在宅患者緊急入院診療加算とは、在宅で療養を行っている患者さんの病状が急変等により入院が必要となった場合に、円滑に入院できるように 医療機関が連携して入院受け入れを行った場合に算定できる入院加算です。
A206 在宅患者緊急入院診療加算(入院初日)
1 他の保険医療機関との連携により在宅療養支援診療所若しくは在宅療養支援病院の体制を確保している保険医療機関において、当該他の保険医療機関の求めに応じて行う場合又は在宅療養後方支援病院が他の保険医療機関の求めに応じて行う場合 2500点
2 連携医療機関である場合(1の場合を除く。) 2000点
3 1及び2以外の場合 1000点
注
1 別の保険医療機関(診療所に限る。)において区分番号C002に掲げる在宅時医学総合管理料、区分番号C002-2に掲げる施設入居時等医学総合管理料、区分番号C003に掲げる在宅がん医療総合診療料又は在宅療養指導管理料(区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料を除く。)を入院した日の属する月又はその前月に算定している患者の病状の急変等に伴い、当該保険医療機関の医師の求めに応じて入院させた場合に、当該患者(入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は特定入院料のうち、在宅患者緊急入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、入院初日に限り所定点数に加算する。
2 1について、在宅療養後方支援病院(許可病床数が400床以上のものに限る。)において、別に厚生労働大臣が定める疾病等を有する患者を入院させた場合に、当該患者(入院基本料(特別入院基本料等を含む。)又は特定入院料のうち、在宅患者緊急入院診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、入院初日に限り所定点数に加算する。
在宅患者緊急入院診療加算に規定する別に厚生労働大臣が定める疾病等
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))
- 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
- プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸髄損傷
- 十五歳未満の者であって人工呼吸器を使用している状態のもの又は十五歳以上のものであって人工呼吸器を使用している状態が十五歳未満から継続しているもの(体重が二十キログラム未満である場合に限る。)
通知
(1) 在宅患者緊急入院診療加算は、在宅での療養を行っている患者の病状の急変等により入院が必要となった場合に、円滑に入院でき、かつ入院を受け入れた保険医療機関(受入保険医療機関)においても患者の意向を踏まえた医療が引き続き提供されるための取組を評価した加算である。
(2) 診療所において「C002」在宅時医学総合管理料、「C002-2」施設入居時等医学総合管理料、「C003」在宅がん医療総合診療料又は在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料(「C101」在宅自己注射指導管理料を除く。)を入院の月又はその前月に算定している患者について、当該患者の病状の急変等に伴い当該診療所の保険医の求めに応じて入院させた場合に、受入保険医療機関において、当該入院中1回に限り、入院初日に算定する。
(3) 当該診療所の保険医の求めによらない緊急入院において、当該患者の入院後24時間以内に、当該診療所の保険医から、受入保険医療機関の保険医に対して当該患者の診療情報が提供された場合であっても算定できる。
(4) 在宅患者緊急入院診療加算の「1」は、以下の場合に算定する。
ア 在宅療養支援診療所(当該基準を満たすものを以下この項において「在宅療養支援診療所」という。)の施設基準の1の(2)又は在宅療養支援病院(当該基準を満たすものを以下この項において「在宅療養支援病院」という。)の施設基準の1の(2)に規定する在宅支援連携体制を構築している在宅療養支援診療所が診療を行っている患者を、当該診療所の保険医の求めに応じて、同じく当該体制を構築している、病床を有する他の在宅療養支援診療所(在宅療養支援診療所の施設基準の1の(2)の在宅療養支援診療所に限る。)又は在宅療養支援病院(在宅療養支援病院の施設基準の1(2)の在宅療養支援病院に限る。)に入院させた場合
イ 特掲診療料施設基準通知の第 16の3に掲げる在宅療養後方支援病院(当該施設基準を満たすものを以下この項において「在宅療養後方支援病院」という。)の施設基準の1の(2)に規定する連携医療機関が訪問診療を行っている患者であって、緊急時に当該在宅療養後方支援病院に入院を希望する者として当該在宅療養後方支援病院にあらかじめ届け出ている者を、当該連携医療機関の保険医の求めに応じて、当該在宅療養後方支援病院に入院させた場合
(5) 在宅患者緊急入院診療加算の「2」は、当該診療所の保険医が患者又はその家族に対して、事前に緊急時の受入保険医療機関の名称等を文書にて提供し、受入保険医療機関に入院した場合(在宅患者緊急入院診療加算の「1」の場合を除く。)に算定する。また、当該診療所の保険医は、提供した文書の写しを診療録に添付すること。
(6) 受入保険医療機関の保険医は、入院前又は入院後速やかに患者の希望する診療内容等の情報を当該診療所の保険医に確認し共有すること。
加算が算定できる入院料について
在宅患者緊急入院診療加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。
- A100 一般病棟入院基本料
- A101 療養病棟入院基本料
- A102 結核病棟入院基本料
- A103 精神病棟入院基本料
- A104 特定機能病院入院基本料
- A105 専門病院入院基本料
- A106 障害者施設等入院基本料
- A108 有床診療所入院基本料
- A109 有床診療所療養病床入院基本料
- A307 小児入院医療管理料
- A308-3 地域包括ケア病棟入院料
- A317 特定一般病棟入院料
患者様の意向を踏まえた医療とは
患者様への説明と同意について、病院が作成した方針・基準・手順書に基づいて、患者様が理解できるように行われる必要はあります。
患者様が安心して医療を受けられるように、患者様の権利を明確にして患者様は「自己決定権有すること」が守られなければなりません。
その取組として「意思表明確認書」等を使用して書面にて残しておくことが必要です。
内容としては以下のものが主に挙げられます。
- 経口摂取が困難になった場合について
- 急変時の心臓マッサージや延命治療について
- 抗がん剤や麻薬の投与について
- 最期を迎える場所について
※患者様の権利についてはリスボン宣言を参考にされたらいいと思います。