2024年|小児緩和ケア診療加算の算定要件と施設基準

A226-4 小児緩和ケア診療加算(1日につき) 700点

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別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、緩和ケアを要する15歳未満の小児に対して、必要な診療を行った場合に、当該患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は第3節の特定入院料のうち、小児緩和ケア診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。以下この区分番号において同じ。)について、所定点数に加算する。この場合において、区分番号A226-2に掲げる緩和ケア診療加算は別に算定できない。

別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、緩和ケアを要する15歳未満の小児に対して、緩和ケアに係る必要な栄養食事管理を行った場合には、小児個別栄養食事管理加算として、70点を更に所定点数に加算する。

通知

(1) 小児緩和ケア診療加算は、一般病床に入院する悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の15歳未満の小児患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者又は家族等の同意に基づき、症状緩和に係るチーム(以下「小児緩和ケアチーム」という。)による診療が行われた場合に算定する。

(2) 末期心不全の患者とは、以下のアとイの基準及びウからオまでのいずれかの基準に該当するものをいう。

心不全に対して適切な治療が実施されていること。

器質的な心機能障害により、適切な治療にかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回又は持続的に点滴薬物療法を必要とする状態であること。
左室駆出率が20%以下であること。
医学的に終末期であると判断される状態であること。
ウ又はエに掲げる状態に準ずる場合であること。

(3) 小児緩和ケアチームは、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要であり、小児緩和ケアチームの医師のうち、身体症状及び精神症状の緩和を担当する医師は緩和ケアに関する研修を修了した上で診療に当たること。ただし、後天性免疫不全症候群の患者を診療する際には当該研修を修了していなくても当該加算は算定できる。

(4) 小児緩和ケアチームは初回の診療に当たり、当該患者の診療を担う保険医、看護師及び薬剤師などと共同の上別紙様式3又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、その内容を患者又はその家族等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付すること。

(5) 小児緩和ケアチームは、必要に応じて家族等に対してもケアを行うこと。

(6) 当該加算を算定する患者については入院精神療法の算定は週に1回までとする。

(7) 1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。

(8) 症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、小児緩和ケアチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担当する保険医、看護師などが参加していること。

(9) 「注2」に規定する点数は、小児緩和ケア診療加算を算定している患者について、小児緩和ケアチームに管理栄養士が参加し、個別の患者の症状や希望に応じた栄養食事管理を行った場合に算定する。

(10) 「注2」に規定する点数を算定する場合は、緩和ケア診療実施計画に基づき実施した栄養食事管理の内容を診療録等に記載又は当該内容を記録したものを診療録等に添付すること。

加算が算定できる入院料について

以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。

小児入院医療管理料の算定については、1及び2を算定するものに限ります。

令和6年 小児緩和ケア診療加算の施設基準

(1) 当該保険医療機関内に、以下から構成される小児緩和ケアに係るチーム(以下「小児緩和ケアチーム」という。)が設置されていること。

身体症状の緩和を担当する専任の常勤医師

精神症状の緩和を担当する専任の常勤医師

緩和ケアの経験を有する専任の常勤看護師

緩和ケアの経験を有する専任の薬剤師
小児科の診療に従事した経験を3年以上有している専任の常勤医師
小児患者の看護に従事した経験を3年以上有している専任の常勤看護師

 

ア又はイの医師が小児科の診療に従事した経験を3年以上有する場合は、オの要件は満たしていることとする。ウの看護師が小児患者の看護に従事した経験を3年以上有している場合は、カを満たしていることとする。
なお、アからエまでのうちいずれか1人は専従であること。ただし、小児緩和ケアチームが診察する患者数が1日に 15 人以内である場合は、いずれも専任で差し支えない。

(2) 小児緩和ケアチームの構成員は、緩和ケア診療加算及び外来緩和ケア管理料に係る緩和ケアチームの構成員と兼任であって差し支えない。
また、緩和ケアの特性に鑑みて、専従の医師にあっても、緩和ケア診療加算を算定すべき診療、小児緩和ケア診療加算を算定すべき診療及び外来緩和ケア管理料を算定すべき診療に影響のない範囲において、専門的な緩和ケアに関する外来診療を行って差し支えない(ただし、専門的な緩和ケアに関する外来診療に携わる時間は、所定労働時間の2分の1以下であること。)。

(3) (1)の小児緩和ケアチームの専従の職員について、介護保険施設等又は指定障害者支援施設等からの求めに応じ、当該介護保険施設等及び指定障害者支援施設等において緩和ケアの専門性に基づく助言を行う場合には、小児緩和ケアチームの業務について専従とみなすことができる。ただし、介護保険施設等又は指定障害者支援施設等に赴いて行う助言に携わる時間は、原則として月10時間以下であること。

(4) (1)のアに掲げる医師は、悪性腫瘍の患者又は後天性免疫不全症候群の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であること。なお、末期心不全の患者を対象とする場合には、末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であっても差し支えない。また、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週 22 時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(悪性腫瘍患者又は後天性免疫不全症候群の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する医師に限る(末期心不全の患者を対象とする場合には、末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有する者であっても差し支えない。)。)を2名組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該2名の非常勤医師が小児緩和ケアチームの業務に従事する場合に限り、当該基準を満たしていることとみなすことができる。なお、アに掲げる医師が小児科の診療に従事した経験を3年以上有し、オの要件を満たしている場合においては、悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者を対象とした症状緩和治療を主たる業務とした3年以上の経験を有すること。

(5) (1)のイに掲げる医師は、3年以上がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する者であること。なお、イに掲げる常勤医師については、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週 22 時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師(3年以上がん専門病院又は一般病院での精神医療に従事した経験を有する医師に限る。)を2名組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該2名の非常勤医師が小児緩和ケアチームの業務に従事する場合に限り、当該基準を満たしていることとみなすことができる。

(6) (1)のア、イに掲げる医師のうち、悪性腫瘍の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、以下のア又はイのいずれかの研修を修了している者であること。また、末期心不全症候群の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、アからウまでのいずれかの研修を修了している者であること。なお、後天性免疫不全症候群の患者に対して緩和ケアに係る診療を行う場合には下記研修を修了していなくてもよい。

がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会

緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立研究開発法人国立がん研究センター主催)等
日本心不全学会により開催される基本的心不全緩和ケアトレーニングコース

(7) (1)のウに掲げる看護師は、5年以上悪性腫瘍患者の看護に従事した経験を有し、緩和ケア病棟等における研修を修了している者であること。なお、ここでいう緩和ケア病棟等における研修とは、次の事項に該当する研修のことをいう。

国又は医療関係団体等が主催する研修であること(600 時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの)。
緩和ケアのための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。
講義及び演習により、次の内容を含むものであること。

(イ) ホスピスケア・疼痛緩和ケア総論及び制度等の概要
(ロ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群のプロセスとその治療
(ハ) 悪性腫瘍又は後天性免疫不全症候群患者の心理過程
(ニ) 緩和ケアのためのアセスメント並びに症状緩和のための支援方法
(ホ) セルフケアへの支援及び家族支援の方法
(ヘ) ホスピス及び疼痛緩和のための組織的取組とチームアプローチ
(ト) ホスピスケア・緩和ケアにおけるリーダーシップとストレスマネジメント
(チ) コンサルテーション方法
(リ) ケアの質を保つためのデータ収集・分析等について

実習により、事例に基づくアセスメントとホスピスケア・緩和ケアの実践

(8) (1)のエに掲げる薬剤師は、麻薬の投薬が行われている悪性腫瘍患者に対する薬学的管理及び指導などの緩和ケアの経験を有する者であること。

(9) (1)のア、イに掲げる医師については、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師と兼任ではないこと。ただし、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師が複数名である場合は、小児緩和ケアチームに係る業務に関し専任である医師については、緩和ケア病棟入院料の届出に係る担当医師と兼任であっても差し支えないものとする。

(10) 症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、小児緩和ケアチームの構成
員及び必要に応じて、当該患者の診療を担う医師、看護師、薬剤師などが参加していること。

(11) 当該医療機関において小児緩和ケアチームが組織上明確に位置づけられていること。

(12) 院内の見やすい場所に小児緩和ケアチームによる診療が受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供がなされていること。

(13) 小児緩和ケア診療加算の注2に規定する点数を算定する場合には、小児緩和ケアチームに、緩和ケア病棟において緩和ケアを要する患者に対する患者の栄養食事管理に従事した経験又は緩和ケア診療を行う医療機関において栄養食事管理に係る3年以上の経験を有する専任の管理栄養士が参加していること。なお、当該管理栄養士は、緩和ケア診療加算の注4に規定する個別栄養管理加算に係る管理栄養士と兼任できる。

(14) がん診療の拠点となる病院とは、「がん診療連携拠点病院等の整備について」(令和4年8月1日健発 0801 第 16 号厚生労働省健康局長通知)に規定するがん診療連携拠点病院等(がん診療連携拠点病院(都道府県がん診療連携拠点病院及び地域がん診療連携拠点病院(いずれも特例型を含む。))、特定領域がん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院(いずれも特例型を含む。)又は「小児がん拠点病院等の整備について」(令和4年8月1日健発0801第17号厚生労働省健康局長通知)に規定する小児がん拠点病院)をいう。特定領域がん診療連携拠点病院については、当該特定領域の悪性腫瘍の患者についてのみ、がん診療連携拠点病院に準じたものとして取り扱う。
また、がん診療の拠点となる病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている病院に準じる病院とは、都道府県が当該地域においてがん診療の中核的な役割を担うと認めた病院又は公益財団法人日本医療機能評価機構が定める機能評価(緩和ケア病院)と同等の基準について、第三者の評価を受けている病院をいう。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。

基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

届出時の留意事項

  • 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
  • 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
  • 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
  • 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。
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