【2022年】在宅がん医療総合診療料の算定要件と施設基準について

在宅がん医療総合診療料

在宅がん医療総合診療料とは、在宅で療養生活を行っており、認知症や四肢不自由で通院が困難な終末期の悪性腫瘍患者さんに対し算定される診療料です。

定期的な訪問診療及び訪問看護のほかに「処置料」「注射料」「検査料」等が包括され、1週を単位として以下の点数を算定します。

在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの場合

在宅療養支援診療所在宅療養支援病院とは、24時間365日体制で往診訪問看護を行う病院のことです。

イ 病床を有する場合

( 1 ) 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付する場合…1800点

( 2 ) 処方箋を交付しない場合…2000点

ロ 病床を有しない場合

( 1 ) 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付する場合…1650点

( 2 ) 処方箋を交付しない場合…1850点

在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の場合

イ 保険薬局において調剤を受けるために処方箋を交付する場合…1495点

ロ 処方箋を交付しない場合…1685点

POINT1週間とは、日曜日から土曜日までの暦週をいいます。

スポンサーリンク

院外処方箋交付について

1週間のうち院外処方箋を交付した日がある場合は、「院外処方箋を交付する場合」で算定し、それ以外の場合は「院外処方箋を交付しない場合」で算定します。

1週間の途中で終了した場合について

診療を開始又は終了(死亡による場合を含む。)した週にあって、当該1週間のうちに算定基準を満たした場合には、当該診療の対象となった日数分について算定します。

在宅がん医療総合診療料の算定要件について

在宅での療養を行っている「通院が困難な末期の悪性腫瘍の患者さん」に対し、往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供しているものに対して、計画的な医学管理の下に、以下に掲げる基準のいずれにも該当する総合的な医療を提供した場合に、1週間を単位として当該基準を全て満たした日に算定します。

  •  訪問診療又は訪問看護を行う日が合わせて週4日以上であること。(同一日において訪問診療及び訪問看護を行った場合であっても1日とする)
  • 訪問診療の回数が週1回以上であること。
  • 訪問看護の回数が週1回以上であること。

注意点!1週間のうちに全ての要件を満たせなかった場合や、1週間のうちに在宅医療と入院医療が混在した場合には算定できません。

ただし、在宅がん医療総合診療料を算定している患者さんが、当該保険医療機関に一時的に入院する場合は、引き続き計画的な医学管理の下に在宅における療養を継続しているものとみなし、当該入院の日も含めた1週間について、上の要件を満たす場合には在宅がん医療総合診療料を算定可能となります。ただし、この場合には、入院医療に係る費用は別に算定できません。

在宅がん医療総合診療料の請求について

在宅療養支援診療所と連携保険医療機関等、または在宅療養支援病院と訪問看護ステーションが共同で訪問看護を行い、又は緊急時の往診体制をとっている場合は、当該患者の訪問看護、往診に係る費用は、在宅がん医療総合診療料を算定する在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の保険医の属する保険医療機関において一括して算定します。

別に算定できるものについて

  • 週3回以上の訪問診療を行った場合であって、訪問診療を行わない日に患家の求めに応じて緊急に往診を行った場合の往診料(ただし、週2回を限度とする。)
  • ターミナルケア加算
  • 看取り加算
  • 週3回以上の訪問診療を行った場合であって、訪問診療を行わない日に患家の求めに応じて緊急に往診を行った場合の往診料

POINT在宅がん医療総合診療に要した交通費は、患家の負担となります。

療養実績加算2について

厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算、在宅療養実績加算1又は在宅療養実績加算2として、150点、110点又は75点を、それぞれ更に所定点数に加算します。

在宅療養実績加算2の施設基準

  • イ緊急の往診及び在宅における看取りについて、相当の実績を有していること。
  • 当該保険医療機関内に在宅医療を担当する医師であって、緩和ケアに関する適切な研修を受けたものが配置されていること。

小児加算について

15歳未満の小児に対して総合的な医療を提供した場合は、小児加算として、週1回に限り、1,000点を所定点数に加算します。

POINT児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満の患者さんが対象となります。

データ提出加算について

診療報酬の請求状況、診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合は、在宅データ提出加算として、月1回に限り、50点を所定点数に加算します。(施設基準の届出が必要です)

算定時の注意点

在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院が、診療を行おうとする場合には、患者さんやご家族等に他の保険医療機関における在宅がん医療総合診療料の算定の有無を確認しましょう。

レセプト請求時について

レセプト請求を行う際は、診療報酬明細書の摘要欄に訪問診療及び訪問看護を行った年月日を記載する必要があります。

レセプトコード:850100111

訪問診療年月日(在宅がん医療総合診療料);日付の記載

レセプトコード:850100112

訪問看護年月日(在宅がん医療総合診療料);日付の記載

在宅がん医療総合診療料の施設基準

在宅がん医療総合診療料を算定するには以下の算定要件を満たし、地方厚生局へ届け出をする必要があります。

  1. 在宅がん医療を提供するにつき必要な体制が整備されていること。
  2. 緊急時の入院体制が整備されていること。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、保険医療機関が所在する都道府県を管轄する以下の厚生局に別添の「当該施設基準に係る届出書」及び「添付書類」を1部提出する必要があります。

タイトルとURLをコピーしました