2022年|在宅人工呼吸指導管理料の加算・算定要件とカルテ記載

在宅人工呼吸指導管理料

在宅人工呼吸を行っている患者さん(入院中以外)に対して、在宅人工呼吸に関する指導管理を行った場合に以下の点数を算定します。

在宅人工呼吸指導管理料  2800点

※人工呼吸装置は患者に貸与し、装置に必要な回路部品その他の附属品等に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できません。

在宅人工呼吸療法とは、呼吸器疾患や神経・筋疾患などにより換気補助が必要な方に対し、在宅で人工呼吸による補助換気を行う治療方法です。
スポンサーリンク

算定要件

次のいずれも満たす場合に、算定します。

  1. 患者が使用する装置の保守・管理を十分に行うこと。
  2. 装置に必要な保守・管理の内容を患者に説明すること。
  3. 夜間・緊急時の対応等を患者に説明すること。
  4. その他、療養上必要な指導管理を行うこと。

対象者

  • 症状が安定しているもの
  • 在宅での人工呼吸療法を行うことが適当と医師が認めた場合

※睡眠時無呼吸症候群の患者(Adaptive Servo Ventilation(ASV)を使用する者を含む。)は対象となりません。

付随する加算について

人工呼吸器加算

人工呼吸器を使用した場合に、下記のいずれかを所定点数に加算します。

  1. 陽圧式人工呼吸器7480点
  2. 人工呼吸器6480点
  3. 陰圧式人工呼吸器7480点

もちろん入院中の患者さんには算定できません。

排痰補助装置加算

排痰補助装置を使用した場合に、排痰補助装置加算として1800点を算定します。

POINT排痰補助装置加算は、在宅人工呼吸を行っている方で、換気能力が低下し、自力での排痰が困難と医師が認めるものに対して、排痰補助装置を使用した場合に算定できます。

横隔神経電気刺激装置加算

別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす医療機関で横隔神経電気刺激装置を使用した場合に、横隔神経電気刺激装置加算として600点を算定します。

POINT横隔神経電気刺激装置加算は、在宅人工呼吸を行っている脊髄損傷又は中枢性低換気症候群の患者に対して、呼吸補助を行うことを目的として横隔神経電気刺激装置を使用した場合に算定します。

横隔神経電気刺激装置加算の施設基準横隔神経電気刺激装置の使用につき十分な体制が整備されていること。(地方厚生局への届け出は不要です)

カルテ記載について

指導管理の内容について、診療録に記載しなければなりません。

対象となる患者さんは、病状が安定し、在宅での同療法が適当であると医師が認めた方であり、患者さんが使用する装置の保守・管理やこれの説明、夜間・緊急時の対応等の説明を行い、 要点をカルテに記載することが重要です。

【指導の記載例】

  • 蘇生バッグは、緊急時に必要です。手の届くところ、目の届くところに置きましょう。人工呼吸器は、周りの空気を取り込んで動くものです。特に空気取り込み口はふさがないよう気を付けましょう。
  • 1日1回は皮膚の洗浄や拭き取りを行い、水分をしっかりと取り除いて清潔を保ちます
  • 外部バッテリーは常に充電しておきましょう。
  • 人工呼吸器の業者の連絡先もすぐにわかるところに保管しておきましょう。

POINT脊髄損傷又は中枢性低換気症候群の患者さんに対して、呼吸補助を行うことを目的として横隔神経電気刺激装置を使用する場合には、関連学会の定める適正使用指針を遵守して指導管理を行うこと。

院内の設備について

在宅人工呼吸療法を実施する保険医療機関又は緊急時に入院するための施設は、次の機械及び器具を備えなければなりません。

  • 酸素吸入設備
  • 気管内挿管又は気管切開の器具
  • レスピレーター
  • 気道内分泌物吸引装置
  • 動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態であるもの)
  • 胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態であるもの)

算定時の注意点

在宅人工呼吸指導管理料を算定している患者様については以下のコストは算定できませんので注意してください。

  • 酸素吸入
  • 突発性難聴に対する酸素療法
  • 酸素テント
  • 間歇的陽圧吸入法
  • 体外式陰圧人工呼吸器治療
  • 喀痰吸引
  • 干渉低周波去痰器による喀痰排出
  • 鼻マスク式補助換気法及び人工呼吸の費用
タイトルとURLをコピーしました