【自費診療】医療保険が使える範囲と使えない範囲と制度について

自費診療

健康保険の被保険者が業務以外で病気やケガをした場合、健康保険で治療を受けることができ、保険診療によって受けることを「療養の給付」といいますが、交通事故、仕事中の事故や病気、自分の故意・過失による場合には保険診療の適用されません。

今回は医療保険の適用となる診療及びならない診療、いわゆる「自費診療」について解説していきたいと思います。

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医療保険の適用となる内容

療養の給付内容は以下の通りです。

療養の給付内容

  • 診察
  • 薬剤また治療材料の支給
  • 処置、手術その他の治療
  • 在宅で療養する上での管理、その療養に伴う世話、その他の看護
  • 病院や診療所への入院、その療養に伴う世話、その看護

医療保険の適用とならない内容

医療保険を使えないケースは以下のような場合です。

療養の給付にならないもの

  • 交通事故
  • 業務上や通勤途中の病気やケガ
  • 整形外科
  • 正常な妊娠、出産
  • 歯列矯正
  • 健康診断を目的とする検査
  • 予防接種
  • 経済上の理由による妊娠中絶

POINT妊娠と病気とみなされず医療保険の適用外となりますが、帝王切開や異常分娩の場合や、母体に危機が迫ったときの妊娠中絶には医療保険が適用されます。

保険給付に制限があるもの

健康保険制度の趣旨に反する恐れや公共性の見地から、一定の条件のもとに給付の全部または一部について給付の制限があります。(健康保険法第116条から第122条)

  1. 故意の犯罪行為または故意に事故を起こしたとき
  2. ケンカ、酔っ払いなど著しい不行跡により事故を起こしたとき
  3. 正当な理由がなく医師の指導に従わなかったり保険者の指示による診断を拒んだとき
  4. 詐欺その他不正な行為で保険給付を受けたとき、または受けようとしたとき
  5. 正当な理由がないのに保険者の文書の提出命令や質問に応じないとき

保険外併用療養費について

保険外併用療養費制度は「評価療養」「選定療養」「患者申出療養」の3つに分けられます。

「患者申出療養」は未承認薬の使用など、患者の申出に基づき、個別に認可される医療で2016年に導入されました。

また、保険診療と自費診療を併用した「混合診療」は原則禁止されており、混合診療を行うと保険適用の部分も認められず全てが自費扱いになります。

「評価療養」または「選定療養」と組み合わせた保険診療についてのみ、保険適用の部分に保険給付が行われ、これを「保険外併用療養費」といいます。

 評価療養とは

評価療養とは、保険適用にするかどうかの評価段階にある高度な医療技術のことで現時点では以下のものがあげられます。

  1. 先進医療
  2. 医薬品・医療機器・再生医療等製品の治験に係る診療
  3. 承認された医療品・医療機器・体外診断用医薬品・再生医療等製品の保険適用前の使用
  4. 保険適応されている医薬品・医療機器・再生医療等製品の適応外使用
  5. 適応外の医療機器の使用

選定医療とは

選定医療とは、快適性や利便性などを求める患者が自分で選択する特別な医療サービスのことで、以下のものがあげられます。

  1. 特別の療養環境
  2. 予約診療
  3. 時間外の診療
  4. 紹介状なしの200床以上の病院での初診
  5. 200床以上の病院の紹介なしの再診
  6. 制限回数を超える医療行為
  7. 患者都合による長期入院(180日以上の入院0
  8. 前歯部の材料差額
  9. 金属床総義歯
  10. 小児う蝕の指導管理
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