訪問診療(在宅医療)とは、通院が困難な患者さんのもと(お家や老人ホーム等の施設)に出向いて医師が定期的に診療を行い、計画的に治療や医学管理等を行うものです。
在宅で療養を行っている患者さんであって、通院が困難なものに対しご本人の同意を得て、計画的な医学管理の下に定期的に訪問して診療を行った場合に以下の点数を算定することができます。
注意点!!
独歩で通院ができる患者さんは、通院が容易であると考えられるため、在宅患者訪問診療料は算定できません。身体が不自由であったり、認知症があって外来通院困難な患者さんが算定対象となります。
C001 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)1日につき
1 在宅患者訪問診療料1
訪問診療と往診の違い
「訪問診療」とは、定期的かつ計画的に医師が自宅を訪問して診療するものであり、「往診」とは急変時など患者本人もしくは家族や看護にあたる者から求められ速やかに自宅等を訪問して行う診療になります。
原則として往診料を算定した翌日までの訪問診療料は算定できませんが、訪問診療を行った後に患者さんの病状の急変等により、往診を行った場合の往診料の算定は可能です。
POINT!!
在宅療養支援診療所またはその連携医療機関・支援病院が24時間往診・訪問看護化体制を確保し、連絡担当者の氏名及び連絡先、緊急対応等について文書提供をしている患者さんに限り、往診料を算定した翌日についても在宅患者訪問診療料の算定が可能です。
訪問診療と訪問看護
特別の関係ではない医療機関であれば、訪問診療と訪問看護を同日に行ってもお互いに算定できますが、特別の関係にある医療機関場合は、算定はすることができません。
「特別の関係」とは、該当保険医療機関等と、他の保険医療機関の関係が以下のいずれかに該当する場合に、特別の関係にあると認められます。
- 開設者が同一の場合
- 代表者が同一の場合
- 各代表者が親族などの場合
- 理事・監事その他の役員などのうち、一方の役員などの10分の3超が親族などの場合
在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の算定要件
注1 在宅患者訪問診療料1については、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に定期的に訪問して診療を行った場合に、当該患者が同一建物居住者以外である場合は「イ」を、当該患者が同一建物居住者である場合は「ロ」を、それぞれ、当該患者1人につき週3回に限り算定する。この場合において、再診料、外来診療料又は往診料は、算定しない。
注2 在宅患者訪問診療料2については、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料の算定要件を満たす他の保険医療機関の求めに応じ、当該他の保険医療機関から紹介された患者に対して、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に訪問して診療を行った場合に、当該患者が同一建物居住者以外である場合は「イ」を、当該患者が同一建物居住者である場合は「ロ」を、当該患者1人につき、訪問診療を開始した日の属する月から起算して6月を限度として、月1回に限り算定する。この場合において、初診料、再診料、外来診療料又は往診料は、算定しない。
注3 在宅患者訪問診療料1について、保険医療機関が、診療に基づき、患者の急性増悪等により一時的に頻回の訪問診療を行う必要性を認め、計画的な医学的管理の下に、在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して訪問診療を行った場合は、注1の規定にかかわらず、1月に1回に限り、当該診療の日から14日以内に行った訪問診療については14日を限度として算定する。
訪問診療における急性増悪とは、患者さんの呼吸器疾患などの状態が悪化して、予定外に診療が必要になることをいいます。
注4 6歳未満の乳幼児に対して訪問診療を行った場合には、乳幼児加算として、400点を所定点数に加算する。
注5 患家における診療時間が1時間を超えた場合は、患家診療時間加算として、30分又はその端数を増すごとに、100点を所定点数に加算する。
注6 在宅で死亡した患者に対してその死亡日及び死亡日前14日以内に、2回以上の往診若しくは訪問診療を実施した場合(1を算定する場合に限る。)又は退院時共同指導料1を算定し、かつ、訪問診療を実施した場合(1を算定する場合に限る。)には、当該患者に係る区分等に従い、在宅ターミナルケア加算として、次に掲げる点数を、それぞれ所定点数に加算する。この場合において、往診料の注3に規定する在宅ターミナルケア加算は算定できない。ただし、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算、在宅療養実績加算1又は在宅療養実績加算2として、それぞれ1,000点、750点又は500点を、がん患者に対して酸素療法を行っていた場合は酸素療法加算として2,000点を更に所定点数に加算する。
イ 有料老人ホーム等に入居する患者以外の患者
(1) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの場合
① 病床を有する場合 6,500点
② 病床を有しない場合 5,500点
(2) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院((1)に規定するものを除く。)の場合 4,500点
(3) (1)及び(2)に掲げるもの以外の場合 3,500点
ロ 有料老人ホーム等に入居する患者
(1) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの場合
① 病床を有する場合 6,500点
② 病床を有しない場合 5,500点
(2) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院((1)に規定するものを除く。)の場合 4,500点
(3) (1)及び(2)に掲げるもの以外の場合 3,500点
注7 往診又は訪問診療を行い、在宅で患者を看取った場合(1を算定する場合に限る。)には、看取り加算として、3,000点を所定点数に加算する。
注8 死亡診断を行った場合(1を算定する場合に限る。)には、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する。ただし、注7に規定する加算を算定する場合は、算定できない。
注9 保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合又は海路による訪問診療を行った場合で、特殊の事情があったときの在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は、別に厚生労働大臣が定めるところによって算定する。
注10 往診料を算定する往診の日の翌日までに行った訪問診療(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医が行ったものを除く。)の費用は算定しない。
注11 訪問診療に要した交通費は、患家の負担とする。
注12 在宅患者訪問診療料1について、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定める基準に適合しなくなった場合には、当該基準に適合しなくなった後の直近1月に限り、同一患者につき同一月において訪問診療を5回以上実施した場合における5回目以降の当該訪問診療については、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。
注13 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認等により得られる情報を踏まえて計画的な医学管理の下に、訪問して診療を行った場合は、在宅医療DX情報活用加算として、月1回に限り10点を所定点数に加算する。ただし、初診料の注15、再診料の注19若しくは外来診療料の注10にそれぞれ規定する医療情報取得加算、初診料の注16に規定する医療DX推進体制整備加算、在宅がん医療総合診療料の注8に規定する在宅医療DX情報活用加算又は在宅患者訪問看護・指導料の注17(同一建物居住者訪問看護・指導料の注6の規定により準用する場合を含む。)若しくは精神科訪問看護・指導料の注17にそれぞれ規定する訪問看護医療DX情報活用加算を算定した月は、在宅医療DX情報活用加算は算定できない。
在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の留意事項
(1) 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、傷病のために通院による療養が困難な者に対して、患者の入居する有料老人ホーム等に併設される保険医療機関以外の保険医療機関が定期的に訪問して診療を行った場合の評価であり、継続的な診療の必要のない者や通院が可能な者に対して安易に算定してはならない。例えば、少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院ができる者などは、通院は容易であると考えられるため、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は算定できない。なお、訪問診療を行っておらず外来受診が可能な患者には、外来において再診料の「注 12」地域包括診療加算又は地域包括診療料が算定可能である。
(2) 在宅での療養を行っている患者とは、保険医療機関、介護老人保健施設又は介護医療院で療養を行っている患者以外の患者をいうこと。ただし、「要介護被保険者等である患者について療養に要する費用の額を算定できる場合」(平成20年厚生労働省告示第128号)、「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」(平成18年3月31日保医発第0331002号)等(以下「給付調整告示等」という。)に規定する場合を除き、医師の配置が義務づけられている施設に入所している患者については算定の対象としない。
(3) 「在宅患者訪問診療料(Ⅰ)」の「同一建物居住者の場合」は、同一建物居住者に対して保険医療機関の保険医が同一日に訪問診療を行う場合に、患者1人につき所定点数を算定する。同一建物居住者とは、基本的には、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に掲げる建築物に居住する複数の者(往診を実施した患者、末期の悪性腫瘍と診断した後に訪問診療を行い始めた日から60日以内の患者、又は死亡日からさかのぼって30日以内の患者を除く。)のことをいう。
(4) 保険医療機関の保険医が、同一建物に居住する当該患者1人のみに対し訪問診療を行う場合は、「同一建物居住者以外の場合」の所定点数を算定する。
(5) 同居する同一世帯の複数の患者に対して診察をした場合など、同一の患家において2人以上の患者を診療した場合には、(3)の規定にかかわらず、1人目は、「同一建物居住者以外の場合」を算定し、2人目以降の患者については、初診料又は再診料若しくは外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定する。この場合において、2人目の患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「注5」に規定する加算を算定する。
(6) 「1」は、1人の患者に対して1つの保険医療機関の保険医の指導管理の下に継続的に行われる訪問診療について、1日につき1回に限り算定するが、初診料を算定した初診の日には算定できない。ただし、在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料を算定する場合に限り、1人の患者に対して2つの保険医療機関の保険医が、1日につきそれぞれ1回に限り算定できる。なお、この場合においても、初診料を算定した初診の日には算定できない。
(7) 「2」は、当該患者の同意を得て、計画的な医学管理のもと、主治医として定期的に訪問診療を行っている保険医が属する他の保険医療機関の求めを受けて、他の保険医療機関が診療を求めた傷病に対し訪問診療を行った場合に、求めがあった日を含む月から6月を限度として算定できる。ただし、他の保険医療機関の求めに応じ、既に訪問診療を行った患者と同一の患者について、他の保険医療機関との間で情報共有し、主治医である保険医がその診療状況を把握した上で、医学的に必要と判断し、以下に該当する診療の求めが新たにあった場合には、6月を超えて算定できる。また、この場合において、診療報酬明細書の摘要欄に、継続的な訪問診療の必要性について記載すること。
ア その診療科の医師でなければ困難な診療
イ 既に診療した傷病やその関連疾患とは明らかに異なる傷病に対する診療
(8) (7)の前段の規定にかかわらず、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、6月を超えて算定することも差し支えない。この場合において、診療を求めた他の保険医療機関に対し、概ね6月ごとに診療の状況を情報提供するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者のいずれに該当するかを記載すること。
【厚生労働大臣が定める疾病等の患者】
- 末期の悪性腫瘍
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上かつ生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))
- 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)
- プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸髄損傷の患者
- 人工呼吸器を使用している状態の患者
(9) 「1」の算定については週3回を限度とするが、(8)に規定する厚生労働大臣が定める疾病等の患者についてはこの限りでない。
(10) 「1」について、診療に基づき患者の病状の急性増悪、終末期等により一時的に週4回以上の頻回な訪問診療の必要を認め、当該患者の病状に基づいた訪問診療の計画を定め、当該計画に基づいて患家を定期的に訪問し、診療を行った場合には、
ア 当該訪問診療が必要な旨
イ 当該訪問診療の必要を認めた日
ウ 当該訪問診療を行った日を診療報酬明細書に付記することにより、1月に1回に限り、当該診療を行った日から 14日以内について14日を限度として算定することができる。
(11) 定期的・計画的な訪問診療を行っている期間における緊急の場合の往診の費用の算定については、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は算定せず、往診料及び再診料又は外来診療料を算定する。ただし、当該緊急往診を必要とした症状が治まったことを在宅での療養を行っている患者の療養を担う保険医が判断した以降の定期的訪問診療については、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の算定対象とする。
(12) 訪問診療を実施する場合には、以下の要件を満たすこと。
① 当該患者又はその家族等の署名付の訪問診療に係る同意書を作成した上で診療録に添付すること。
② 訪問診療の計画及び診療内容の要点を診療録に記載すること。「2」を算定する場合には、他の保険医療機関が診療を求めた傷病も記載すること。
③ 訪問診療を行った日における当該医師の当該在宅患者に対する診療時間(開始時刻及び終了時刻)及び診療場所について、診療録に記載すること。
(13) 「注4」に規定する乳幼児加算は、6歳未満の乳幼児に対して訪問診療を実施した場合に、1日につき1回に限り算定できるものとする。
(14) 「注6」に規定する在宅ターミナルケア加算は、死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に2回以上往診若しくは訪問診療を行った患者又は退院時共同指導料1を算定し、かつ、訪問診療を行った患者が、在宅で死亡した場合(往診又は訪問診療を行った後、24 時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む。)に算定する。この場合、診療内容の要点等を診療録に記載すること。また、ターミナルケアの実施については、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、患者本人及びその家族等と話し合いを行い、患者本人の意思決定を基本に、他の関係者との連携の上対応すること。
(15) 「注6のイの(1)」に規定する「在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの」とは、特掲診療料施設基準通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援診療所、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援病院である。「注6のイの(1)の①」に規定する「病床を有する場合」、「注6のイの(1)の②」に規定する「病床を有しない場合」とは、同通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の2の(1)及び(2)、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の2の(1)の規定による。「注6のロ」についても、この例によること。
(16) 「注6のイ」及び「注6のロ」に規定する有料老人ホーム等に入居する患者とは、以下のいずれかに該当する患者をいう。
ア 「施設入居時等医学総合管理料の(3)において施設入居時等医学総合管理料の算定患者とされている患者
イ 障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う施設及び事業所又は福祉ホームに入居する患者
ウ 介護保険法第8条第19項に規定する小規模多機能型居宅介護又は同法第8条第23項に規定する複合型サービスにおける宿泊サービスを利用中の患者
(17) 「注6」に規定する酸素療法加算は、悪性腫瘍と診断されている患者に対し、死亡した月において、在宅酸素療法を行った場合に算定する。在宅酸素療法を指示した医師は、在宅酸素療法のための酸素投与方法(使用機器、ガス流量、吸入時間等)、緊急時連絡方法等を装置に掲示すると同時に、夜間も含めた緊急時の対処法について、患者に説明を行うこと。酸素療法加算を算定した月については、在宅酸素療法指導管理料、在宅人工呼吸指導管理料、「C157」酸素ボンベ加算、「C158」酸素濃縮装置加算、「C159」液化酸素装置加算、「C164」人工呼吸器加算、「J018」喀痰吸引、「J018-3」干渉低周波去痰器による喀痰排出、「J024」酸素吸入、「J024-2」突発性難聴に対する酸素療法、「J025」酸素テント、「J026」間歇的陽圧吸入法、「J026-2」鼻マスク式補助換気法、「J026-3」体外式陰圧人工呼吸器治療及び「J045」人工呼吸は算定できない。
(18) 「注7」に規定する看取り加算は、事前に当該患者又はその家族等に対して、療養上の不安等を解消するために十分な説明と同意を行った上で、死亡日に往診又は訪問診療を行い、当該患者を患家で看取った場合に算定する。この場合、診療内容の要点等を当該患者の診療録に記載すること。
(19) 「注8」に規定する死亡診断加算は、在宅での療養を行っている患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診又は訪問診療を行い、死亡診断を行った場合に算定する。ただし、「注7」に規定する加算には、死亡診断に係る費用が含まれており、「注8」に規定する加算は別に算定できない。以下の要件を満たしている場合であって、「情報通信機器(ICT)を利用した死亡診断等ガイドライン(平成29年9月厚生労働省)」に基づき、ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行う場合には、往診又は訪問診療の際に死亡診断を行っていない場合でも、死亡診断加算のみを算定可能である。この場合、診療報酬明細書の摘要欄に、ICTを利用した看護師との連携による死亡診断を行った旨を記載すること。
ア 当該患者に対して定期的・計画的な訪問診療を行っていたこと。
イ 正当な理由のために、医師が直接対面での死亡診断等を行うまでに 12時間以上を要することが見込まれる状況であること。
ウ 特掲診療料の施設基準等の第4の4の3の3に規定する地域に居住している患者であって、連携する他の保険医療機関において在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算若しくは同一建物居住者訪問看護・指導料の同一建物居住者ターミナルケア加算又は連携する訪問看護ステーションにおいて、訪問看護ターミナルケア療養費若しくは指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表の指定居宅サービス介護給付費単位数表の3のイ、ロ及びハの注15に掲げるターミナルケア加算を算定していること。
(20) 患家における診療時間が1時間を超える場合の加算の算定方法、保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合又は海路による訪問診療を行った場合であって特殊な事情があった場合の在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の算定方法及び訪問診療に要した交通費の取扱いは、往診料における取扱いの例による。
(21) 往診の日又はその翌日に行う訪問診療の費用については、算定できない。ただし、在宅療養支援診療所若しくは在宅療養支援診療所と連携する保険医療機関(特別の関係にある保険医療機関を含む。)又は在宅療養支援病院の保険医が、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に対して、往診を行った場合はこの限りではない。
(22) 「注11」に規定する交通費は実費とする。
(23) 「注12」に規定する点数は、算定月の直近3月の実績において施設基準通知第9の3又は第14の2の3の基準に適合しなくなった場合において、当該算定月の5回目以降の訪問診療を行った際に算定するものであり、各月の4回目の訪問診療までは、「注 12」の規定にかかわらず、「1」に掲げる所定点数により算定する。
(24) 「注 13」に規定する在宅医療DX情報活用加算は、在宅医療における診療計画の作成において居宅同意取得型のオンライン資格確認等システム等、電子処方箋及び電子カルテ情報共有サービス等により取得された患者の診療情報や薬剤情報等を活用することで質の高い医療を実施することを評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において当該診療情報等を踏まえて、計画的な医学管理の下に、訪問して診療を行った場合は、在宅医療DX情報活用加算として、月1回に限り所定点数に10点を加算する。
(25)在宅医療DX情報活用加算の算定に当たっては、初回の訪問診療の場合には、訪問診療に係る計画の作成において、あらかじめ、診療情報等を活用していない場合には算定できない。ただし、あらかじめ診療情報等を取得している場合であって、初回の訪問診療の際に患者の診療情報等を活用可能な場合には、初回の訪問診療から算定できる。
(26)初診料の「注 15」、再診料の「注 19」若しくは外来診療料の「注 10」に規定する医療情報取得加算、初診料の「注 16」に規定する医療DX推進体制整備加算、在宅がん医療総合診療料の「注8」に規定する在宅医療DX情報活用加算又は在宅患者訪問看護・指導料の「注 17」(同一建物居住者訪問看護・指導料の「注6」の規定により準用する場合を含む。)若しくは精神科訪問看護・指導料の「注 17」に規定する訪問看護医療DX情報活用加算を算定した月は、在宅医療DX情報活用加算は算定できない。
カルテ記載例
記載例開始時間09:00〜9:10 住宅型有料老人ホーム◯○◯201号室
S:この頃不安が強く眠れない日が続いてる
入居者とのトラブルもあり自室にいる時間が多くなった
O:血圧122/64、脈拍110 回/分、SpO2 94%、体温37.0℃
活気低下
意識レベル良好
雑音なし
両下肢に軽度浮腫あり
A:
#1 慢性心不全
依然と比較し浮腫の改善あり
利尿剤継続とする
#2 アルツハイマー型認知症
ご主人のご逝去から不安症状あり、ここ数日で被害妄想、物忘れが増強している
まずは本日よりアリセプト3mg服用開始し経過観察とする
#3 不眠症
夜間眠れず、徘徊もみられる
眠剤追加し経過観察とする
P:本日よりアリセプト、マイスリー開始
施設職員、ご家族に転倒に気をつけるようお伝えした
次回は2週間後のフォローをとする
#2については副作用の有無を確認し、内服増量を検討する
在宅医療DX情報活用加算に関する施設基準
(1) 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
(2) 健康保険法第3条第 13 項に規定する電子資格確認(以下「オンライン資格確認」という。)を行う体制を有していること。なお、オンライン資格確認の導入に際しては、医療機関等向けポータルサイトにおいて、運用開始日の登録を行うこと。
(3) 居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムの活用により、医師等が患者の診療情報等を取得及び活用できる体制を有していること。
(4) 「電子処方箋管理サービスの運用について」(令和4年10月28日付け薬生発1028第1号医政発 1028 第1号保発 1028 第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長・医政局長・保険局長通知。)に基づく電子処方箋により処方箋を発行できる体制を有していること。
(5) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有していること。
(6) 医療DX推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得・活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。
具体的には次に掲げる事項を掲示していること。
ア 医師が居宅同意取得型のオンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して、計画的な医学管理の下に、訪問して診療を実施している保険医療機関であること。
イ マイナ保険証の利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険医療機関であること。
ウ 電子処方箋の発行及び電子カルテ情報共有サービスなどの医療DXにかかる取組を実施している保険医療機関であること。
(7) (6)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。