【2024年】往診料の算定要件と加算・カルテ記載について

往診

往診料は患者さんご本人もしくはご家族やその看護にあたる方から医療機関に対し、 電話などで往診を求められ、医師が往診の必要性があると判断し、速やかに患家へ行き診療を行った場合に以下の点数を算定します。

C000 往診料 720点

計画的に定期的に行った診療は算定できませんの注意してください。

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往診と訪問診療の違いについて

医師が患家まで足を運んで行う診療(在宅医療)には「往診」「訪問診療」があります。

医師が診療上必要があると判断したとき、 緊急(予定外)に行う診療が「往診」です。

これに対して、疾病や傷病のため通院が困難な方に対し、医師があらかじめ診療の計画を立て、患者樣の同意を得て定期的に患家に赴いて行なう診療が「訪問診療」になります。

別に厚生労働大臣が定める時間において入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している場合に緊急に行う往診、夜間(深夜を除く。)又は休日の往診、深夜の往診を行った場合には、在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院(地域において在宅療養を提供する診療所がないことにより、当該地域における退院後の患者に対する在宅療養の提供に主たる責任を有する病院であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものをいう。以下この表において同じ。)等の区分に従い、次に掲げる点数を、それぞれ所定点数に加算する。

イ 別に厚生労働大臣が定める患者に対し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの保険医が行う場合

(1) 病床を有する場合

① 緊急往診加算 850点
② 夜間・休日往診加算 1,700点
③ 深夜往診加算 2,700点

(2) 病床を有しない場合

① 緊急往診加算 750点
② 夜間・休日往診加算 1,500点
③ 深夜往診加算 2,500点

ロ 別に厚生労働大臣が定める患者に対し、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院(イに規定するものを除く。)の保険医が行う場合
(1) 緊急往診加算 650点
(2) 夜間・休日往診加算 1,300点
(3) 深夜往診加算 2,300点
ハ 別に厚生労働大臣が定める患者に対し、イからロまでに掲げるもの以外の保険医療機関の保険医が行う場合
(1) 緊急往診加算 325点
(2) 夜間・休日往診加算 650点
(3) 深夜往診加算 1,300点
ニ 別に厚生労働大臣が定める患者以外の患者に対して行う場合
(1) 緊急往診加算 325点
(2) 夜間・休日往診加算 405点
(3) 深夜往診加算 485点

患家における診療時間が1時間を超えた場合は、患家診療時間加算として、30分又はその端数を増すごとに、100点を所定点数に加算する。

在宅で死亡した患者(往診を行った後、24時間以内に在宅以外で死亡した患者を含む。)に対して、その死亡日及び死亡日前14日以内に、区分番号B004に掲げる退院時共同指導料1を算定し、かつ、往診を実施した場合には、当該患者に係る区分等に従い、在宅ターミナルケア加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。この場合において、区分番号C001の注6に規定する在宅ターミナルケア加算及び区分番号C001-2の注5に規定する在宅ターミナルケア加算は算定できない。ただし、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算、在宅療養実績加算1又は在宅療養実績加算2として、それぞれ1,000点、750点又は500点を、がん患者に対して酸素療法を行っていた場合は酸素療法加算として2,000点を更に所定点数に加算する。

イ 有料老人ホームその他これに準ずる施設(以下この区分番号、区分番号C001及び区分番号C001-2において「有料老人ホーム等」という。)に入居する患者以外の患者

(1) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの場合
① 病床を有する場合 6,500点
② 病床を有しない場合 5,500点
(2) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院((1)に規定するものを除く。)の場合 4,500点
(3) (1)及び(2)に掲げるもの以外の場合 3,500点
ロ 有料老人ホーム等に入居する患者
(1) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるものの場合
① 病床を有する場合 6,500点
② 病床を有しない場合 5,500点
(2) 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院((1)に規定するものを除く。)の場合 4,500点
(3) (1)及び(2)に掲げるもの以外の場合 3,500点

往診を行い、在宅で患者を看取った場合(注3に規定する在宅ターミナルケア加算を算定する場合に限る。)には、看取り加算として、3,000点を所定点数に加算する。この場合において、区分番号C001の注7(区分番号C001-2の注6の規定により準用する場合を含む。)に規定する看取り加算は算定できない。

患家において死亡診断を行った場合は、死亡診断加算として、200点を所定点数に加算する。ただし、注4に規定する加算を算定する場合は、算定できない。

保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合又は海路による往診を行った場合で、特殊の事情があったときの往診料は、別に厚生労働大臣が定めるところにより算定する。

往診に要した交通費は、患家の負担とする。

注1のイからハまでについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の保険医が行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、在宅緩和ケア充実診療所・病院加算、在宅療養実績加算1又は在宅療養実績加算2として、100点、75点又は50点を、それぞれ更に所定点数に加算する。

在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院が、当該保険医療機関と連携する他の保険医療機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院以外の保険医療機関に限る。)によって計画的な医学管理の下に主治医として定期的に訪問診療を行っている患者に対して、往診を行った場合、往診時医療情報連携加算として200点を所定点数に加算する。

10 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、介護老人保健施設、介護医療院及び特別養護老人ホーム(以下この注において「介護保険施設等」という。)の協力医療機関であって、当該介護保険施設等に入所している患者の病状の急変等に伴い、往診を行った場合に、介護保険施設等連携往診加算として、200点を所定点数に加算する。

通知

(1) 往診料は、患者又は家族等の患者の看護等に当たる者が、保険医療機関に対し電話等で直接往診を求め、当該保険医療機関の医師が往診の必要性を認めた場合に、可及的速やかに患家に赴き診療を行った場合に算定できるものであり、定期的ないし計画的に患家又は他の保険医療機関に赴いて診療を行った場合には算定できない。

(2) 緊急往診加算は、保険医療機関において、標榜時間内であって、入院中の患者以外の患者に対して診療に従事している時に、患者又は現にその看護に当たっている者から緊急に求められて往診を行った場合に算定する。

(3) 「注1」に規定する「別に厚生労働大臣が定める時間」とは、保険医療機関において専ら診療に従事している時間であって、概ね午前8時から午後1時までの間とする。

(4) 「注1」における緊急に行う往診とは、患者又は現にその看護に当たっている者からの訴えにより、速やかに往診しなければならないと判断した場合をいい、具体的には、往診の結果、急性心筋梗塞、脳血管障害、急性腹症等が予想される場合(15 歳未満の小児(児童福祉法第6条の2第3項に規定する小児慢性特定疾病医療支援の対象である場合は、20歳未満の者)については、これに加えて、低体温、けいれん、意識障害、急性呼吸不全等が予想される場合)をいう。また、医学的に終末期であると考えられる患者(当該保険医療機関又は当該保険医療機関と連携する保険医療機関が訪問診療を提供している患者に限る。)に対して往診した場合にも緊急往診加算を算定できる。

(5) 「注1」における所定点数とは、往診料に「注2」及び「注6」における加算点数を合算した点数をいう。

(6) 夜間(深夜を除く。)とは午後6時から午前8時までとし、深夜の取扱いについては、午後10時から午前6時までとする。ただし、これらの時間帯が標榜時間に含まれる場合、夜間・休日往診加算及び深夜往診加算は算定できない。

(7) 休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日及び3日並びに12月29日、30日及び31日は、休日として取り扱う。

(8) 「注1のイ」、「注3のイの(1)」及び「注3のロの(1)」に規定する「在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるもの」とは、特掲診療料施設基準通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援診療所、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1の(1)及び(2)に規定する在宅療養支援病院である。「注1のイの(1)」、「注3のイの(1)の①」及び「注3のロの(1)の①」に規定する「病床を有する場合」、「注1のイの(2)」、「注3のイの(1)の②」及び「注3のロの(1)の②」に規定する「病床を有しない場合」とは、同通知の第9在宅療養支援診療所の施設基準の2の(1)及び(2)、第14の2在宅療養支援病院の施設基準の2の(1)の規定による。

(9) 「注2」における診療時間とは、実際に診療に当たっている時間をいう。交通機関の都合その他診療の必要以外の事由によって患家に滞在又は宿泊した場合においては、その患家滞在の時間については、診療時間に算入しない。

(10) 同一の患家又は有料老人ホーム等であって、その形態から当該ホーム全体を同一の患家とみなすことが適当であるものにおいて、2人以上の患者を診療した場合は、2人目以降の患者については往診料を算定せず、「A000」初診料又は「A001」再診料若しくは「A002」外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定する。この場合において、2人目以降のそれぞれの患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、往診料の「注2」に規定する加算を算定する。

(11) 往診又は訪問診療を行った後に、患者又はその家族等が単に薬剤を取りに医療機関に来た場合は、再診料又は外来診療料は算定できない。

(12) 「注3」に規定する在宅ターミナルケア加算は、死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に「B004」退院時共同指導料1算定した上で往診を行った患者が、在宅で死亡した場合(往診を行った後、24 時間以内に在宅以外で死亡した場合を含む。)に算定する。この場合、診療内容の要点等を診療録に記載すること。また、ターミナルケアの実施については、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、患者本人及びその家族等と話し合いを行い、患者本人の意思決定を基本に、他の関係者と連携の上対応すること。なお、死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)を算定している場合は、「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「注6」に規定する在宅ターミナルケア加算又は「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)の「注5」に規定する在宅ターミナルケア加算を算定すること。

(13) 「注3のイ」及び「注3のロ」に規定する有料老人ホーム等に入居する患者とは、以下のいずれかに該当する患者をいう。

「C002-2」施設入居時等医学総合管理料の(3)において施設入居時等医学総合管理料の算定患者とされている患者

障害者総合支援法に規定する障害福祉サービスを行う施設及び事業所又は福祉ホームに入居する患者
介護保険法第8条第19項に規定する小規模多機能型居宅介護又は同法第8条第23項に規定する複合型サービスにおける宿泊サービスを利用中の患者

(14) 「注3」に規定する酸素療法加算は、悪性腫瘍と診断されている患者に対し、死亡した月において、在宅酸素療法を行った場合に算定する。在宅酸素療法を指示した医師は、在宅酸素療法のための酸素投与方法(使用機器、ガス流量、吸入時間等)、緊急時連絡方法等を装置に掲示すると同時に、夜間も含めた緊急時の対処法について、患者本人及びその家族等に説明を行うこと。酸素療法加算を算定した月については、「C103」在宅酸素療法指導管理料、「C107」在宅人工呼吸指導管理料、「C157」酸素ボンベ加算、「C158」酸素濃縮装置加算、「C159」液化酸素装置加算、「C164」人工呼吸器加算、「J018」喀痰吸引、「J018-3」干渉低周波去痰器による喀痰排出、「J024」酸素吸入、「J024-2」突発性難聴に対する酸素療法、「J025」酸素テント、「J026」間歇的陽圧吸入法、「J026-2」鼻マスク式補助換気法、「J026-3」体外式陰圧人工呼吸器治療及び「J045」人工呼吸は算定できない。

(15) 「注4」に規定する看取り加算は、事前に当該患者又はその家族等に対して、療養上の不安等を解消するために十分な説明と同意を行った上で、死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に退院時共同指導を行った上で死亡日に往診を行い、当該患者を患家で看取った場合に算定する。この場合、診療内容の要点等を当該患者の診療録に記載すること。

(16) 「注5」に規定する死亡診断加算は、患者が在宅で死亡した場合であって、死亡日に往診を行い、死亡診断を行った場合に算定する。ただし、「注4」に規定する看取り加算には、死亡診断に係る費用が含まれており、「注5」に規定する死亡診断加算は別に算定できない。

(17) 「注6」に規定する保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が 16 キロメートルを超える往診については、当該保険医療機関からの往診を必要とする絶対的な理由がある場合に認められるものであって、この場合の往診料の算定については、16 キロメートル以内の場合と同様、本区分及び「注1」から「注5」まで及び「注8」から「注 10」までにより算定する。この絶対的に必要であるという根拠がなく、特に患家の希望により16キロメートルを超える往診をした場合の往診料は保険診療としては算定が認められないことから、患者負担とする。この場合において、「保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超えた場合」とは、当該保険医療機関を中心とする半径 16キロメートルの圏域の外側に患家が所在する場合をいう。

(18) (17)にかかわらず、往診距離が片道 16 キロメートルを超えて又は海路によりアの適用地域に往診した場合であって、イの各号の一に該当する特殊の事情があったときの往診料は、ウの算定方法によって算定する。

適用地域次の各号の一に該当する地域であって、イに掲げる特殊の事情のいずれかが一般的に存するものについて、地方厚生(支)局長が厚生労働大臣の承認を得て指定した地域とする。なお、指定地域が指定要件を欠くに至ったときは、当局に内議のうえ、速やかに地域の指定を取り消すものとする。ⅰ 医療機関のない島の地域又は通例路程の大部分を海路による以外に往診することが困難な事情にある地域であって医療機関のないもの(以下「1号地域」という。地域の単位は、原則として、島、部落又は小字とする。)。ⅱ 1号地域以外の地域であって、最寄りの医療機関からの往診距離が片道16キロメートルを超えるもの(以下「2号地域」という。地域の単位は、原則として、部落又は小字とする。)。
特殊の事情ⅰ 定期に航行する船舶がないか、又は定期に航行する船舶があっても航行回数がきわめて少ないか、若しくは航行に長時間を要すること。ⅱ 海上の状態や気象条件がきわめて悪いため、又は航路に暗礁が散在するため、若しくは流氷等のため航行に危険が伴うこと。ⅲ 冬期積雪の期間通常の車両の運行が不能のため往診に相当長時間を要する事情にあること、又は道路事情がきわめて悪く、相当の路程を徒歩によらなければならないため、往診に相当長時間を要する事情にあること。
算定方法往診料の項に定める算定方法に準じて算定した点数(720点に「注1」から「注5」まで及び「注8」から「注 10」までによる点数を加算した点数)に、次の点数(1号地域については次のⅰの(イ)及び(ロ)により算出した点数、2号地域については、次のⅱにより算出した点数)を加算する。ⅰ 1号地域に対する往診の場合

(イ) 波浪時(波浪注意報の出ていたとき又は波浪により通常の航海時間の概ね1.5倍以上を要したときとする。)であった海路につき海路距離が片道1キロメートル又はその端数を増すごとに所定点数に「注2」に規定する点数の 100分の 150を加算した点数(往復の場合は100分の200、片道の場合は100分の100とする。)。
(ロ) 適用地域における往診に必要とした滞在時間(島に上陸したときから離島するまでの時間)については30分又はその端数を増すごとに100点を加算する方法で算出した点数の100分の200に相当する点数。ⅱ 2号地域に対する往診の場合往診のため保険医が当該保険医療機関を出発してから帰院するまでの往診時間について、30分又はその端数を増すごとに100点を加算する方法で算出した点数の100分の300に相当する点数。

(19) 保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が 16キロメートル以上の地域に居住する保険医に対して在宅での療養を行う患者の診療を担う保険医が往診による対診を求めることができるのは、患家の所在地から半径16キロメートル以内に患家の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在しない場合や、患家の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在していても当該保険医療機関が往診等を行っていない場合などのやむを得ない絶対的理由のある場合に限られるものである。

(20) 「注7」に規定する交通費は実費とする。

(21) 交通費には自家用車による費用を含む。

(22) 自転車、スクーター等の費用は往診料に含まれているので前項は適用されず、したがって「注7」に規定する患家の負担となる交通費には該当しない。

(23) 往診を求められて患家へ赴いたが、既に他医に受診していたため、診察を行わないで帰った場合の往診料は、療養の給付の対象としない扱いとする。したがって患者負担とする。

(24) 特定の被保険者の求めに応ずるのではなく、保険診療を行う目的をもって定期又は不定期に事業所へ赴き、被保険者(患者)を診療する場合は、往診料として取り扱うことは認められない。

(25) 複数事業所の衛生管理医をしている保険医が、衛生管理医として毎日又は定期的に事業所に赴いた(巡回)際、当該事業所において常態として診療を行う場合は、(24)と同様である。

(26) 同一保険医が2か所の保険医療機関を開設している場合の往診料は、往診の依頼を受けた医療機関を起点とするのではなく、当該保険医が患家に赴くために出発した保険医療機関から患家までの距離により算定する。

(27) 定期的又は計画的に行われる対診の場合は往診料を算定できない。

(28) 「注9」に規定する往診時医療情報連携加算は、他の保険医療機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院以外の保険医療機関に限る。)と月 1 回程度の定期的なカンファレンス又はICTの活用により当該他の保険医療機関が定期的に訪問診療を行っている患者の診療情報及び当該患者の病状の急変時の対応方針等の情報(以下「診療情報等」という。)の共有を行っている保険医療機関(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)が、当該患者(当該他の保険医療機関が往診を行うことが困難な時間帯等に対応を行う予定の在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の医療機関名、電話番号及び担当医師の氏名等を提供されている患者に限る。)に対して、当該他の保険医療機関が往診を行うことが困難な時間帯に、共有された診療情報等を参考にして、往診を行った場合において算定できる。この場合、当該他の保険医療機関名、参考にした診療情報等及び診療の要点を診療録に記録すること。

(29) 往診時医療情報連携加算を算定するに当たって、ICTを用いて連携機関と患者の個人情報を取り扱う場合には、厚生労働省の定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。

(30) 「注 10」に規定する介護保険施設等連携往診加算は、介護老人保健施設、介護医療院及び特別養護老人ホーム(当該保険医療機関と特別の関係にあるものを除く。以下この項において「介護保険施設等」という。)において療養を行っている患者の病状の急変等に伴い、当該介護保険施設等の従事者等の求めに応じて事前に共有されている当該患者に関する診療情報及び病状の急変時の対応方針等を踏まえて往診を行った際に、提供する医療の内容について患者又は当該介護保険施設等の従事者に十分に説明した場合に限り算定できる。この場合、介護保険施設等の名称、活用した当該患者の診療情報、急変時の対応方針及び診療の要点を診療録に記録すること。なお、この項において「特別の関係」とは、当該保険医療機関と介護保険施設等の関係が以下のいずれかに該当する場合は特別の関係にあると認められる。

当該保険医療機関の開設者が、当該介護保険施設等の開設者と同一の場合

当該保険医療機関の代表者が、当該介護保険施設等の代表者と同一の場合
当該保険医療機関の代表者が、当該介護保険施設等の代表者の親族等の場合
当該保険医療機関の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該介護保険施設等の役員等の親族等の占める割合が10分の3を超える場合
アからエまでに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関が、当該介護保険施設等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る。)

厚生局の指導例とカルテ記載

次は往診料算定について厚生局の個別指導で指摘された主な事例についていくつかあげたいと思いますので、以下のことに気をつけて日々の診療録記載をしていただければと思います。

  • 患家の求めに応じて患家に赴いたことが不明。(診療録に患家の求めの内容や患家からの連絡の態様、患家の求めのあった時刻等が記載されていない)
  • 計画的に患家に赴き診療を行った場合に算定している。
  • 頻繁に往診の依頼がある患者について、訪問診療の必要性を判断のうえ、適切に療養計画を策定されていない。
  • 特別養護老人ホームの入所者に対し特別の必要があって行う診療でないにもかかわらず、算定している。

診療録には「本人もしくは家族からの連絡手段と時刻」「診療が必要と判断した根拠」「診療の開始時間と終了時間」「診療場所」の記載をしましょう。

往診料に規定する患者

以下のいずれかに該当する者であって、当該患者又はその家族等患者の看護等に当たる者が、往診を行う医療機関(以下この項において「往診医療機関」という。)に対し電話等で直接往診を求め、当該往診医療機関の医師が往診の必要性を認めたもの。

往診医療機関において、過去 60 日間に在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)又は在宅がん医療総合診療料を算定しているもの(「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和6年3月5日保医発0305第4号)の別添1「医科診療報酬点数表に関する事項」第2章第2部第1節「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(5)において、「A000」初診料又は「A001」再診料若しくは「A002」外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定した場合を含む。以下この区分において同じ。)。

往診医療機関と連携する保険医療機関(以下この項において「連携医療機関」という。)において、過去60日間に在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)又は在宅がん医療総合診療料を算定しているもの。ただし、この場合において、連携医療機関は以下のいずれも満たしていること。

(1) 計画的な医学管理の下、主治医として定期的に訪問診療を実施している保険医の所属する保険医療機関であって、往診医療機関と連携体制を構築していること。

(2) 当該保険医療機関において、連携する往診医療機関が往診を行う場合に、当該患者の疾患名、患者の状態、治療方針及び急変時の対応方針等(以下この項において「診療情報等」という。)を、あらかじめ患者の同意を得た上で往診医療機関がICT等を用いて確認できるように、適切な情報提供を行う体制を有していること。
(3) 連携医療機関が患者に対し、当該保険医療機関において往診を行うことが困難な時間帯等に対応を行う他の保険医療機関の名称、電話番号及び担当者の氏名等を文書により提供していること。

過去180日間に往診医療機関の外来を受診し、再診料、外来診療料、小児科外来診療料(再診時に限る。)、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、小児かかりつけ診療料(再診時に限る。)又は外来腫瘍化学療法診療料(再診時に限る。)を3回以上算定しているもの

介護老人保健施設、介護医療院及び特別養護老人ホーム(以下この項において「介護保険施
設等」という。)に入所している患者であって、当該患者又は当該介護保険施設の従事者等が、介護保険施設等の協力医療機関として定められている当該往診医療機関に対し電話等で直接往診を求め、当該往診医療機関の医師が往診の必要性を認めたもの。ただし、この場合において介護保険施設等は以下のいずれかに該当する患者であること。

(1) 次のア及びイに該当していること。

介護保険施設等において、当該往診医療機関が往診を行う場合に、往診を行う患者の診療情報等を、あらかじめ患者の同意を得た上で、当該介護保険施設から往診医療機関に適切に提供されており、必要に応じて往診医療機関がICTを活用して患者の診療情報等を常に確認可能な体制を有していること。
往診を受ける患者が入所している介護保険施設等と当該往診医療機関において、当該入所者の診療情報等の共有を図るため、年3回以上の頻度でカンファレンスを実施していること。なお、当該カンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

(2) 当該患者が入所している介護保険施設等と当該往診医療機関において、当該入所者の診療情報等の共有を図るため、月1回以上の頻度でカンファレンスを実施していること。なお、当該カンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の施設基準

1の(1)又は(2)に規定する在宅療養支援診療所であって、過去1年間の緊急の往診の実績を15件以上有し、かつ、過去1年間の在宅における看取りの実績を20件以上有していること。

末期の悪性腫瘍等の患者であって、鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しないものに対し、患者が自ら注射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法を実施した実績を、過去1年間に2件以上有していること、又は過去に5件以上実施した経験のある常勤の医師が配置されており、適切な方法によってオピオイド系鎮痛薬を投与(投与経路は問わないが、定期的な投与と頓用により患者が自ら疼痛を管理できるものに限る。)した実績を過去1年間に10件以上有していること。
第4の2がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準に定める「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること。
緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が10件以上の保険医療機関において、
3か月以上の勤務歴がある常勤の医師(在宅医療を担当する医師に限る。)がいること。
院内の見やすい場所等に、過去1年間の看取り実績及び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供が行われていること。

在宅療養実績加算1の施設基準

在宅療養支援診療所の施設基準の(3)に規定する在宅療養支援診療所であって、過去1年間の緊急の往診の実績を10件以上有し、かつ、過去1年間の在宅における看取りの実績を4件以上有していること。

在宅療養実績加算2の施設基準

1の(3)に規定する在宅療養支援診療所であって、過去1年間の緊急の往診の実績を4件以上有し、かつ、過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上有していること。

第4の2がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準に定める「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること。

介護保険施設等連携往診加算の施設基準

(1) 当該保険医療機関単独で以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び往診体制等を確保していること。

介護老人保健施設、介護医療院及び特別養護老人ホーム(以下この項において「介護保険施設等」という。)から協力医療機関として定められている保険医療機関であること。なお、当該保険医療機関は、当該介護保険施設等との間で以下の取り決めを行っていること。
(イ) 当該介護保険施設等の入所者の病状が急変した場合等において、当該保険医療機関の医師又は看護職員が相談対応を行う体制を常時確保していること。
(ロ) 当該介護保険施設等の求めがあった場合において、当該保険医療機関が診療を行う体制を常時確保していること。
当該保険医療機関において、24時間連絡を受ける担当者をあらかじめ指定するとともに、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意事項等について、事前に介護保険施設等の管理者等に対して説明の上、提供していること。この場合において連絡を受ける担当者とは当該医療機関の24時間連絡を受けることができる部門を指定することで差し支えない。なお、担当者として個人を指定している場合であって、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を提供した文書等に明示すること。
当該保険医療機関において、当該介護保険施設等の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により当該介護保険施設等に提供していること。

(2) 次のいずれかの要件を満たすもの。

次の(イ)及び(ロ)に該当していること。

(イ) 往診を行う患者の診療情報及び急変時の対応方針等をあらかじめ患者の同意を得た上で介護保険施設等の協力医療機関として定められている保険医療機関に適切に提供され、必要に応じて往診を行う医師が所属する保険医療機関がICTを活用して当該診療情報及び急変時の対応方針等を常に確認可能な体制を有していること。
(ロ) 往診を行う患者が入所している介護保険施設等と当該介護保険施設等の協力医療機関として定められている医療機関において、当該入所者の診療情報及び急変時の対応方針等の共有を図るため、年3回以上の頻度でカンファレンスを実施していること。
なお、当該カンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。
往診を行う患者が入所している介護保険施設等と当該介護保険施設等の協力医療機関として定められている医療機関において、当該入所者の診療情報及び急変時の対応方針等の共有を図るため、月1回以上の頻度でカンファレンスを実施していること。なお、当該カンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

(3) 介護保険施設等に協力医療機関として定められており、当該介護保険施設等において療養を行っている患者の病状の急変等に対応すること及び協力医療機関として定められている介護保険施設等の名称について、当該保険医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。なお、当該カンファレンスは、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない。

(4) (3)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。

特掲診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

届出時の留意事項

  • 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
  • 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
  • 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
  • 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。

 

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