在宅中心静脈栄養法指導管理料とは、在宅中心静脈栄養法を行っている患者さんに対して、在宅中心静脈栄養法に関する指導管理を行った場合に算定する診療報酬です。
C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料 3000点
在宅中心静脈栄養とは、家庭での治療や社会復帰を可能にする栄養療法です。入院加療の必要がなく、病態が安定している患者さんや通院が困難で在宅での栄養療法が必要になった患者さんに、高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与を行い、社会復帰や家庭での治療を可能としてくれます。
在宅中心静脈栄養法指導管理料の算定要件
在宅中心静脈栄養法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅中心静脈栄養法に関する指導管理を行った場合に算定する。
在宅中心静脈栄養法指導管理料の留意事項
(1) 在宅中心静脈栄養法とは、諸種の原因による腸管大量切除例又は腸管機能不全例等のうち、安定した病態にある患者について、在宅での療養を行っている患者自らが実施する栄養法をいう。
(2) 対象となる患者は、原因疾患の如何にかかわらず、中心静脈栄養以外に栄養維持が困難な者で、当該療法を行うことが必要であると医師が認めた者とする。
(3) 在宅中心静脈栄養法指導管理料を算定している患者(入院中の患者を除く。)については、「G005」中心静脈注射及び「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射の費用は算定できない。
(4) 在宅中心静脈栄養法指導管理料を算定している患者については、当該保険医療機関において「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)を算定する日に行った「G001」静脈内注射、「G004」点滴注射及び「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む。)は算定できない。
在宅中心静脈栄養法指導管理料の指導について
在宅中心静脈栄養法を行うことは決して難しいことではありませんが、患者さん本人が自己管理ができていないとトラブルや合併症が起こるケースがあります。
そのため、取り扱いに対する注意点や緊急時の対応等について、医療提供側は指導管理を行うことが大切でし、もちろんその際のカルテ記載も忘れてはいけません。
指導管理の例をいくつか挙げてみますので参考にされて下さい。
輸液製剤の保管方法は?
調製された輸液製剤や「冷暗所保存」と記入された薬剤は、冷蔵庫に食品とは分けて保管しましょう。
調製されていない輸液製剤や器材は、直射日光の当たらない、涼しくてほこりが立ちにくい場所に保管しましょう。
施行時は清潔が必要
器材を袋から取り出した後や輸液バッグのシールをはがした後は混注口や接続部には絶対に触らないようにしましょう。もし触ってしまったら、必ずアルコール綿でゴシゴシと念入りに消毒しましょう。
発熱が続く場合はすぐに受診を
輸液ルートの継ぎ目やカテーテルとの継ぎ目から細菌が入り込んだり、細菌で汚染された輸液製剤が用いられた場合や、身体の他の部位に存在する細菌が血液を介してカ テーテルに付着した場合にカテーテル感染を起こす場合があります。進行すると重篤な全身症状を引き起こす敗血症を起こすため、注意が必要です。
発熱時にはすぐに受診もしくは連絡するよう指導を行いましょう。
廃棄物の処理
医療用具のゴミは、きちんと分別して医療機関へ戻しましょう。
在宅中心静脈栄養法指導管理料に付随する加算
輸液セットを使用した場合に、以下の点数を加算します。
C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 2000点
輸液セットとは、在宅で中心静脈栄養法を行うに当たって用いる輸液用器具(輸液バッグ)、注射器及び採血用輸血用器具(輸液ライン)をいいます。
注入ポンプを使用した場合に、2月に2回に限り以下の点数を加算します。
C161 注入ポンプ加算 1250点
注入ポンプとは、在宅で中心静脈栄養法、成分栄養経管栄養法若しくは小児経管栄養法、鎮痛療法若しくは悪性腫瘍の化学療法又は注射薬の精密自己注射を行うに当たって用いる注入ポンプをいいます。