B001-27 糖尿病透析予防指導管理料

糖尿病透析予防指導管理料

糖尿病透析予防指導管理料とは、糖尿病患者さんのうち、糖尿病性腎症の透析移行を予防するため、医師と看護師又は保健師、管理栄養士等が連携して行う医学管理を評価するための診療報酬です。

B001_27  糖尿病透析予防指導管理料 350点

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糖尿病透析予防指導管理料の算定要件

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)であって、医師が透析予防に関する指導の必要性があると認めた入院中の患者以外の患者に対して、当該保険医療機関の医師、看護師又は保健師及び管理栄養士等が共同して必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

透析が必要になる理由はいくつかありますが、最も多いのは、腎臓が血液から老廃物を十分にろ過できなくなることです。 腎臓の機能は急速に低下することもあれば、老廃物をろ過する能力が徐々に失われることもあります。

注2 外来栄養食事指導料及び集団栄養食事指導料は、所定点数に含まれるものとする。

注3 医療提供体制の確保の状況に鑑み別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものについては、注1に規定する届出の有無にかかわらず、所定点数に代えて、糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)として、175点を算定する。

注4 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、高度腎機能障害の患者に対して医師が必要な指導を行った場合には、高度腎機能障害患者指導加算として、100点を所定点数に加算する。

注5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病透析予防指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、305点(注3に規定する糖尿病透析予防指導管理料(特定地域)を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合にあっては、152点)を算定する。

糖尿病透析予防指導管理料の留意事項

(1) 糖尿病透析予防指導管理料は、入院中の患者以外の糖尿病患者(通院する患者のことをいい、在宅での療養を行う患者を除く。)のうち、ヘモグロビン A1c(HbA1c)がJDS値で6.1%以上(NGSP値で6.5%以上)又は内服薬やインスリン製剤を使用している者であって、糖尿病性腎症第2期以上の患者(現に透析療法を行っている者を除く。)に対し、医師が糖尿病透析予防に関する指導の必要性があると認めた場合に、月1回に限り算定する。

(2) 当該指導管理料は、専任の医師、当該医師の指示を受けた専任の看護師(又は保健師)及び管理栄養士(透析予防診療チーム)が、(1)の患者に対し、日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」等に基づき、患者の病期分類、食塩制限及び蛋白制限等の食事指導、運動指導、その他生活習慣に関する指導等を必要に応じて個別に実施した場合に算定する。

(3) 当該指導管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、透析予防診療チームは、糖尿病性腎症のリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づいて、指導計画を作成すること。

(4) 当該管理を実施する透析予防診療チームは、糖尿病性腎症のリスク要因に関する評価結果、指導計画及び実施した指導内容を診療録、療養指導記録又は栄養指導記録に添付又は記載すること。

(5) 「注3」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)において、算定可能である。

(6) 同一月又は同一日においても、「注2」に規定するものを除き、第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

(7) 当該管理料を算定する場合は、特掲診療料施設基準通知の別添2の様式5の7に基づき、1年間に当該指導管理料を算定した患者の人数、状態の変化等について報告を行うこと。

(8) 「注4に規定する高度腎機能障害患者指導加算は、eGFR (mL/分/1.73㎡)が 45未満の患者に対し、専任の医師が、当該患者が腎機能を維持する観点から必要と考えられる運動について、その種類、頻度、強度、時間、留意すべき点等について指導し、また既に運動を開始している患者についてはその状況を確認し、必要に応じて更なる指導を行った場合に算定する。なお、指導については日本腎臓リハビリテーション学会から「保存期CKD患者に対する腎臓リハビリテーションの手引き」が示されているので、指導が適切になされるよう留意されたい。

(9) 本管理料を算定する患者について、保険者から保健指導を行う目的で情報提供等の協力の求めがある場合には、患者の同意を得て、必要な協力を行うこと。

(10) 「注5」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。

(11) 「注5」に規定する点数を算定する場合には、以下の要件を満たすこと。

透析予防診療チームが、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行う月において、(1)の患者に対し、ビデオ通話が可能な情報通信機器を活用して、日本糖尿病学会の「糖尿病治療ガイド」等に基づき、患者の病期分類、食塩制限、蛋白制限等の食事指導、運動指導、その他生活習慣に関する指導等を必要に応じて個別に実施する。なお、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行う月にあっては、医師又は医師の指示を受けた看護師若しくは管理栄養士による指導等について、各職種が当該月の別日に指導等を実施した場合においても算定できる。

当該指導等の実施に当たっては、透析予防診療チームは、事前に、対面による指導と情報通信機器を用いた診療による指導を組み合わせた指導計画を作成し、当該計画に基づいて指導を実施する。
透析予防診療チームは、情報通信機器を用いた診療により実施した指導内容、指導実施時間等を診療録、療養指導記録又は栄養指導記録に記載する。

令和6年 糖尿病透析予防指導管理料に関する施設基準

(1) 当該保険医療機関内に、以下から構成される透析予防診療チームが設置されていること。

糖尿病指導の経験を有する専任の医師

糖尿病指導の経験を有する専任の看護師又は保健師ウ 糖尿病指導の経験を有する専任の管理栄養士

(2) (1)のアに掲げる医師は、糖尿病及び糖尿病性腎症の予防指導に従事した経験を5年以上有する者であること。

(3) (1)のイに掲げる看護師は、次のいずれかに該当する者であること。

糖尿病及び糖尿病性腎症の予防指導に従事した経験を2年以上有し、かつ、この間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導を行った者であって、適切な研修を修了した者
なお、ここでいう適切な研修とは、次の要件を満たすものをいうこと。

(イ) 国又は医療関係団体等が主催する研修であること。
(ロ) 糖尿病患者への生活習慣改善の意義・基礎知識、評価方法、セルフケア支援及び事例分析・評価等の内容が含まれるものであること。
(ハ) 糖尿病患者の療養指導について十分な知識及び経験のある医師、看護師等が行う演習が含まれるものであること。
(ニ) 通算して10時間以上のものであること。

糖尿病及び糖尿病性腎症の予防指導に従事した経験を5年以上有する者

(4) (1)のイに掲げる保健師は、糖尿病及び糖尿病性腎症の予防指導に従事した経験を2年以上有する者であること。

(5) (1)のウに掲げる管理栄養士は、糖尿病及び糖尿病性腎症の栄養指導に従事した経験を
5年以上有する者であること。

(6) (2)から(4)までに規定する医師、看護師又は保健師のうち、少なくとも1名以上は常勤であること。

(7) (2)から(5)までに規定する医師、看護師又は保健師及び管理栄養士のほか、薬剤師、理学療法士が配置されていることが望ましいこと。

(8) 注3に規定する点数を算定する場合は、以下から構成される透析予防診療チームにより、透析予防に係る専門的な診療が行われていること。

糖尿病指導の経験を有する医師((2)を満たすこと。)

糖尿病指導の経験を有する看護師又は保健師(看護師にあっては、(3)のアを満たすこと。保健師にあっては、(4)を満たすこと。)
糖尿病指導の経験を有する管理栄養士((5)を満たすこと。)

(9) 注4に規定する高度腎機能障害患者指導加算を算定する場合は、次に掲げるイのアに対する割合が5割を超えていること。

4月前までの3か月間に糖尿病透析予防指導管理料を算定した患者で、同期間内に算出したeGFRCr又はeGFRCys(ml/分/1.73㎡)が30未満であったもの(死亡したもの、透析を導入したもの及び腎臓移植を受けたものを除き6人以上が該当する場合に限る。)

アの算定時点(複数ある場合は最も早いもの。以下同じ。)から3月以上経過した時点で以下のいずれかに該当している患者

(イ) 血清クレアチニン又はシスタチンCがアの算定時点から不変又は低下していること
(ロ) 尿たんぱく排泄量がアの算定時点から20%以上低下していること
(ハ) アでeGFRCr又はeGFRCysを算出した時点から前後3月時点のeGFRCr又はeGFRCysを比較し、その1月当たりの低下が30%以上軽減していること

(10) 糖尿病教室を定期的に実施すること等により、糖尿病について患者及びその家族に対して説明が行われていること。

(11) 糖尿病透析予防指導管理料を算定した患者の状態の変化等について、別添2の様式5の
7を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。

施設基準(特掲診療料)の届出はこちらから可能です。
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