在宅血液透析指導管理料は、在宅血液透析を行っている患者さんに対し在宅血液透析に関する指導管理を行った場合に算定します。
C102-2 在宅血液透析指導管理料 10000点
在宅血液透析指導管理料の算定要件
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、在宅血液透析を行っている入院中の患者以外の患者に対して在宅血液透析に関する指導管理を行った場合に算定するものとし、頻回に指導管理を行う必要がある場合には、当該指導管理料を最初に算定した日から起算して2月までの間は、同一月内の2回目以降1回につき2,000点を月2回に限り算定する。
注2 当該指導管理を算定する同一月内に区分番号J038に掲げる人工腎臓を算定する場合は、注1に規定する2回目以降の費用は、算定しない。
注3 注1に規定する患者であって継続的に遠隔モニタリングを実施したものに対して当該指導管理を行った場合は、遠隔モニタリング加算として、月1回に限り115点を所定点数に加算する。
在宅血液透析指導管理料の留意事項
(1) 在宅血液透析とは、維持血液透析を必要とし、かつ、安定した病状にあるものについて、在宅において実施する血液透析療法をいう。
(2) 導入時に頻回の指導を行う必要がある場合とは、当該患者が初めて在宅血液透析を行う場合であり、保険医療機関の変更によるものは含まれない。
(3) 「注1」の「頻回に指導管理を行う必要がある場合」とは、次のような患者について指導管理を行う場合をいう。
ア 在宅血液透析の導入期にあるもの
イ 合併症の管理が必要なもの
ウ その他医師が特に必要と認めるもの
透析合併症とは
◾️不均衡症候群
体が透析にまだ慣れていない「透析導入期」によくみられます。症状は、透析中から透析終了後12時間以内に起こる「腹痛」「吐き気」「嘔吐」などです。予防には、水分や塩分、タンパク質の制限を守ることで緩やかな透析を行う、透析時間を長くするなどです。
◾️高血圧
透析を始めたときは、多くの人に高血圧がみられます。頭痛、イライラ、吐き気、夜ぐっすり眠れないなどの症状がみられるようになります。
◾️貧血
腎不全になると、腎臓で作られている造血ホルモン(エリスロポエチン)の分泌が低下し、貧血になります。また、血液中の尿毒素が増加することによって出血しやすくなったり、赤血球の寿命が短くなったりすることも貧血の原因です。症状は、疲れやすくなる、手足のだるさ、階段の上り下りのときの息切れや動悸などです。
◾️感染症
穿刺部から細菌が侵入して起こるシャント感染、尿量が少ないために起こる尿路感染、風邪をこじらせて起こる肺炎、結核、輸血によるウイルス性肝炎などがあります。
◾️アミロイド骨関節症
長期間透析を続けていると、アミロイドという物質が骨や関節に沈着し、骨や関節、肩や首などの痛み、しびれ、麻痺などの症状が出ることがあります。予防は、関節の働きを保つために、手首や指の屈伸運動をする、十分な透析を行うなどです。
◾️高カリウム血症
症状は、手足のしびれ、重い感じ、口のしびれ、脱力感、知覚異常、味覚異常、違和感などがあり、さらに血液中のカリウムの値が上がると脈が乱れ、心臓が止まることもあり大変危険です。
(4) 在宅血液透析指導管理料を算定している患者は、週1回を限度として、「J038」人工腎臓を算定できる。
(5) 日本透析医会が作成した「在宅血液透析管理マニュアル」に基づいて患者及び介助者が医療機関において十分な教育を受け、文書において在宅血液透析に係る説明及び同意を受けた上で、在宅血液透析が実施されていること。また、当該マニュアルに基づいて在宅血液透析に関する指導管理を行うこと。
(6) 遠隔モニタリング加算は、以下の全てを実施する場合に算定する。
ア 注液量、排液量、除水量、体重、血圧、体温等の状態について継続的なモニタリングを行うこと。
イ モニタリングの状況に応じて、適宜患者に来院を促す等の対応を行うこと。
ウ 当該加算を算定する月にあっては、モニタリングにより得られた所見等及び行った指導管理の内容を診療録に記載すること。
エ モニタリングの実施に当たっては、厚生労働省の定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に対応すること。
在宅血液透析指導管理料の施設基準
(1) 在宅血液透析指導管理を実施する保険医療機関は専用透析室及び人工腎臓装置を備えなければならないこと。
(2) 当該保険医療機関又は別の保険医療機関との連携により、患者が当該管理料に係る疾患について緊急に入院を要する状態となった場合に入院できる病床を確保していること。
(3) 患者が血液透析を行う時間においては緊急時に患者からの連絡を受けられる体制をとっていること。