特定機能病院とは？承認を受けるための要件と特定機能病院一覧

特定機能病院とは、高度な先端医療を提供する病院のことであり、厚生労働大臣が個別に承認された病院のことです。

POINT病院であって、次に掲げる要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て特定機能病院と称することができるとされています。

高度の医療を提供する能力を有する
高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有する
高度の医療に関する研修を行わせる能力を有する
その診療科名中に、厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働省令で定める診療科名を有する
厚生労働省で定める数以上の患者を入院させるための施設を有する

医療関係従事者の法定員数（法第４条
構造設備等の基準（法第22条の2）
特定機能病院一覧

医療関係従事者の法定員数（法第４条

医師

入院患者数（歯科関連の入院患者を除く）と外来患者数（同外来患者を除く）の数を2.5をもって除した数と和のが8またはその端数を増すごとに１名以上とする。

歯科医師

歯科関係の入院患者の数が８またはその端数を増すごとに１名以上とし、外来患者調剤数80またはその端数を増すごとに１名加えるものとする。

薬剤師

入院患者数30名またはその端数を増すごとに１名以上とし、外来患者調剤数80またはその端数を増すごとに１名を加えるものとする。

看護師・准看護師

入院患者（入院している新生児を含む）が２またはその端数を増すごとに１名と、外来患者30またはその端数をを増すごとに１名を加えた数以上とする。ただし、産婦人科または産科では、そのうちの適当数を助産師とするものとし、歯科関係においては、そのうちの適当数を歯科衛生士とすることができる。

その他

管理栄養士が１名以上必要。診療放射線技師や事務員その他の従業者は、病院の実状に応じた適当数とする。

構造設備等の基準（法第22条の2）

診療科

内科
外科
精神科
小児科
皮膚科
泌尿器科
産婦人科または産科および婦人科
眼科
耳鼻咽喉科
放射線科
救急科
脳神経外科
整形外科
歯科

ならびに法第６条の６第１項で規定するすべての標榜を基本的には要件とする。

病床数

400床以上

診療に関する諸記録

過去２年間の病院日誌、各科診療日誌、処方箋、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の診療経過および入院診療計画書とする。

病院の管理および運営に関する諸記録

過去２年間の従業員数を明らかにする帳簿、高度の医療の提供の実績、高度の医療技術の開発および評価の実績、高度の医療の研修の実績、閲覧実績、紹介患者に対する医療提供の実績、入院患者と外来患者の調剤数、医療安全管理体制および院内感染対策の措置の状況を明らかにする帳簿とする。

その他

地域医療支援病院および一般病院に必要とされる施設の他に、一定の条件を備えた集中治療室、無菌状態の維持された病室および医薬品情報管理室である。ただし、救急用または患者輸送用の自動車は必ずしも必要としない。

特定機能病院は2014年４月から「総合型」とがん・循環器疾患等に専門特化した「特定領域型」の２種類に分けられた。前者の要件は①16診療科の標榜、 ②医師配置基準の半数以上が専門医、③紹介率50％以上・逆紹介率40％以上などであり、後者は④ ①の16診療科のうちの10以上の標榜、⑤紹介率80％以上・逆紹介率60％以上、⑥先駆的な医療の実施、専門的人材の育成、主導的臨床研究・医師主導治療の実施など、厳しい要件が設けられている。