2024年|有床診療所緩和ケア診療加算の算定要件と施設基準

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た診療所である保険医療機関において、緩和ケアを要する患者さんに対して、必要な診療を行った場合に、以下の点数を算定します。

A226-3 有床診療所緩和ケア診療加算(1日につき) 250点

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算定要件について

有床診療所緩和ケア診療加算は、一般病床に入院する悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者さんのうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ方に対して、患者さんの同意に基づき、医師、看護師が共同して緩和ケアに係る診療が行われた場合に算定します。

 

POINT

緩和ケアに従事する医師、看護師は、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要です。緩和ケアに従事する医師又は看護師のいずれかは緩和ケアに関する研修を修了していることとされていますが、後天性免疫不全症候群の患者さんを診療する際には当該研修を修了していなくても算定できます。

 

末期心不全の患者とは

以下のアからウまでの基準及びエからカまでのいずれかの基準に該当する方が末期心不全の患者さんとされます。

心不全に対して適切な治療が実施されていること。

器質的な心機能障害により、適切な治療にかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回又は持続的に点滴薬物療法を必要とする状態であること。

過去1年以内に心不全による急変時の入院が2回以上あること。なお、「急変時の入院」とは、患者の病状の急変等による入院を指し、予定された入院を除く。

左室駆出率が20%以下であること。

医学的に終末期であると判断される状態であること。

エ又はオに掲げる状態に準ずる場合であること。

緩和ケア診療実施計画書について

緩和ケアに係る診療に当たり、医師、看護師が共同の上別紙様式3(主治医、精神科医、緩和ケア医は同一で差し支えない。)又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、その内容を患者に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付することが必要です。

緩和ケア実施計画書

入院精神療法について

有床診療所緩和ケア診療加算を算定する患者さんについては、入院精神療法の算定は週に1回までとします。

加算が算定できる入院料について

有床診療所緩和ケア診療加算については、以下の入院料に対して加算を算定することが可能です。

  • 有床診療所入院基本料
  • 有床診療所療養病床入院基本料

有床診療所緩和ケア診療加算に関する施設基準

(1) 身体症状、精神症状の緩和を担当する常勤医師及び緩和ケアの経験がある常勤看護師が配置されていることが必要です。

(2) 医師については、悪性腫瘍の患者さん又は後天性免疫不全症候群の患者さんを対象とした症状緩和治療を主たる業務とした1年以上の経験が必要です。なお、末期心不全の患者さんを対象とする場合には、末期心不全の患者さんを対象とした症状緩和治療を主たる業務とした1年以上の経験がある医師でも大丈夫です。

(3) 看護師については、3年以上悪性腫瘍の患者さんの看護に従事した経験があることが必要です。

(4) 医師又は看護師のいずれかが所定の研修を修了している必要がありますが、後天性免疫不全症候群の患者さんに対して緩和ケアに係る診療又は看護を行う場合は、この限りではありません。

(5) (4)に掲げる「所定の研修を修了している」とは次のとおりです。。

医師については、悪性腫瘍の患者さんに対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、以下のア又はイのいずれかの研修を、末期心不全症候群の患者さんに対して緩和ケアに係る診療を行う場合には、ア、イ又はウのいずれかの研修を修了していることが必要です。

 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会

 緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会(国立研究開発法人国立がん研究センター主催)等

 日本心不全学会により開催される基本的心不全緩和ケアトレーニングコース

看護師については、次の事項に該当する研修を修了していることが必要です。

 国又は医療関係団体等が主催する研修であること(2日以上かつ10時間の研修期間で、修了証が交付されるもの)。

 緩和ケアのための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。

 講義及び演習により、次の内容を含むものであること。

(イ)緩和ケア総論及び制度等の概要

(ロ)緩和ケアのためのアセスメント並びに症状緩和のための支援方法

(ハ)セルフケアへの支援及び家族支援の方法

(6) 夜間の看護職員の数が1以上であること。

(7) 院内の見やすい場所に緩和ケアが受けられる旨の掲示をするなど、患者さんに対して必要な情報提供がなされていることが必要です。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、医療機関が所在する都道府県を管轄する『地方厚生局』に必要書類を提出して申請を行う必要があります。

基本診療料の各書式(令和6年)については、各地方厚生局のH Pよりダウンロードできます。

届出時の留意事項

  • 各月の末日までに要件審査を終え、届出を受理した場合は、翌月の1日から当該届出に係る診療報酬を算定することができます。また、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理した場合には当該月の1日から算定することができます。
  • 施設基準等の届出に当たっては、原則として郵便による送付をお願いしております。(FAXによる届出はできません。)
  • 届出書は、正本1通(届出書にかかる添付書類を含む)を提出してください。なお、控えとして送付した正本のコピー等を保存してください。
  • 「行政手続きに係る押印を不要とする取扱いについて」により、本ページに掲載されている様式は、令和3年2月1日以降、押印が不要となりました。
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