A311-4 児童・思春期精神科入院医療管理料(1日につき)3016点
注
1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟又は治療室に入院している20歳未満の精神疾患を有する患者について、所定点数を算定する。ただし、当該病棟又は治療室に入院した患者が当該入院料に係る算定要件に該当しない場合は、区分番号A103に掲げる精神病棟入院基本料の注2に規定する特別入院基本料の例により算定する。
2 診療に係る費用(注3に規定する加算、第2節に規定する臨床研修病院入院診療加算、医師事務作業補助体制加算(50対1補助体制加算、75対1補助体制加算又は100対1補助体制加算に限る。)、地域加算、離島加算、特定感染症患者療養環境特別加算、強度行動障害入院医療管理加算、摂食障害入院医療管理加算、医療安全対策加算、感染対策向上加算、患者サポート体制充実加算、報告書管理体制加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算、データ提出加算、精神科入退院支援加算、薬剤総合評価調整加算及び排尿自立支援加算並びに第2章第5部投薬、第6部注射、第10部手術、第11部麻酔、第13部第2節病理診断・判断料及び第14部その他の費用を除く。)は、児童・思春期精神科入院医療管理料に含まれるものとする。
3 当該病棟又は治療室に入院している20歳未満の精神疾患を有する患者に対する支援体制につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の病棟に入院している患者について、精神科養育支援体制加算として、入院初日に限り300点を所定点数に加算する。
通知
(1) 児童・思春期精神科入院医療管理料を算定する病棟又は治療室は、児童及び思春期の精神疾患患者に対して、家庭及び学校関係者等との連携も含めた体制の下に、医師、看護師、精神保健福祉士及び公認心理師等による集中的かつ多面的な治療が計画的に提供される病棟又は治療室である。
(2) 当該入院料の対象は、20 歳未満の精神疾患を有する患者(精神作用物質使用による精神及び行動の障害の患者並びに知的障害の患者を除く。)である。
(3) 当該入院料を算定する場合には、医師は看護師、精神保健福祉士及び公認心理師等と協力し、保護者等と協議の上、別紙様式4又は別紙様式4の2若しくはこれに準ずる様式を用いて、詳細な診療計画を作成する。また、作成した診療計画を保護者等に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付する。なお、これにより入院診療計画の基準を満たしたものとされる。
(4) 当該入院料を算定する場合には、保護者、学校関係者等に対して面接相談等適切な指導を適宜行う。
(5) 児童・思春期精神科入院医療管理に係る算定要件に該当しない患者が当該病棟又は治療室に入院した場合には、精神病棟入院基本料の特別入院基本料を算定する。
(6) (5)により、「A103」の精神病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、「A307」の小児入院医療管理料の(9)と同様であること。
(7) 「注3」に規定する精神科養育支援体制加算は、虐待等不適切な養育が行われていることが疑われる20歳未満の精神疾患を有する患者に対する必要な支援体制を評価するものであり、当該病棟又は治療室に入院し、当該入院管理料を算定している患者について、入院初日に算定する。
児童・思春期精神科入院医療管理料の施設基準等
(1) 精神科を標榜する病院において精神病棟又は治療室を単位とすること。
(2) 当該病棟又は治療室における直近1か月間の入院患者数の概ね8割以上が、20 歳未満の精神疾患を有する患者(精神作用物質使用による精神及び行動の障害の患者並びに知的障害の患者を除く。)であること。
(3) 当該病棟又は治療室に小児医療及び児童・思春期の精神医療の経験を有する常勤の医師が
2名以上配置されており、うち1名は精神保健指定医であること。
(4) 当該病棟又は治療室に専従の常勤の精神保健福祉士及び常勤の公認心理師がそれぞれ1名以上配置されていること。
(5) 当該保険医療機関内に学習室が設けられていること。
(6) 当該治療室の病床は30床以下であり、浴室、廊下、デイルーム、食堂、面会室、便所、学習室が、当該病棟の他の治療室とは別に設置されていること。
(7) データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。また、当該基準については別添7の様式40の7を用いて届出を行った時点で、当該入院料の届出を行うことができる。ただし、令和6年3月 31 日において、現に精神病棟入院基本料(10 対1入院基本料及び13対1入院基本料に限る。)、精神科急性期治療病棟入院料又は児童・思春期精神科入院医療管理料に係る届出を行っている保険医療機関については、令和8年5月31日までの間、当該基準を満たしているものとみなす。また、令和6年3月31日において急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟の場合に限る。)、専門病院入院基本料(13 対1入院基本料を除く。)、回復期リハビリテーション病棟入院料1から4又は地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟若しくは病室をいずれも有しない保険医療機関であって、精神病棟入院基本料(10 対1入院基本料及び 13 対1入院基本料に限る。)、精神科急性期治療病棟入院料若しくは児童・思春期精神科入院医療管理料を算定する病棟又は児童・思春期精神科入院医療管理料を算定する病室のいずれかを有するもののうち、データ提出加算の届出を行うことが困難であることについて正当な理由があるものは、当分の間、当該基準を満たしているものとみなす。
精神科養育支援体制加算の施設基準
(1) 当該保険医療機関内に、以下から構成される虐待等不適切な養育が疑われる20歳未満の精神疾患を有する患者への支援(以下「精神科養育支援」という。)に係るチーム(以下「精神科養育支援チーム」という。)が設置されていること。
ア 小児医療及び児童・思春期の精神医療に関する十分な経験を有する専任の常勤精神保健指定医
イ 20歳未満の精神疾患を有する患者の看護に従事する専任の常勤看護師
ウ 20歳未満の精神疾患を有する患者の支援に係る経験を有する専任の常勤精神保健福祉士
エ 20歳未満の精神疾患を有する患者の支援に係る経験を有する専任の常勤公認心理師
なお、当該専任の医師、看護師、精神保健福祉士又は公認心理師(以下この項において「医師等」という。)については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師等を2名以上組み合わせることにより、常勤医師等と同じ時間帯にこれらの非常勤医師等が配置されている場合には、当該基準を満たしているとみなすことができる。
精神科養育支援チームの行う業務に関する事項
ア 精神科養育支援に関するプロトコルを整備していること。なお、当該支援の実施状況等を踏まえ、定期的に当該プロトコルの見直しを行うこと。
イ 虐待等不適切な養育が疑われる20歳未満の精神疾患を有する患者が発見された場合に、院内からの相談に対応すること。
ウ 虐待等不適切な養育が疑われる20歳未満の精神疾患を有する患者が発見された場合に、主治医及び多職種と十分に連携をとって養育支援を行うこと。
エ 虐待等不適切な養育が疑われた症例を把握・分析し、養育支援の体制確保のために必要な対策を推進すること。
オ 精神科養育支援体制を確保するための職員研修を企画・実施すること。当該研修は、精神科養育支援の基本方針について職員に周知徹底を図ることを目的とするものであり、年2回程度実施されていること。
なお、当該研修は、第10の6の(2)のオに規定する養育支援体制を確保するための職員研修と合同で開催して差し支えない。
届出を行う地方厚生局HPについて
届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。
基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。
届出時の留意事項
- 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
- 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
- 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
- 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。