D200 スパイログラフィー等検査
1 肺気量分画測定(安静換気量測定及び最大換気量測定を含む。)90点
2 フローボリュームカーブ(強制呼出曲線を含む。)100点
3 機能的残気量測定 140点
4 呼気ガス分析 100点
5 左右別肺機能検査 1010点
スパイログラフィー等検査の算定要件
(1) 「肺気量分画測定」の肺気量分画測定には、予備吸気量、1回換気量及び予備呼気量の全ての実測及び実測値から算出される最大呼吸量の測定のほか、安静換気量及び最大換気量の測定が含まれる。
(2) 「肺気量分画測定」の肺気量分画測定及び区分番号「D202」肺内ガス分布の「1」の指標ガス洗い出し検査を同時に実施した場合には、機能的残気量測定は算定できない。
(3) 「フローボリュームカーブ」のフローボリュームカーブは、曲線を描写し記録した場合にのみ算定し、強制呼出曲線の描出に係る費用を含む。また、フローボリュームカーブから計算によって求められる努力肺活量、1秒量、1秒率、MMF、PFR等は、別に算定できない。
(4) 「左右別肺機能検査」の左右別肺機能検査の所定点数には、カテーテル挿入並びに他の「肺気量分画測定」から「呼気ガス分析」までのスパイログラフィー等検査及び換気力学的検査の費用を含む。
(5) 体プレスチモグラフを用いる諸検査は、別に定めのない限り、「機能的残気量測定」により算定する。
肺気量分画測定の適応疾患
肺気量分画測定は以下の疾患に対して保険請求を行うことができます。
- 肺線維症
- 肺気腫
- 気管支喘息
- 咽頭腫瘍
- 喉頭腫瘍
- びまん性汎細気管支炎
- サルコイドーシス
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺水腫
- 間質性肺炎
- 閉塞性細気管支炎
- 胸膜炎
- 重症筋無力症
肺活量を用いて吸気量、呼気量の測定を行って肺の換気能力を調べるもので、呼吸器疾患の診断、経過観察、治療効果判定などに使用します。胸の空気をすべて吐き出したり、また胸いっぱい吸い込んだりしていただきます。 マウスピースという紙などでできた管を口にくわえ、鼻をつまんだ状態で検査中は口だけで呼吸を行います。
フローボリュームカーブの適応疾患
フローボリュームカーブは以下の疾患に対して保険請求を行うことができます。
- 肺線維症
- 肺気腫
- 気管支喘息
- 咽頭腫瘍
- 喉頭腫瘍
- びまん性汎細気管支炎
- 肺水腫
- 間質性肺炎
- 閉塞性細気管支炎
- 胸膜炎
- 重症筋無力症
肺活量の測定に際し、患者さんに最大吸気位から最大呼吸位まで一気に呼出させ、気流量(ボリューム)と気流速度(フロー)の関係パターンを曲線で評価します。最大限に吸った空気をどのくらいの速さで吐ききれるかを測定して、気道・気管支の通りやすさをみます。
機能的残気量測定の適応疾患
機能的残気量測定は以下の疾患に対して保険請求を行うことができます。
- 肺線維症
- 肺気腫
- 気管支喘息
- びまん性汎細気管支炎
- サルコイドーシス
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺水腫
- 間質性肺炎
- 閉塞性細気管支炎
- 胸膜炎
- 重症筋無力症
機能的残気量とは、安静呼吸位で肺に残存している気量のことで、予備呼気量に残気量を足したものです。残気量は直接計測できないため、ガス希釈法や体プレスチモグラフなどで機能的残気量測定し、そこから予備呼気量を引いて求めます。臨床的には、残気量・機能的残気量の増加は、気管支喘息、肺気腫などが疑われ、減少は、肺線維症、腹水などが疑われます。
呼気ガス分析の適応疾患
呼気ガス分析は以下の疾患に対して保険請求を行うことができます。
- 心室中隔欠損症
- 心房中隔欠損症
- 動脈管開存症
- ファロー四微症
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- びまん性間質性肺炎
- 肺塞栓症
- 肺癌
- 狭心症
- 心筋症
- 慢性心不全
- 気管支喘息
ダグラスバッグに呼気を集めて酸素濃度や二酸化炭素濃度を分析器で測定し、酸素摂取量や炭酸ガス排出量を算定します。呼気ガス分析は、吐いた息を集めるためのマスクをつけて、始めはジョギングくらいの速度からスタートして徐々に速度を上げていき、これ以上走れないという速度まで走るという測定です。 速度の上げ方としては、一定の速度で3分間程度走った後1 km/h速度を上げてまた3分間走ると速度が上がるという方法が一般的です。
左右別肺機能検査の適応疾患
左右別肺機能検査は以下の疾患に対して保険請求を行うことができます。
- 肺結核
- 肺腫瘍
- 肺線維症
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 慢性肺気腫
- 慢性気管支炎
- 肺のう胞症
- 胸膜炎
- 肺癌
左右両肺の機能を個別に測定するのもで、主に肺手術を行う場合、切除後に残気肺が十分に機能を代償しうるが、否かを確認するために行われます。