護・指導料の「注 10」に規定する精神科複数回訪問加算(1日当たりの回数の区分が同じ場合に限る。)を同一日に算定する患者の人数に応じて、以下のア又はイにより算定する。
ア 同一建物内に1人又は2人の場合は、当該加算を算定する患者全員に対して、「注3」の「イ」の(1)又は「ロ」の(1)により算定
イ 同一建物内に3人以上の場合は、当該加算を算定する患者全員に対して、「注3」の「イ」の(2)又は「ロ」の(2)により算定
(18) 在宅患者訪問看護・指導料の「注4」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注4」に規定する緊急訪問看護加算は、訪問看護・指導計画に基づき定期的に行う訪問看護・指導以外であって、緊急の患家の求めに応じて、診療所又は在宅療養支援病院の保険医の指示により、当該保険医の属する保険医療機関又は連携する保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導した場合に1日につき1回に限り算定する。その際、当該保険医はその指示内容を診療録に記載すること。また、当該看護師等は、患者又はその家族等の緊急の求めの内容の要点、医師の指示及び当該指示に基づき行った訪問看護・指導の日時、内容の要点及び対応状況を看護記録等に記録すること。なお、当該加算は、診療所又は在宅療養支援病院が 24時間往診及び訪問看護により対応できる体制を確保し、診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に限り算定できる。当該加算を算定する場合には、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。
(19) 在宅患者訪問看護・指導料の「注5」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注5」に規定する長時間訪問看護・指導加算は、特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のイに規定する長時間の訪問を要する者に対して、1回の訪問看護・指導の時間が90分を超えた場合について算定するものであり、週1回(特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のロに規定する者にあっては週3回)に限り算定できるものとする。なお、特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のロに規定する者のうち、超重症児・準超重症児については、基本診療料施設基準通知の別添6の別紙14の超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準による判定スコアが10以上のものをいう(以下この項において同じ)。
(20) 在宅患者訪問看護・指導料の「注6」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注6」に規定する乳幼児加算は、6歳未満の乳幼児に対して、訪問看護・指導を実施した場合に1日につき1回に限り算定できるものとする。「厚生労働大臣が定める者」とは、特掲診療料の施設基準等第四の四の(6)に規定する者をいう。
【厚生労働大臣が定める者】
ア 超重症児・準超重症児
イ 特掲診療料の施設基準等別表第7に掲げる疾病等の者
ウ 特掲診療料の施設基準等別表第8に掲げる者
(21) 在宅患者訪問看護・指導料の「注7」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」に規定する複数名訪問看護・指導加算は、特掲診療料の施設基準等第四の四の二の(1)に規定する複数名訪問看護・指導加算に係る厚生労働大臣が定める者に該当する1人の患者に対して、患者又はその家族等の同意を得て、看護師等と他の看護師等又は看護補助者(以下「その他職員」という。)の複数名が同時に訪問看護・指導を実施した場合に、1日につき在宅患者訪問看護・指導料の「注7」の「イ」から「ニ」まで又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の「イ」から「ニ」までのいずれかを、以下のアからエまでにより算定する。なお、単に2人の看護師等又は看護補助者が同時に訪問看護・指導を行ったことのみをもって算定することはできない。
ア 看護師等が他の保健師、助産師又は看護師と同時に訪問看護・指導を行う場合は、週1日に限り、在宅患者訪問看護・指導料の「注7」の「イ」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の「イ」を算定する。
イ 看護師等が他の准看護師と同時に訪問看護・指導を行う場合は、週1日に限り、在宅患者訪問看護・指導料の「注7」の「ロ」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の「ロ」を算定する。
ウ 看護師等がその他職員と同時に、特掲診療料の施設基準等第四の四の二の(1)に規定する複数名訪問看護・指導加算に係る厚生労働大臣が定める者のうち、同(2)に規定する厚生労働大臣が定める場合に該当しない患者に訪問看護・指導を行う場合は、週3日に限り、在宅患者訪問看護・指導料の「注7」の「ハ」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の「ハ」を算定する。
エ 看護師等がその他職員と同時に、特掲診療料の施設基準等第四の四の二の(1)に規定する複数名訪問看護・指導加算に係る厚生労働大臣が定める者のうち、同(2)に規定する厚生労働大臣が定める場合に該当する患者に訪問看護・指導を行う場合は在宅患者訪問看護・指導料の「注7」の「ニ」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」の「ニ」を、1日当たりの回数に応じて算定する。また、同一建物居住者訪問看護・指導料の「注4」に規定する複数名訪問看護・指導加算を算定する場合にあっては、同一建物内において、当該加算又は精神科訪問看護・指導料の「注4」に規定する複数名精神科訪問看護・指導加算(同時に訪問看護・指導を実施する職種及び1日当たりの回数の区分が同じ場合に限る。)を同一日に算定する患者の人数に応じて、以下のオ又はカにより算定する。
オ 同一建物内に1人又は2人の場合は、当該加算を算定する患者全員に対して、「注4」の「イ」の(1)、「ロ」の(1)、「ハ」の(1)、「ニ」の(1)の①、「ニ」の(2)の①又は「ニ」の(3)の①により算定
カ 同一建物内に3人以上の場合は、当該加算を算定する患者全員に対して、「注4」の「イ」の(2)、「ロ」の(2)、「ハ」の(2)、「ニ」の(1)の②、「ニ」の(2)の②又は「ニ」の(3)の②により算定
(22) 在宅患者訪問看護・指導料の「注8」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注8」に規定する在宅患者連携指導加算又は同一建物居住者連携指導加算は、以下の要件を満たす場合に算定すること。
ア 当該加算は、在宅での療養を行っている患者の診療情報等を、当該患者の診療等を担う保険医療機関等の医療関係職種間で文書等により共有し、それぞれの職種が当該診療情報等を踏まえ診療等を行う取組を評価するものである。
イ 在宅での療養を行っている患者であって通院が困難な者に対して、患者の同意を得て、月2回以上医療関係職種間で文書等(電子メール、ファクシミリでも可)により共有された診療情報を基に、患者に対して指導等を行った場合に、月1回に限り算定できる。
ウ 単に医療関係職種間で当該患者に関する診療情報等を交換したのみの場合は算定できない。
エ 他職種から情報提供を受けた場合、できる限り速やかに患者への指導等に反映させるよう留意しなければならない。また、当該患者の療養上の指導に関する留意点がある場合には、速やかに他職種に情報提供するよう努めなければならない。
オ 当該患者の診療を担う保険医療機関の保険医との間のみで診療情報等を共有し、訪問看護・指導を行った場合は、所定点数を算定できない。
カ 他職種から受けた診療情報等の内容及びその情報提供日並びにその診療情報等を基に行った指導等の内容の要点及び指導日を看護記録に記載すること。
(23) 在宅患者訪問看護・指導料の「注9」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注9」に規定する在宅患者緊急時等カンファレンス加算又は同一建物居住者緊急時等カンファレンス加算は、以下の要件を満たす場合に算定する。
ア 当該加算は、在宅で療養を行っている患者の状態の急変や診療方針の変更等の際、当該患者に対する診療等を行う医療関係職種等が一堂に会しカンファレンスを行うことにより、より適切な診療方針を立てること及び当該カンファレンスの参加者の間で診療方針の変更等の的確な情報共有を可能とすることは、患者及びその家族が安心して療養生活を行う上で重要であることから、そのような取組に対して評価するものである。
イ 関係する医療関係職種等が共同でカンファレンスを行い、当該カンファレンスで共有した当該患者の診療情報等を踏まえ、それぞれの職種が患者に対して療養上必要な指導を行った場合に月2回に限り算定する。なお、当該カンファレンスは、原則として患家で行うこととするが、患者又は家族が患家以外の場所でのカンファレンスを希望する場合はこの限りではない。
ウ 当該カンファレンスは、1者以上が患家に赴きカンファレンスを行う場合には、その他の関係者はビデオ通話が可能な機器を用いて参加することができる。
エ ウにおいて、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
オ カンファレンスに参加した医療関係職種等の氏名、カンファレンスの要点、患者に行った指導の要点及びカンファレンスを行った日を看護記録に記載すること。
カ 当該患者の診療を担う保険医療機関の保険医と当該患者の訪問看護を担う看護師等(当該保険医療機関の保険医とは異なる保険医療機関の看護師等に限る。)と2者でカンファレンスを行った場合であっても算定できる。
キ 在宅患者緊急時等カンファレンス加算及び同一建物居住者緊急時等カンファレンス加算は、カンファレンスを行い、当該カンファレンスで共有した当該患者の診療情報を踏まえた療養上必要な指導を行った場合に、当該指導日以降最初の在宅患者訪問看護・指導料等を算定する日に合わせて算定すること。また、必要に応じ、カンファレンスを行った日以降に当該指導を行う必要がある場合には、カンファレンスを行った日以降できる限り速やかに指導を行うこと。なお、当該指導とは、在宅患者訪問看護・指導料等を算定する訪問看護・指導とは異なるものであるが、例えば、当該指導とは別に継続的に実施している訪問看護・指導を当該指導を行った日と同一日に行う場合には、当該指導を行った日において在宅患者訪問看護・指導料又は同一建物居住者訪問看護・指導料を合わせて算定することは可能であること。
(24) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 10」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 10」に規定する在宅ターミナルケア加算又は同一建物居住者ターミナルケア加算について
ア 在宅ターミナルケア加算又は同一建物居住者ターミナルケア加算は、在宅患者訪問看護・指導料等を死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に2回以上算定し、かつ、訪問看護におけるターミナルケアの支援体制(訪問看護に係る連絡担当者の氏名、連絡先電話番号、緊急時の注意事項等)について患者及びその家族に対して説明した上でターミナルケアを行った場合(ターミナルケアを行った後、24 時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む。)に算定する。ターミナルケアにおいては、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、患者本人及びその家族等と話し合いを行い、患者本人の意思決定を基本に、他の関係者と連携の上対応する。当該加算を算定した場合は、死亡した場所、死亡時刻等を看護記録に記録すること。1つの保険医療機関において、死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に介護保険制度又は医療保険制度の給付の対象となる訪問看護をそれぞれ1日以上実施した場合は、最後に実施した訪問看護が医療保険制度の給付による場合に、当該加算を算定する。また、同一の患者に、他の保険医療機関において在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算若しくは同一建物居住者訪問看護・指導料の同一建物居住者ターミナルケア加算を算定している場合又は訪問看護ステーションにおいて訪問看護ターミナルケア療養費を算定している場合においては算定できない。
イ 在宅ターミナルケア加算のイ又は同一建物居住者ターミナルケア加算のイは、在宅で死亡した患者(ターミナルケアを行った後、24 時間以内に在宅以外で死亡した者を含む。)又は指定居宅サービス基準第174条第1項に規定する指定特定施設、指定地域密着型サービス基準第 90条第1項に規定する指定認知症対応型共同生活介護事業所若しくは介護保険法第 48条第1項第1号に規定する指定介護老人福祉施設(以下「特別養護老人ホーム等」という。)で死亡した患者(指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表の1に規定する看取り介護加算その他これに相当する加算(以下「看取り介護加算等」という。)を算定している者を除き、ターミナルケアを行った後、24 時間以内に特別養護老人ホーム等以外で死亡した者を含む。)に対して、ターミナルケアを行った場合に算定する。
ウ 在宅ターミナルケア加算のロ又は同一建物居住者ターミナルケア加算のロについては、特別養護老人ホーム等で死亡した患者(看取り介護加算等を算定している者に限り、ターミナルケアを行った後、24 時間以内に特別養護老人ホーム等以外で死亡した者を含む。)に対して、ターミナルケアを行った場合に算定する。
(25) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 11」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 11」に規定する在宅移行管理加算は、当該保険医療機関を退院した日から起算して1月以内の期間に次のいずれかに該当する患者又はその家族からの相談等に対して、24 時間対応できる体制が整備されている保険医療機関において、患者1人につき1回に限り算定する。この場合において、特別な管理を必要とする患者はアからオまでに掲げるものとし、そのうち重症度等の高い患者は、アに掲げるものとする。なお、エにおいて当該加算を算定する場合は、定期的(1週間に1回以上)に褥瘡の状態の観察・アセスメント・評価(褥瘡の深さ、滲出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット)を行い、褥瘡の発生部位及び実施したケアについて看護記録に記録すること。なお、実施したケアには必要に応じて患者の家族等への指導も含むものである。
ア「在宅麻薬等注射指導管理料を算定している患者、在宅腫瘍化学療法注射指導管理料を算定している患者、在宅強心剤持続投与指導管理料を算定している者、在宅気管切開患者指導管理料を算定している患者、気管カニューレを使用している患者及び留置カテーテルを使用している患者
イ 在宅自己腹膜灌流指導管理料、在宅血液透析指導管理料、在宅酸素療法指導管理料、在宅中心静脈栄養法指導管理料、在宅成分栄養経管栄養法指導管理料、在宅自己導尿指導管理料、在宅人工呼吸指導管理料、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料、在宅自己疼痛管理指導管理料又は在宅肺高血圧症患者指導管理料のうちいずれかを算定している患者
ウ 人工肛門又は人工膀胱を設置している患者であってその管理に配慮を必要とする患者
エ 以下の(イ)又は(ロ)のいずれかの真皮を越える褥瘡の状態にある者
(イ) NPUAP(The National Pressure Ulcer Advisory Panel)分類Ⅲ度又はⅣ度
(ロ) DESIGN-R2020分類(日本褥瘡学会によるもの)D3、D4又はD5
オ 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している患者
(26) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 12」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 12」に規定する夜間・早朝訪問看護加算及び深夜訪問看護加算については、夜間(午後6時から午後10時)又は早朝(午前6時から午前8時)、深夜(午後10時から午前6時)に患家の求めに応じて訪問看護・指導を行った場合に算定する。またこれは、緊急訪問看護加算との併算定を可とする。
(27) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 13」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 13」に規定する看護・介護職員連携強化加算については、保険医療機関の看護師又は准看護師が、口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃瘻若しくは腸瘻による経管栄養又は経鼻経管栄養を必要とする患者に対して、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第48条の3第1項の登録を受けた登録喀痰吸引等事業者又は同法附則第27条第1項の登録を受けた登録特定行為事業者の介護職員等が実施する社会福祉士及び介護福祉士法施行規則(昭和 62 年厚生省令第 49 号)第1条各号に掲げる医師の指示の下に行われる行為(喀痰吸引等)の業務が円滑に行われるよう支援を行う取組を評価するものである。
ア 当該加算は、患者の病状やその変化に合わせて、医師の指示により、(イ)及び(ロ)の対応を行っている場合に算定する。
(イ) 喀痰吸引等に係る計画書や報告書の作成及び緊急時等の対応についての助言
(ロ) 介護職員等に同行し、患者の居宅において喀痰吸引等の業務の実施状況についての確認
イ 当該加算は、次の場合には算定できない。
(イ) 介護職員等の喀痰吸引等に係る基礎的な技術取得や研修目的での同行訪問
(ロ) 同一の患者に、他の保険医療機関又は訪問看護ステーションにおいて看護・介護職員連携強化加算を算定している場合
ウ 当該加算は、介護職員等と同行訪問を実施した日の属する月の初日の訪問看護・指導の実施日に算定する。また、その内容を訪問看護記録書に記録すること。
エ 登録喀痰吸引等事業者等が、患者に対する安全なサービス提供体制整備や連携体制確保のために会議を行う場合は、当該会議に出席し連携する。また、その場合は、会議の内容を訪問看護記録書に記録すること。
オ 患者又はその家族等から電話等により看護に関する意見を求められた場合に対応できるよう、患者又はその家族等に対して、保険医療機関の名称、所在地、電話番号並びに時間外及び緊急時の連絡方法を記載した文書を交付すること。
(28) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 14」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 14」に規定する特別地域訪問看護加算は、当該保険医療機関の所在地から患家までの訪問につき、最も合理的な通常の経路及び方法で片道1時間以上要する患者に対して、特掲診療料の施設基準等第四の四の三の三に規定する地域(特別地域)に所在する保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を行った場合又は特別地域以外に所在する保険医療機関の看護師等が特別地域に居住する患者に対して訪問看護・指導を行った場合に、在宅患者訪問看護・指導料又は同一建物訪問看護・指導料の所定点数(注に規定する加算は含まない。)の 100 分の 50に相当する点数を加算する。なお、当該加算は、交通事情等の特別の事情により訪問に要した時間が片道1時間以上となった場合は算定できない。特別地域訪問看護加算を算定する保険医療機関は、その所在地又は患家の所在地が特別地域に該当するか否かについては、地方厚生(支)局に確認すること。
(29) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 15」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 15」に規定する訪問看護・指導体制充実加算は、訪問看護・指導に係る十分な体制を整備し、訪問看護・指導等に係る相当の実績を有する保険医療機関における訪問看護・指導を評価するものであり、別に定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関の看護師等が訪問看護・指導を実施した場合に、月1回に限り算定する。
(30) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 16」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 16」に規定する専門管理加算について
ア 専門管理加算のイは、在宅で療養を行っている悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている患者、真皮を越える褥瘡の状態にある患者(在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合にあっては真皮までの状態の患者)又は人工肛門若しくは人工膀胱周囲の皮膚にびらん等の皮膚障害が継続若しくは反復して生じている状態にある患者若しくは人工肛門若しくは人工膀胱のその他の合併症を有する患者に対して、別に定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関の緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が、定期的(1月に1回以上)に訪問看護・指導を行うとともに、当該患者に係る訪問看護・指導の実施に関する計画的な管理を行った場合に、月1回に限り所定点数に加算する。
イ 専門管理加算のロは、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第37条の2第2項第1号に規定する特定行為(訪問看護において専門の管理を必要とするものに限る。)に係る管理の対象となる患者に対して、別に定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関の同項第5号に規定する指定研修機関において行われる研修を修了した看護師が、同項第2号に規定する手順書に基づき、定期的(1月に1回以上)に訪問看護・指導を行うとともに、当該患者に係る訪問看護・指導の実施に関する計画的な管理を行った場合に、月1回に限り所定点数に加算する。また、手順書について、医師と共に、利用者の状態に応じて手順書の妥当性を検討すること。なお、特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものとは、以下の(イ)から(ト)までに掲げるものをいう。
(イ) 気管カニューレの交換
(ロ) 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
(ハ) 膀胱ろうカテーテルの交換
(ニ) 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
(ホ) 創傷に対する陰圧閉鎖療法
(ヘ) 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
(ト) 脱水症状に対する輸液による補正
(31) (30)において、当該医療機関で別に定める専従要件となっている場合であっても、別に定める専従業務に支障が生じなければ訪問しても差し支えない。
(32) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 17」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 17」に規定する訪問看護医療DX情報活用加算は、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を行う体制を有し、患者の同意を得て、居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより得られる患者の診療情報、薬剤情報や特定健診等情報を取得した上で計画的な管理を行うことを評価するものであり、単に健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認を行う体制を有していることのみをもって算定することはできない。
(33) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 18」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 18」に規定する遠隔死亡診断補助加算は、当該保険医療機関及び連携する保険医療機関において在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「注8」(在宅患者訪問診療料(Ⅱ)の「注6」の規定により準用する場合を含む。)に規定する死亡診断加算を算定する患者(特別地域に居住する患者に限る。)について、医師の指示により、情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が、厚生労働省「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」に基づき、医師による情報通信機器を用いた死亡診断の補助を行った場合に算定する。
(34) 訪問看護・指導の実施に当たっては、保険医療機関における看護業務に支障を来すことのないよう留意するとともに、市町村の実施する訪問指導事業等関連事業との連携に十分留意する。
(35) 在宅患者訪問看護・指導料の「注 20」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注 20」に規定する交通費は実費とする。
注2に関する施設基準
当該保険医療機関において、緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアを行うにつき、専門の研修を受けた看護師が配置されていること。
なお、ここでいう緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修とは、それぞれ、次に該当するものをいうこと。
(1) 緩和ケアに係る専門の研修
ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であること(600時間以上の研修期間で、修了証が交付されるものに限る。)。
イ 緩和ケアのための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。
ウ 講義及び演習により、次の内容を含むものであること。
(イ) ホスピスケア・疼痛緩和ケア総論及び制度等の概要
(ロ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群のプロセスとその治療
(ハ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群患者の心理過程
(ニ) 緩和ケアのためのアセスメント並びに症状緩和のための支援方法
(ホ) セルフケアへの支援及び家族支援の方法
(ヘ) ホスピス及び疼痛緩和のための組織的取組とチームアプローチ
(ト) ホスピスケア・緩和ケアにおけるリーダーシップとストレスマネジメント
(チ) コンサルテーション方法
(リ) ケアの質を保つためのデータ収集・分析等について
(ヌ) 実習により、事例に基づくアセスメントとホスピスケア・緩和ケアの実践
(2) 褥瘡ケアに係る専門の研修
ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であって、褥瘡管理者として業務を実施する上で必要な褥瘡等の創傷ケア知識・技術を習得することができる600時間以上の研修又は保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において行われる褥瘡等の創傷ケアに係る研修
イ 講義及び演習等により、褥瘡予防管理のためのリスクアセスメント並びにケアに関する知識・技術の習得、コンサルテーション方法、質保証の方法等を具体例に基づいて実施する研修
(3) 人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修
ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であって、必要な人工肛門及び人工膀胱のケアに
関する知識・技術が習得できる 600 時間以上の研修(修了証が交付されるものに限る。)
イ 講義及び演習等により、人工肛門及び人工膀胱管理のための皮膚障害に関するアセスメント並びにケアに関する知識・技術の習得、コンサルテーション方法、質保証の方法等を具体例に基づいて実施する研修
訪問看護・指導体制充実加算に関する施設基準
(1) 当該保険医療機関において、又は別の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等との連携により、患家の求めに応じて、当該保険医療機関の保険医の指示に基づき、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護を担当する保険医療機関又は訪問看護ステーションの名称、担当日等を文書により患家に提供していること。
(2) 次に掲げる項目のうち少なくとも2つを満たしていること。ただし、許可病床数が400 床以上の病院にあっては、アを含めた2項目以上を満たしていること。
ア 在宅患者訪問看護・指導料3又は同一建物居住者訪問看護・指導料3の前年度の算定回数が計5回以上であること。
イ 在宅患者訪問看護・指導料の注6に掲げる乳幼児加算の前年度の算定回数が計25回以上であること。
ウ 特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の患者について、在宅患者訪問看護・指導料又は同一建物居住者訪問看護・指導料の前年度の算定回数が計25回以上であること。
エ 在宅患者訪問看護・指導料の注10(同一建物居住者訪問看護・指導料の注6の規定により準用する場合を含む。)に掲げる在宅ターミナルケア加算の前年度の算定回数が計4回以上であること。
オ 退院時共同指導料1又は2の前年度の算定回数が計25回以上であること。
カ 開放型病院共同指導料(Ⅰ)又は(Ⅱ)の前年度の算定回数が計40回以上であること。
専門管理加算に関する施設基準
次のいずれかに該当する保険医療機関であること。
(1) 緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が配置されていること。なお、ここでいう緩和ケアに係る専門の研修とはアの要件を、褥瘡ケアに係る専門の研修とはイの要件を、人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修とはウの要件を満たすものであること。
ア 緩和ケアに係る専門の研修
注2に関する施設基準の(1)のアからウまでを満たすものであること。
イ 褥瘡ケアに係る専門の研修
次のいずれの要件も満たすものであること。
(イ) 国又は医療関係団体等が主催する研修であって、褥瘡管理者として業務を実施する上で必要な褥瘡等の創傷ケア知識・技術を習得することができる600時間以上の研修
(ロ) 講義及び演習等により、褥瘡予防管理のためのリスクアセスメント並びにケアに関する知識・技術の習得、コンサルテーション方法、質保証の方法等を具体例に基づいて実施する研修
ウ 人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修
注2に関する施設基準の(3)のア及びイを満たすものであること。
(2) 保健師助産師看護師法第37条の2第2項第5号に規定する指定研修機関において、同項第1号に規定する特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものに係る研修を修了した看護師が配置されていること。なお、特定行為のうち訪問看護において専門の管理を必要とするものとは、以下のアからキまでに掲げるものをいう。
ア 気管カニューレの交換
イ 胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換
ウ 膀胱ろうカテーテルの交換
エ 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
オ 創傷に対する陰圧閉鎖療法
カ 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整キ 脱水症状に対する輸液による補正
訪問看護医療DX情報活用加算に関する施設基準
(1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
(2) オンライン資格確認を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向け総合ポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
(3) 居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムの活用により、看護師等が患者の診療情報等を取得及び活用できる体制を有していること。
(4) 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い訪問看護を実施するための十分な情報を取得・活用して訪問看護を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。具体的には、次に掲げる事項を掲示していること。
ア 看護師等が居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して訪問看護・指導を実施している保険医療機関であること
イ マイナ保険証の利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取組を実施している保険医療機関であること。
(5) (4)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。
遠隔死亡診断補助加算に関する施設基準
当該保険医療機関において、情報通信機器を用いて主治医の死亡診断の補助を行うにつき、情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が配置されていること。なお、情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修とは、厚生労働省「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン」に基づく「法医学等に関する一定の教育」であること。