B001-20 糖尿病合併症管理料

糖尿病合併症管理料

糖尿病合併症管理料とは、糖尿病足病変ハイリスク要因を有し、医師が糖尿病足病変に関する指導の必要性があると認めた患者さんに対し、医師又は医師の指示に基づき看護師が当該指導を行った場合に算定できる医学管理料です。

B001_20 糖尿病合併症管理料 170点

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糖尿病合併症管理料の算定要件

注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、糖尿病足病変ハイリスク要因を有し、医師が糖尿病足病変に関する指導の必要性があると認めた入院中の患者以外の患者に対して、医師又は医師の指示に基づき看護師が当該指導を行った場合に、月1回に限り算定する。

注2 1回の指導時間は30分以上でなければならないものとする。

糖尿病合併症管理料の留意事項

(1) 糖尿病合併症管理料は、次に掲げるいずれかの糖尿病足病変ハイリスク要因を有する入院中の患者以外の患者(通院する患者のことをいい、在宅での療養を行うものを除く。)に対し、医師が糖尿病足病変に関する指導の必要性があると認めた場合に、月1回に限り算定する。

足潰瘍、足趾・下肢切断既往

閉塞性動脈硬化症
糖尿病神経障害

足潰瘍とは

糖尿病の方で足潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)という病気にかかる人が増えています。 糖尿病足病変の増加の背景には、足の神経障害や動脈硬化により血液の流れが悪くなる血流障害というような合併症を持った人が増加していることなどがあげられます。
閉塞性動脈硬化症とは
糖尿病の人が血糖コントロールが悪い状態が続くと、血管の老化が健康な人より早く進み、閉塞性動脈硬化症が起こりやすくなります。閉塞性動脈硬化症を起こすと、血管が動脈硬化によって狭くなったり、つまってしまうことで血流が悪くなり、種々の症状が起こってきます。
糖尿病神経障害とは
高血糖により、手足の神経に異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。初期症状として主にあげられるのは、足の指や足裏に「ぴりぴり」とした痛みやしびれるような痛みを自覚し、進行すると手指にも痛みやしびれるような痛みがあらわれるようになります。

(2) 当該管理料は、専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の看護師が、(1)の患者に対し、爪甲切除(陥入爪、肥厚爪又は爪白癬等に対して麻酔を要しないで行うもの)、角質除去、足浴等を必要に応じて実施するとともに、足の状態の観察方法、足の清潔・爪切り等の足のセルフケア方法、正しい靴の選択方法についての指導を行った場合に算定する。

糖尿病と足は、意外なほど強い関係があります。血糖値が高い状態が続くと、神経障害のほかに動脈硬化などによる血流障害が起こりやすくなったり、細菌や真菌などの感染に対する抵抗力が低下します。神経障害があると痛みに鈍感になるため、怪我に気がつかず悪化させてしまう事があります。高血糖が続けば抵抗力を弱くなるので、傷口が化膿しやすくなったり、傷の治りも遅くなります。そのため、糖尿病の人は特に足の手入れに配慮が必要とされています。

(3) 当該管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、専任の常勤医師又は当該医師の指示を受けた専任の看護師が、糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価を行い、その結果に基づいて、指導計画を作成すること。

(4) 当該管理を実施する医師又は看護師は、糖尿病足病変ハイリスク要因に関する評価結果、指導計画及び実施した指導内容を診療録又は療養指導記録に記載すること。

指導例

  • 足は毎日観察し、皮膚が固くなっていたり色が変わっていないかを確認しましょう
  • 足に感染症や潰瘍を見つけた場合はすぐに受診して下さい
  • 乾燥を防ぐ為、保湿ローション等で保湿して下さい
  • 爪の伸びすぎがないか確認しましょう
  • 足は毎日洗って清潔を保ちましょう
  • 足先にしびれがある場合は早めに受診して下さい

(5) 同一月又は同一日においても第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。

(6) (2)及び(3)の常勤医師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(糖尿病治療及び糖尿病足病変の診療に従事した経験を5年以上有する医師に限る。)を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯に当該医師が配置されている場合には、当該2名以上の非常勤医師が連携して当該管理料に係る指導を実施した場合に限り、常勤医師の配置基準を満たしているものとして算定できる。

令和6年 糖尿病合併症管理料に関する施設基準

(1) 当該保険医療機関内に糖尿病治療及び糖尿病足病変の診療に従事した経験を5年以上有する専任の常勤医師が1名以上配置されていること。
なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(糖尿病治療及び糖尿病足病変の診療に従事した経験を5年以上有する医師に限る。)を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる。

(2) 当該保険医療機関内に糖尿病足病変患者の看護に従事した経験を5年以上有する専任の看護師であって、糖尿病足病変の指導に係る適切な研修を修了した者が1名以上配置されていること。
なお、ここでいう適切な研修とは、次のものをいうこと。

国又は医療関係団体等(糖尿病重症化予防(フットケア)研修を行っている日本糖尿病教育・看護学会等)が主催する研修であること。

糖尿病患者へのフットケアの意義・基礎知識、糖尿病足病変に対する評価方法、フッ
トケア技術、セルフケア支援及び事例分析・評価等の内容が含まれるものであること。
糖尿病足病変に関する患者指導について十分な知識及び経験のある看護師等が行う演習が含まれるものであること。
通算して16時間以上のものであること。

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