薬剤総合評価調整管理料とは、6種類以上の内服薬が処方されている患者さんに対し、処方の内容を総合的に評価及び調整し、内服薬が2種類以上減少した場合に算定する医学管理料です。
B008-2 薬剤総合評価調整管理料 250点
薬剤総合評価調整管理料の算定要件
注1 入院中の患者以外の患者であって、6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、当該処方の内容を総合的に評価及び調整し、当該患者に処方する内服薬が2種類以上減少した場合に、月1回に限り所定点数を算定する。
注2 処方の内容の調整に当たって、別の保険医療機関又は保険薬局に対して、照会又は情報提供を行った場合、連携管理加算として、50点を所定点数に加算する。ただし、連携管理加算を算定した場合において、診療情報提供料(Ⅰ)(当該別の保険医療機関に対して患者の紹介を行った場合に限る。)は同一日には算定できない。
注3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、薬剤総合評価調整管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、218点を算定する。
薬剤総合評価調整管理料の留意事項
(1) 薬剤総合評価調整管理料は、内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されている入院中の患者以外の患者に対して、複数の薬剤の投与により期待される効果と副作用の可能性等について、当該患者の病状及び生活状況等に伴う服薬アドヒアランスの変動等について十分に考慮した上で、総合的に評価を行い、処方内容を検討した結果、処方される内服薬が減少した場合について評価したものである。
(2) 薬剤総合評価調整管理料は、当該保険医療機関で処方された内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合に算定する。ただし、他の保険医療機関から投薬を受けていた患者については、当該保険医療機関及び当該他の保険医療機関で処方された内服薬を合計した種類数から2種類以上減少した場合については、薬剤総合評価調整加算と合わせて、1か所の保険医療機関に限り算定できることとする。この場合には当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。また、保険薬局からの提案を踏まえて、処方内容の評価を行い、処方内容を調整した場合には、その結果について当該保険薬局に情報提供を行う。
(3) 連携管理加算は、処方内容の総合調整に当たって、薬効の類似した処方又は相互作用を有する処方等について、患者が受診する他の保険医療機関又は保険薬局に照会を行った場合及び当該他の保険医療機関等からの情報提供を受けて、処方内容の調整又は評価を行い、その結果について当該他の保険医療機関等に情報提供を行った場合に算定する。
(4) 受診時において当該患者が処方されている内服薬のうち、屯服薬については内服薬の種類数から除外する。また、服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬の種類数から除外する。
(5) 当該管理料の算定における内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
(6) 医師が内服薬を総合的に評価及び調整するに際しては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
(7) 医師が内服薬を調整するに当たっては、評価した内容や調整の要点を診療録に記載する。
(8) 当該保険医療機関で「A250」の「注2」に掲げる薬剤調整加算又は薬剤総合評価調整管理料を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後の内服薬の種類数から更に2種類以上減少しているときに限り新たに算定することができる。
(9) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。
診療録の記載について
医師が内服薬を調整するに当たっては、評価した内容や調整の要点を診療録に記載します。
カルテ記載例
#1 高血圧症
現在内服にて血圧コントロール良好
継続処方とする
#2 高コレステロール血症
副作用なく脂質コントロール良好
食事療法、運動療法の指導を行い、継続処方とした
#3 胃潰瘍
内服にて症状改善傾向である
#4 気管支喘息
内服にて発作なく安定している
#5 アレルギー性鼻炎
前医より処方が継続されているが、シングレア内服もありアレジオンは中止とする
現在ノルバスク、ディオバン、クレストール、ガスター、ムコスタ、シングレア、ムコダイン、アレジオンが処方されおり、いずれも内服開始より4週間以上経過している。現在の症状及び期待されている効果と副作用等からガスター、アレジオンの服用を中止とし、8種類から6種類に減量した。
他院から投薬を受けている場合
薬剤総合評価調整管理料は、当該保険医療機関で処方された内服薬の種類数が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合に算定を行いますが、他の保険医療機関から投薬を受けていた患者さんについては、当該保険医療機関及び当該他の保険医療機関で処方された内服薬を合計した種類数から2種類以上減少した場合については、薬剤総合評価調整加算と合わせて、1か所の保険医療機関に限り算定ができます。
この場合には当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載する必要があります。
レセプトコード 830100079
他の保険医療機関名(薬剤総合評価調整管理料);******
レセプトコード 842100031
当該保険医療機関における調剤前の内服薬の種類数(薬剤総合評価調整管理料);******
レセプトコード 842100032
他の保険医療機関における調剤前の内服薬の種類数(薬剤総合評価調整管理料);******
レセプトコード 842100033
当該保険医療機関における調剤後の内服薬の種類数(薬剤総合評価調整管理料);******
レセプトコード 842100034
他の保険医療機関における調剤後の内服薬の種類数(薬剤総合評価調整管理料);******
また、保険薬局からの提案を踏まえて、処方内容の評価を行い、処方内容を調整した場合には、その結果について当該保険薬局に情報提供を行う必要があります。