令和6年|A237 ハイリスク分娩管理加算の算定要件と施設基準

ハイリスク分娩管理加算の算定要件と施設基準について

A237 ハイリスク分娩等管理加算(1日につき)

1 ハイリスク分娩管理加算 3200点

2 地域連携分娩管理加算 3200点

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1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、別に厚生労働大臣が定める患者(入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は特定入院料のうち、ハイリスク分娩管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、分娩を伴う入院中にハイリスク分娩管理を行った場合に、1入院に限り8日を限度として所定点数に加算する。

2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、別に厚生労働大臣が定める患者(入院基本料(特別入院基本料等を除く。)のうち、地域連携分娩管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、分娩を伴う入院中に地域連携分娩管理を行った場合に、1入院に限り8日を限度として所定点数に加算する。

ハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理と同一日に行うハイリスク妊娠管理に係る費用は、1又は2に含まれるものとする。

通知

(1) 「1」ハイリスク分娩管理加算の算定対象となる患者は、次に掲げる疾患等の妊産婦であって、医師がハイリスク分娩管理が必要と認めた者であること。

妊娠22週から32週未満の早産の患者

40歳以上の初産婦である患者
分娩前のBMIが35以上の初産婦である患者
妊娠高血圧症候群重症の患者
常位胎盤早期剥離の患者
前置胎盤(妊娠28週以降で出血等の症状を伴う場合に限る。)の患者
双胎間輸血症候群の患者
多胎妊娠の患者
子宮内胎児発育遅延の患者
心疾患(治療中のものに限る。)の患者
糖尿病(治療中のものに限る。)の患者
特発性血小板減少性紫斑病(治療中のものに限る。)の患者
白血病(治療中のものに限る。)の患者
血友病(治療中のものに限る。)の患者
出血傾向のある状態(治療中のものに限る。)の患者
HIV陽性の患者
当該妊娠中に帝王切開術以外の開腹手術(腹腔鏡による手術を含む。)を行った患者又は行う予定のある患者
精神疾患の患者(当該保険医療機関において精神療法を実施している者又は他の保険医療機関において精神療法を実施している者であって当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提供されているものに限る。)ただし、治療中のものとは、対象疾患について専門的治療が行われているものを指し、単なる経過観察のために年に数回程度通院しているのみの患者は算定できない。

BMIとは・・・

世界共通の肥満度の指標で、身長と体重から計算されます。例えば体重が80kgで身長が1.7mの場合、BMIは「80÷(1.7の2乗)」となります。妊娠初期BMIが30.0以上(肥満2度以上)のママは医師との相談の上、個別対応(上限5㎏が目安)となります。

妊娠高血圧症候群とは・・・

妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠といいます。 妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類されます。

(2) 「2」地域連携分娩管理加算の算定対象となる患者は、次に掲げる疾患等の妊産婦であって、医師が地域連携分娩管理が必要と認めた者であること。

40歳以上の初産婦である患者

子宮内胎児発育遅延の患者(重度の子宮内胎児発育遅延の患者以外の患者であって、総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センター(以下この項において「総合周産期母子医療センター等」という。)から当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提供されているものに限る。)
糖尿病の患者(2型糖尿病又は妊娠糖尿病の患者(食事療法のみで血糖コントロールが可能なものに限る。)であって、専門医又は総合周産期母子医療センター等から当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提出されているものに限る。)
精神疾患の患者(他の保険医療機関において精神療法を実施している者であって当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提供されているものに限る。)ただし、アからエまでに該当する妊産婦であっても、当該患者が複数の疾患等を有する場合においては、当該加算は算定できない。

(3) 地域連携分娩管理加算の算定に当たっては、当該患者の分娩を伴う入院前において、当該保険医療機関から、当該保険医療機関と連携している総合周産期母子医療センター等に対して当該患者を紹介し、当該患者が受診している必要があること。

(4) ハイリスク分娩管理加算又は地域連携分娩管理加算は、ハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理の対象となる妊産婦に対して、分娩を伴う入院中にハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理を行った場合に、8日を限度として算定する。ただし、第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院については、1入院として取り扱うものであること。

(5) 1入院の期間中に、「A236-2」ハイリスク妊娠管理加算を算定するハイリスク妊娠管理とハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理を併せて行うことは可能であり、ハイリスク妊娠管理加算とハイリスク分娩管理加算又は地域連携分娩管理加算を併せ、1入院当たり 28 日を限度として算定できるが、ハイリスク妊娠管理加算を算定するハイリスク妊娠管理とハイリスク分娩管理又は地域連携分娩管理を同一日に行う場合には、ハイリスク分娩管理加算又は地域連携分娩管理加算のみを算定する。

加算が算定できる入院料について

ハイリスク分娩等管理加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。

一般病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、特定一般病棟入院料については、ハイリスク分娩等管理加算「1」ハイリスク分娩管理加算の算定に限ります。

有床診療所入院基本料については、ハイリスク分娩等管理加算「2」地域連携分娩管理課さんの算定に限ります。

令和6年 ハイリスク分娩管理加算の施設基準

(1) 医療機関内に、専ら産婦人科又は産科に従事する常勤の医師が、3名以上配置されていることが必要です。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専ら産婦人科又は産科に従事する非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、当該常勤の医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該医師の実労働時間を常勤換算し常勤医師数に算入することができます。ただし、常勤換算し常勤医師数に算入することができるのは、常勤の医師のうち2名までに限ります。

(2) 当該保険医療機関内に、常勤の助産師が3名以上配置されていることが必要です。

(3) 1年間の分娩件数が 120 件以上であり、かつ、その実施件数、配置医師数及び配置助産師数を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していることが必要です。

(4) 公益財団法人日本医療機能評価機構が定める産科医療補償制度標準補償約款と同一の産科医療補償約款に基づく補償を実施していることが必要です。

令和6年 地域連携分娩管理加算の施設基準

(1) ハイリスク分娩管理加算の(1)及び(4)を満たしていることが必要です。

(2) 常勤の助産師が3名以上配置されていることが必要です。なお、そのうち1名以上が、助産に関する専門の知識や技術を有することについて医療関係団体等から認証された助産師であることとされています。

(3) 1年間の分娩件数が 120 件以上であり、かつ、その実施件数、配置医師数、配置助産師数及び連携している保険医療機関を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していることが必要です。

(4) 当該患者の急変時には、総合周産期母子医療センター等へ迅速に搬送が行えるよう、連携をとっていること。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。

基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

届出時の留意事項

  • 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
  • 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
  • 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
  • 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。
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