B005-4 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)

ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)とは、ハイリスク妊娠や分娩に関する医学管理が必要な患者さんを診療した医師が、入院している病院に赴き、当院の医師と共同で医学管理を行う場合に算定する医学管理料です。

B005-4 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)800点

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ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の算定要件

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、診療に基づき紹介した患者(別に厚生労働大臣が定める状態等であるものに限る。)が病院である別の保険医療機関(ハイリスク妊娠管理加算の注又はハイリスク分娩管理加算の注1に規定する施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に限る。)に入院中である場合において、当該病院に赴いて、当該病院の保険医と共同してハイリスク妊娠又はハイリスク分娩に関する医学管理を共同して行った場合に、当該患者を紹介した保険医療機関において患者1人につき1回算定する。

ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)に規定する状態等である患者

1 妊婦であって次に掲げる状態にあるもの

  • 分娩時の妊娠週数が22週から32週未満の早産である患者
  • 妊娠高血圧症候群重症の患者
  • 前置胎盤(妊娠28週以降で出血等の病状を伴うものに限る)の患者
  • 妊娠三30週未満の切迫早産(子宮収縮、子宮出血、頚管の開大、短縮又は軟化のいずれかの兆候を示すもの等に限る)の患者
  • 多胎妊娠の患者
  • 子宮内胎児発育遅延の患者
  • 心疾患(治療中のものに限る)の患者
  • 糖尿病(治療中のものに限る)の患者
  • 甲状腺疾患(治療中のものに限る)の患者
  • 腎疾患(治療中のものに限る)の患者
  • 膠原病(治療中のものに限る)の患者
  • 特発性血小板減少性紫斑病(治療中のものに限る)の患者
  • 白血病(治療中のものに限る)の患者
  • 血友病(治療中のものに限る)の患者
  • 出血傾向のある状態(治療中のものに限る)の患者
  • HIV陽性の患者
  • Rh不適合の患者
  • 当該妊娠中に帝王切開術以外の開腹手術を行った患者又は行うことを予定している患者
  • 精神疾患の患者(精神療法が実施されているものに限る)

2 妊産婦であって次に掲げる状態にあるもの

  • 妊娠22週から32週未満の早産の患者
  • 40歳以上の初産婦の患者
  • 分娩前のBMIが35以上の初産婦の患者
  • 妊娠高血圧症候群重症の患者
  • 常位胎盤早期剥離の患者
  • 前置胎盤(妊娠28週以降で出血等の病状を伴うものに限る。)の患者
  • 双胎間輸血症候群の患者
  • 多胎妊娠の患者
  • 子宮内胎児発育遅延の患者
  • 心疾患(治療中のものに限る)の患者
  • 糖尿病(治療中のものに限る)の患者
  • 特発性血小板減少性紫斑病(治療中のものに限る)の患者
  • 白血病(治療中のものに限る)の患者
  • 血友病(治療中のものに限る)の患者
  • 出血傾向のある状態(治療中のものに限る)の患者
  • HIV陽性の患者
  • 当該妊娠中に帝王切開術以外の開腹手術を行った患者又は行うことを予定している患者
  • 精神疾患の患者(精神療法が実施されているものに限る)

ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の留意事項

(1) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、診療に基づき患者を紹介した医師(以下この項において「紹介元医師」という。)が、当該患者が入院中である紹介先の病院に赴き、紹介先の病院の医師と共同で、医学管理等を行った場合に患者1人につき1回に限り、算定できるものであり、その算定は紹介元医師が属する保険医療機関において行う。

(2) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合は、再診料外来診療料往診料及び在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」等は算定できない。

(3) 紹介元医師による紹介に基づき紹介先の病院に入院している患者に対して、当該紹介元医師が病院に赴き診療、指導等を行った場合において、その患者について、診療情報提供料(Ⅰ)が既に算定されている場合であっても、その算定された日を除き、ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定できる。

(4) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定する場合、紹介元医師の診療録には、紹介先の病院において患者の医学管理等を行った事実を記載し、紹介先の病院の診療録には紹介元医師による医学管理等が行われた旨を記載する。

(5) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅱ)は、紹介元医師の属する保険医療機関がハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)を算定した場合に、紹介先の病院において算定する。

(6) 自院にて診療していた妊産婦の状態に異常が認められたために、他院へ搬送する場合において、医師が搬送先医療機関まで付き添い、搬送先の病院の医師と共同で医学管理等を行った場合においても算定できる。

(7) ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)は、救急搬送診療料と併せて算定することができる。

令和6年 ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の施設基準

(1) ハイリスク妊産婦共同管理を共同で行う保険医療機関の名称、住所及び電話番号を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示していること。

(2) (1)の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。自ら管理するホームページ等を有しない場合については、この限りではないこと。

都道府県により周産期医療ネットワークが設置されており、それを介して患者を紹介し共同管理を行う場合については、そのネットワークの運営会議等において、当該保険医療機関若しくは当該保険医療機関の所属する団体(各地域の産婦人科医会等)の代表と他の保険医療機関との間でハイリスク妊産婦の医療に関する情報交換を行っていれば、届出時に、周産期ネットワークの概要、運営会議への参加医療機関及び運営会議への参加団体に所属する保険医療機関の分かる書類を添付すれば、様式に個別の医療機関を記載することを要しない。
その場合には、上記の規定にかかわらず、当該保険医療機関が所在する地域の周産期医療ネットワーク名を院内に掲示すること。

ハイリスク妊産婦共同管理料の算定対象となる患者について

(1) 治療中のものとは、対象疾患について専門的治療が行われているものを指し、単なる経過観察のために年に数回程度通院しているのみの患者は算定できない。

(2) 妊娠30週未満の切迫早産の患者とは、子宮収縮、子宮出血、頸管の開大、短縮又は軟化のいずれかの切迫早産の兆候を示しかつ以下のいずれかを満たすものに限る。

 前期破水を合併したもの
 羊水過多症又は羊水過少症を合併したもの
 経腟超音波検査で子宮頸管長が20mm未満のもの
 切迫早産の診断で他の医療機関より搬送されたもの
 早産指数(tocolysis index)が3点以上のもの

(4) 妊産婦とは産褥婦を含み、妊婦とは産褥婦を含まない。

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