在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料は、通院してリハビリテーションを受けることが困難な患者さんに対し、医師の診療に基づき、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問し、患者さんの病状及び療養環境等を踏まえ療養上必要な指導を20分以上行った場合に算定します。
C006 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料(1単位)
1 同一建物居住者以外の場合 300点
2 同一建物居住者の場合 255点
在宅患者訪問リハビリ指導管理料の算定要件
注1 1については、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、2については、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、診療に基づき計画的な医学管理を継続して行い、かつ、当該診療を行った保険医療機関の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を訪問させて基本的動作能力若しくは応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための訓練等について必要な指導を行わせた場合に、患者1人につき、1と2を合わせて週6単位(退院の日から起算して3月以内の患者にあっては、週12単位)に限り算定する。
注2 保険医療機関が、診療に基づき、患者の急性増悪等により一時的に頻回の訪問リハビリテーション指導管理を行う必要性を認め、計画的な医学管理の下に、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して訪問リハビリテーション指導管理を行った場合は、注1の規定にかかわらず、1と2を合わせて、6月に1回に限り、当該診療の日から14日以内に行った訪問リハビリテーション指導管理については、14日を限度として1日4単位に限り、算定する。
注3 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理に要した交通費は、患家の負担とする。
在宅患者訪問リハビリ指導管理料の留意事項
(1) 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、傷病のために通院してリハビリテーションを受けることが困難な者又はその家族等患者の看護に当たる者に対して、医師の診療に基づき、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を訪問させて、患者の病状及び療養環境等を踏まえ療養上必要な指導を20分以上行った場合(1単位)に算定する。
(2) 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の「1」は、在宅での療養を行っている患者に対して、在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の「2」は、同一建物居住者であるものに対して、必要な指導を行わせた場合に算定する。
(3) 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の算定は週6単位を限度(末期の悪性腫瘍の患者の場合を除く。)とする。ただし、退院の日から起算して3月以内の患者に対し、入院先の医療機関の医師の指示に基づき継続してリハビリテーションを行う場合は、週 12単位まで算定できる。
(4) 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料は、訪問診療を実施する保険医療機関において医師の診療のあった日から1月以内に行われた場合に算定する。ただし、当該患者(患者の病状に特に変化がないものに限る。)に関し、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」又は在宅患者訪問診療料(Ⅱ)の注1の「イ」を算定すべき訪問診療を行っている保険医療機関が、患者の同意を得て、診療の日から2週間以内に、当該患者に対して継続して在宅患者訪問リハビリテーション指導管理を行っている別の保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて、当該患者に係る療養上必要な情報を提供した場合には、当該診療情報の提供(診療情報提供料(Ⅰ)の場合に限る。)を行った保険医療機関において、当該診療情報提供料の基礎となる診療があった日から1月以内に行われた場合に算定する。
(5) 指導の内容は、患者の運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う体位変換、起座又は離床訓練、起立訓練、食事訓練、排泄訓練、生活適応訓練、基本的対人関係訓練、言語機能又は聴覚機能等に関する指導とする。
(6) 医師は、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士に対して行った指示内容の要点を診療録に記載する。
(7) 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、医師の指示に基づき行った指導の内容の要点及び指導に要した時間を記録すること。
(8) 他の保険医療機関において在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定している患者については、在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料を算定できない。
(9) 「注3」に規定する交通費は実費とする。
(10) 保険医療機関が診療に基づき、1月にバーセル指数又はFIMが5点以上悪化し、一時的に頻回の訪問リハビリテーションが必要であると認められた患者については、6月に1回に限り、当該診療を行った日から14日以内の期間において、14日を限度として1日に4単位まで算定できる。当該患者が介護保険法第62条に規定する要介護被保険者等である場合には、診療録に頻回の訪問リハビリテーションが必要であると認めた理由及び頻回の訪問リハビリテーションが必要な期間(ただし14日間以内に限る。)を記載する。
指導内容について
指導の内容については、患者さんの運動機能及び日常生活動作能力の維持及び向上を目的として行う「体位変換」「起座又は離床訓練」「起立訓練」「食事訓練」「排泄訓練」「生活適応訓練」「基本的対人関係訓練」「言語機能」「聴覚機能」等に関するものとします。
離床訓練…離床は日常生活動作(ADL:activities of daily living)や余暇、仕事、休息など『本人が望む作業(活動)』 を目標にし、それが実現されていくことで『人生の質(QOL:quality of life)』が向上し、心と体が元気になっていく ことが期待されます。
食事訓練…病気や加齢などの影響によって、食べ物がうまく飲みこめなくなる(嚥下障害)ケースがあります。飲み込みの検査や評価、飲み込みに適した食事形態や食べ方なども検討し、誤嚥の予防や安全に食事できるような取り組みを行うことで体力や嚥下機能を向上させていきます。
診療録記載について
医師は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に対して行った指示内容の要点を診療録に記載しましょう。
【診断】
# 腰椎圧迫骨折
上記によるAD L低下著名であり、認知症もあるため外来通院困難な状態である。
当院Ptに対し、廃用症候群予防のためROM訓練、離床訓練、起立訓練の指示を行った。
また褥瘡予防のため、定期的な体位変換も必要である。
【今後の方針】
今後はリバビリにて適宜評価を行いながら注意深く経過観察にて治療を継続していく。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、医師の指示に基づき行った指導の内容の要点及び指導に要した時間を記録の記載も必ず必要です。
レセプト請求時の注意点
月初のレセプト請求を行う際は以下の診療報酬明細書へ以下のコメントが必要となりますので必ず記載を行いましょう。記載漏れが発生した場合が返戻として差し戻しされてしまいます。
・訪問指導を行った日と単位数の記載
・急性増悪により一時的に頻回の訪問リハビリテーション指導管理を必要とした患者に対して行った場合は「急性」の表示が必要