2022年|在宅中心静脈栄養法指導管理料の算定要件とカルテ記載

輸液

在宅中心静脈栄養とは、家庭での治療や社会復帰を可能にする栄養療法です。入院加療の必要がなく、病態が安定している患者さんや通院が困難で在宅での栄養療法が必要になった患者さんに、高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与を行い、社会復帰や家庭での治療を可能としてくれます。

ただし、実施には以下のような前提条件があります。

  1. 入院治療を必要とせずに病状が安定しており、在宅中心静脈栄養を行うことで生活の質向上がめざせる場合
  2. 患者さんとその家族が在宅中心静脈栄養の必要性を認識して希望し、輸液調製が問題なくでき、自己管理が行えること
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在宅中心静脈栄養法指導管理料の点数

在宅中心静脈栄養法を行っている入院中以外の患者さんに対して、在宅中心静脈栄養法に関する指導管理を行った場合に以下の点数を算定します。

C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料       3000点

在宅中心静脈栄養法指導管理料の指導について

在宅中心静脈栄養法を行うことは決して難しいことではありませんが、患者さん本人が自己管理ができていないとトラブルや合併症が起こるケースがあります。

そのため、取り扱いに対する注意点や緊急時の対応等について、医療提供側は指導管理を行うことが大切でし、もちろんその際のカルテ記載も忘れてはいけません。

指導管理の例をいくつか挙げてみますので参考にされて下さい。

輸液製剤の保管方法は?

調製された輸液製剤や「冷暗所保存」と記入された薬剤は、冷蔵庫に食品とは分けて保管しましょう。

調製されていない輸液製剤や器材は、直射日光の当たらない、涼しくてほこりが立ちにくい場所に保管しましょう。

施行時は清潔が必要

器材を袋から取り出した後や輸液バッグのシールをはがした後は混注口や接続部には絶対に触らないようにしましょう。もし触ってしまったら、必ずアルコール綿でゴシゴシと念入りに消毒しましょう。

発熱が続く場合はすぐに受診を

輸液ルートの継ぎ目やカテーテルとの継ぎ目から細菌が入り込んだり、細菌で汚染された輸液製剤が用いられた場合や、身体の他の部位に存在する細菌が血液を介してカ テーテルに付着した場合にカテーテル感染を起こす場合があります。進行すると重篤な全身症状を引き起こす敗血症を起こすため、注意が必要です。

発熱時にはすぐに受診もしくは連絡するよう指導を行いましょう。

廃棄物の処理

医療用具のゴミは、きちんと分別して医療機関へ戻しましょう。

算定時の注意点

  • 在宅中心静脈栄養法指導管理料を算定している場合、「中心静脈注射」及び「植込型カテーテルによる中心静脈注射」の費用は算定できません。
  • 在宅中心静脈栄養法指導管理料を算定している場合、当該保険医療機関において在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は在宅患者訪問診療料(Ⅱ)を算定する日に行った「静脈内注射」「点滴注射」「植込型カテーテルによる中心静脈注射」の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む。)は算定できません。

対象となる患者について

原因疾患の如何にかかわらず、中心静脈栄養以外に栄養維持が困難な者で、当該療法を行うことが必要であると医師が認めた場合に行えるとされています。

また、安定した病態であり、在宅での療養を行っている患者自らが実施することが必要です。

在宅中心静脈栄養法指導管理料に付随する加算について

輸液セットを使用した場合に、以下の点数を加算します。

C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算   2000点

輸液セットとは「輸液セット」とは、在宅で中心静脈栄養法を行うに当たって用いる輸液用器具(輸液バッグ)、注射器及び採血用輸血用器具(輸液ライン)をいう。

注入ポンプを使用した場合に、2月に2回に限り以下の点数を加算します

C161 注入ポンプ加算    1250点

注入ポンプとは「注入ポンプ」とは、在宅で中心静脈栄養法、成分栄養経管栄養法若しくは小児経管栄養法、鎮痛療法若しくは悪性腫瘍の化学療法又は注射薬の精密自己注射を行うに当たって用いる注入ポンプをいいます。

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