ハイリスク妊産婦連携指導料Ⅱとは、精神疾患が疑われる患者さんに対し、産婦人科の担当医師から精神科や心療内科に紹介された妊婦又は出産後6月以内の患者さんを精神科と産科で連携して診療及び必要な指導を行った場合に算定する医学管理料です。
B005-10-2 ハイリスク妊産婦連携指導料2 750点
ハイリスク妊産婦連携指導料2の算定要件
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た精神科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、精神疾患を有する又は精神疾患が疑われるものとして産科若しくは産婦人科を担当する医師から紹介された妊婦又は出産後6月以内であるものに対して、当該患者の同意を得て、精神科又は心療内科を担当する医師が産科又は産婦人科と連携し、診療及び療養上必要な指導を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定する。
注2 同一の保険医療機関において、ハイリスク妊産婦連携指導料1を同一の患者について別に算定できない。
ハイリスク妊産婦連携指導料2の留意事項
(1) ハイリスク妊産婦連携指導料2の算定対象となる患者とは、当該保険医療機関で精神療法が実施されている又は精神疾患が疑われるものとして産科若しくは産婦人科を担当する医師から紹介された妊婦又は出産後6月以内であるものに限る。
(2) 産科又は産婦人科に係る診療が他の保険医療機関で実施されている場合については、患者の同意を得て、当該他の保険医療機関との間で当該患者に係る診療情報が相互かつ定期的に提供されていること。特に、向精神薬が投与されている患者については、当該薬剤が妊娠、出産等に与える影響等の情報について、当該他の保険医療機関に対し適切に提供していること。
(3) 必要に応じて小児科と適切に連携して診療する体制を有していること。
(4) 精神科又は心療内科を担当する医師が、精神疾患及びその治療による妊娠、出産等への影響について患者に説明し、療養上の指導を行うこと。
(5) 当該患者の診療方針等に係るカンファレンスが概ね2か月に1回の頻度で開催されていること。また、当該カンファレンスには以下に掲げる者が参加していること。
ア 当該患者の診療を担当する精神科又は心療内科を担当する医師
イ 当該患者の診療を担当する産科又は産婦人科を担当する医師
ウ 当該患者の診療を担当する保健師、助産師又は看護師(ア及びイの診療科からそれぞれ参加していること。)
エ 市町村又は都道府県の担当者
オ 必要に応じて、精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師等
カ 必要に応じて、当該患者の訪問看護を担当する訪問看護ステーションの保健師、助産師又は看護師なお、出産後、産科又は産婦人科による医学的な管理が終了した場合については、当該カンファレンスへの産科又は産婦人科を担当する医師の参加は不要であること。
(6) (5)のカンファレンスは、関係者全員が一堂に会し実施することが原則であるが、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施した場合でも算定可能である。なお、(5)のカンファレンスにおいて、ビデオ通話が可能な機器を用いる場合、患者の個人情報を当該ビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること。また、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること。
(7) (5)の規定にかかわらず、カンファレンスに市町村等の担当者が参加しなかった場合は、その都度、患者の同意を得た上で、市町村等の担当者にその結果を文書により情報提供することに代えることとしても差し支えない。
(8) 当該患者について、出産後の養育について支援を行うことが必要と認められる場合、その旨を患者に説明し、当該患者の同意を得た上で、市町村等に相談し、情報提供を行うこと。
(9) 当該連携指導料を算定する場合は、診療情報提供料(Ⅰ)及び連携強化診療情報提供料は別に算定できないこと。
令和6年 ハイリスク妊産婦連携指導料2の施設基準
患者の同意を得た上で、支援を要する妊産婦の情報が速やかに市町村等に報告されるよう、市町村等との連携体制の整備を図るよう努めること。