【2022年】外来放射線照射診療料の算定要件とカルテ記載について

外来放射線照射診療料

厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を要する患者(入院中以外)に対して、放射線治療の実施に関し必要な診療を行った場合に、7日間に1回に限り以下の点数を算定します。

外来放射線照射診療料  297点

外来放射線照射診療料を算定する日から起算して7日以内の期間に4日以上の放射線治療を予定していない場合には、所定点数の100分の50に相当する点数を算定します。

スポンサーリンク

放射線治療とは

放射線治療は、手術・抗がん剤治療と並ぶ癌の3大治療法の1つです。単独で行われることもありますが、抗がん剤治療や手術と併用されることもあります。

放射線治療は、臓器の形態や機能を温存することができ、副作用も少ないため患者さんにとって体の負担が少ない治療法です。放射線は、がん細胞内の遺伝子(DNA)にダメージを与え、がん細胞を壊します。 放射線によって、正常細胞も同様にダメージを受けますが、がん細胞とは異なり自分自身で修復することができます。

放射線治療の種類

放射線治療に使われる放射線には、エックス線やガンマ線、電子線を用いた一般的な放射線治療の他に高度な物理工学の知識を要する粒子線治療があります。

同意と説明について

放射線治療を行う前に、放射線治療により期待される治療効果や成績などとともに、「合併症」「副作用」等についても必ず患者様又はその家族に説明し、文書等による同意を得ることが必要です。

がんの進行具合や現在の病態、これまでの検査結果及び治療内容等から放射線治療を行う根拠、行う場合の方法、治療目的、副作用、あわせて行う治療などについて説明を行い、カルテにもしっかり記載する事が大切です。

副作用について

放射線治療中または終了直後に起こる可能性のある副作用としては、「疲労感」「倦怠感」「食欲不振」「白血球減少による感染リスク」「赤血球減少による貧血」「血小板減少によって出血しやすくなる」などがあり、定期的な検査での観察が必要です。

局所的な副作用では、照射された部位の皮膚に、乾燥や掻痒感、ヒリヒリ感、熱感、色調の変化(発赤ほっせき、色素沈着、色素脱失)などが起こることがあります。また、頭部で脱毛、口腔で口の渇き、味覚の異常、胸部で咳、息切れ、腹部で軟便や下痢など、照射される部位によってさまざまな副作用が起こる可能性があります。

記録について

外来放射線照射診療料を算定した場合にあっては、第2日目以降の看護師、診療放射線技師等による患者の観察については、照射ごとに記録し、医師に報告することとされています。

短期間で終了する場合

算定した日を含め、3日間以内で放射線照射が終了する場合は、本点数の100分の50に相当する点数を算定します。

基本診療用の算定について

放射線治療医(放射線治療の経験を5年以上有するものに限る。)が診察を行った日に算定し、算定日から起算して7日間は放射線照射の実施に係る「初診料」「再診料」「外来診療料」「オンライン診療料」は算定できません。

当該7日間は、「初診料」「再診料」「外来診療料」「オンライン診療料」を算定せずに、放射線照射の費用を算定します。

施設基準について

  1. 放射線治療を行うにつき必要な医師、看護師及び診療放射線技師等が適切に配置されていること。
  2. 緊急時における放射線治療を担当する医師との連絡体制等放射線治療を適切に実施するための十分な体制が確保されていること。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する地方厚生局に必要書類を1部提出する必要があります。

各書式は各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。
タイトルとURLをコピーしました