腎代替療法指導管理料とは、慢性腎臓病患者さんの同意を得て、看護師と共同して、患者さんと診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に算定する医学管理料です。
B001_31 腎代替療法指導管理料 500点
腎代替療法指導管理料の算定要件
注1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中の患者以外のものに対して、当該患者の同意を得て、看護師と共同して、当該患者と診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人につき2回に限り算定する。
注2 1回の指導時間は30分以上でなければならないものとする。
注3 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、腎代替療法指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、435点を算定する。
腎代替療法指導管理料の留意事項
(1) 腎代替療法指導管理料は、腎臓内科の経験を有する常勤医師及び腎臓病患者の看護に従事した経験を有する専任の看護師が、当該患者への腎代替療法の情報提供が必要と判断した場合に、腎代替療法について指導を行い、当該患者が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように説明及び相談を行った場合に、患者1人につき2回に限り算定する。なお、2回目の当該管理料の算定に当たっては、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(2) 当該管理料の対象となる患者は、次のいずれかの要件を満たすものとする。
イ 急速進行性糸球体腎炎等による腎障害により、急速な腎機能低下を呈し、不可逆的に慢性腎臓病に至ると判断される場合
(3) 当該管理料を算定すべき指導の実施に当たっては、(2)の要件を満たす慢性腎臓病患者の腎代替療法選択にとって、適切と判断される時期に行うこととし、血液透析、腹膜透析、腎移植等の腎代替療法のうち、いずれについても情報提供すること。なお、当該情報提供は、腎臓病教室とは別に行うこと。
血液透析とは
腎機能の一部を代替する治療法で、血液と透析液とを透析膜と呼ばれる分離膜を介して間接的に接触させ、拡散 (diffusion) と限外濾過 (ultrafiltration) により物質 交換や溶質除去を行うことです。
腹膜透析とは
腎移植、血液透析と共に末期腎不全に対する治療法(腎代替療法)のひとつです。
腹膜透析では、腹腔内(おなかの中)に透析液を注入し一定時間貯留している間に血液中の尿毒素や塩分・水分が腹膜を介して透析液に移動します。その後透析液を体外に取り出すことで血液浄化を行います。
腎移植とは
腎臓の機能が低下した人のために、新しい腎臓を手術で移植することによって腎臓の機能を回復させる治療法です。
(4) 指導内容等の要点を診療録に記載する。なお、説明に用いた文書の写しの診療録への添付により診療録への記載に代えることができる。
(5) 説明に当たっては、関連学会の作成した腎代替療法選択に係る資料又はそれらを参考に作成した資料に基づき説明を行うこと。
(6) 当該管理料を算定する場合にあっては、(2)のア又はイのうち該当するものに応じて、以下の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ア (2)のアに該当する場合は、直近の血液検査におけるeGFRの検査値について、以下の(イ)から(ハ)までのうちいずれかに該当するもの。
(イ) 25mL/min/1.73m2以上30mL/min/1.73m2未満
(ロ) 15mL/min/1.73m2以上25mL/min/1.73m2未満
(ハ) 15mL/min/1.73m2未満
イ (2)のイに該当する場合は、当該指導管理の実施について適切な時期と判断した理由。
(7) 「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する。
令和6年 腎代替療法指導管理料に関する施設基準
(1) 以下の要件を満たしていること。
ア 説明に当たっては、関連学会の作成した腎代替療法選択に係る資料又はそれらを参考に作成した資料に基づき説明を行うこと。
イ 「C102」在宅自己腹膜灌流指導管理料を過去1年間で 12 回以上算定していること。
ウ 腎移植について、患者の希望に応じて適切に相談に応じており、かつ、腎移植に向けた手続きを行った患者が前年に3人以上いること。なお、腎移植に向けた手続き等を行った患者とは、日本臓器移植ネットワークに腎臓移植希望者として新規に登録された患者、先行的腎移植が実施された患者又は腎移植が実施され透析を離脱した患者をいう。
(2) 当該保険医療機関内に、以下の職種が連携して診療を行う体制があること。
ア 腎臓内科の診療に3年以上従事した経験を有する専任の常勤医師
イ 5年以上看護師として医療に従事し、腎臓病患者の看護について3年以上の経験を有する専任の常勤看護師
(2) 腎臓病について患者及びその家族等に対する説明を目的とした腎臓病教室を定期的に実施すること。