D005 血液形態・機能検査
1 赤血球沈降速度(ESR) 9点
注 当該保険医療機関内で検査を行った場合に算定する。
2 網赤血球数 12点
3 血液浸透圧、好酸球(鼻汁・喀痰)、末梢血液像(自動機械法)15点
4 好酸球数 17点
5 末梢血液一般検査 21点
6 末梢血液像(鏡検法) 25点
注 特殊染色を併せて行った場合は、特殊染色加算として、特殊染色ごとにそれぞれ37点を所定点数に加算する。
7 血中微生物検査、DNA含有赤血球計数検査 40点
8 赤血球抵抗試験 45点
9 ヘモグロビンA1c(HbA1c) 49点
10 自己溶血試験、血液粘稠度 50点
11 ヘモグロビンF(HbF) 60点
12 デオキシチミジンキナーゼ(TK)活性 233点
13 ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT) 250点
14 骨髄像 788点
注 特殊染色を併せて行った場合は、特殊染色加算として、特殊染色ごとにそれぞれ60点を所定点数に加算する。
15 造血器腫瘍細胞抗原検査(一連につき)1940点
通知
(1) 「1」の赤血球沈降速度(ESR)は当該検査の対象患者の診療を行っている保険医療機関内で実施した場合にのみ算定できるものであり、委託契約等に基づき当該保険医療機関外で実施された検査の結果報告を受けるのみの場合は算定できない。ただし、委託契約等に基づき当該保険医療機関内で実施された検査について、その結果が当該保険医療機関に速やかに報告されるような場合は、所定点数により算定する。
(2) 「3」の末梢血液像(自動機械法)、「6」の末梢血液像(鏡検法)及び「14」の骨髄像の検査については、少なくともリンパ球、単球、好中球、好酸球、好塩基球の5分類以上の同定・比率計算を行った場合に算定する。
(3) 同一検体について、「4」の好酸球数及び「3」の末梢血液像(自動機械法)又は「6」の末梢血液像(鏡検法)を行った場合は、主たる検査の所定点数のみを算定する。
(4) 「5」の末梢血液一般検査は、赤血球数、白血球数、血色素測定(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)、血小板数の全部又は一部を行った場合に算定する。
(5) 「6」の末梢血液像(鏡検法)及び「14」の骨髄像の検査に当たって、位相差顕微鏡又は蛍光顕微鏡を用いた場合であっても所定点数により算定する。また、末梢血液像(鏡検法)の検査の際に赤血球直径の測定を併せて行った場合であっても、所定点数により算定する。
(6) 「6」の「注」及び「14」の「注」にいう特殊染色は、次のとおりである。
ア オキシダーゼ染色
イ ペルオキシダーゼ染色
ウ アルカリホスファターゼ染色
エ パス染色
オ 鉄染色(ジデロブラスト検索を含む。)
カ 超生体染色
キ 脂肪染色
ク エステラーゼ染色
(7) 「7」のDNA含有赤血球計数検査は、マラリアが疑われた患者に対して、マラリアの診断を目的として、多項目自動血球分析装置を用いてDNA含有感染赤血球の計数に基づく定性判定を実施した場合に算定する。ただし、マラリアの診断を目的として、血中微生物検査を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
(8) 「8」の赤血球抵抗試験は、次のとおりである。
ア シュガーウォーターテスト
イ ハムテスト
ウ クロスビーテスト
エ パルパート法
オ サンフォード法
(9) 「9」のヘモグロビンA1c(HbA1c)、「D007」血液化学検査の「17」グリコアルブミン又は同区分「21」の1,5-アンヒドロ-D-グルシトール(1,5AG)のうちいずれかを同一月中に併せて2回以上実施した場合は、月1回に限り主たるもののみ算定する。ただし、妊娠中の患者、1型糖尿病患者、経口血糖降下薬の投与を開始して6月以内の患者、インスリン治療を開始して6月以内の患者等については、いずれか1項目を月1回に限り別に算定できる。また、クロザピンを投与中の患者については、「9」のヘモグロビンA1c(HbA1c)を月1回に限り別に算定できる。
(10) 「12」のデオキシチミジンキナーゼ(TK)活性は、造血器腫瘍の診断又は治療効果判定のために行った場合に算定する。
(11) 「13」のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)は、白血病又は悪性リンパ腫の診断又は治療効果判定のために行った場合に算定する。
(12) 造血器腫瘍細胞抗原検査
ア 「15」の造血器腫瘍細胞抗原検査はモノクローナル抗体を用いて蛍光抗体法、酵素抗体法、免疫ロゼット法等により白血病細胞又は悪性リンパ腫細胞の表面抗原又は細胞内抗原の検索を実施して病型分類を行った場合に算定できる。
イ 対象疾病は白血病、悪性リンパ腫等である。
ウ 検査に用いられるモノクローナル抗体は、医薬品として承認されたものであり、検査に当たって用いたモノクローナル抗体の種類、回数にかかわらず、一連として所定点数を算定する。
赤血球沈降速度(ESR) 適応疾患
- 膠原病
- 悪性腫瘍
- 心筋梗塞
- ネフローゼ症候群
- 慢性肝炎
- 多発性骨髄腫
- 貧血
- 播種性血管内凝固
- 炎症性疾患
- 亜急性甲状腺炎
抗凝固剤を加えた血液を沈降管に入れておくと、赤血球が時間と共に凝集して沈降します。その速度をみる検査です。
速度が速い場合には、感染性疾患、リウマチ・膠原病などの慢性の炎症、貧血、白血病、悪性腫瘍、肝疾患などが考えられ、速度が遅い場合には、多血症などが考えられます。
基準値は男性で一時間に2~10mm、女性では3~15mmとされています。
網赤血球数の適応疾患
- 溶血性貧血
- 再生不良性貧血
- 鉄欠乏性貧血
- 悪性貧血
- ビタミンB12欠乏症
- 葉酸欠乏症
- 骨髄異形成症候群
- 白血病
- 貧血
- 赤芽球ろう
溶血とは、寿命を迎える前の赤血球が何らかの原因により破壊されることです。 赤血球の寿命は約120日ですが、寿命が尽きると肝臓に運ばれ処理される。 しかし溶血が起きてしまうと、赤血球が未熟な状態で破壊されてしまいます。また、血液検査項目の中には溶血によって影響を受ける項目があるため、検査結果の解釈に注意しなければなりません。
血液浸透圧の適応疾患
- 尿崩症
- 腎不全
- 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
- 糖尿病
- 心因性多飲症
- メタノール中毒
- 脱水症
尿崩症とは、尿を濃縮する抗利尿ホルモンの分泌低下、またはその働きが悪くなることによって、尿を濃縮することができず、多尿になる病気です。
好酸球の適応疾患
- アレルギー性鼻炎
- 気管支喘息
- アレルギー性呼吸器疾患
好酸球は、アレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患の診断に用いられます。
抹消血液の像適応疾患
- 白血病
- 感染症
- アレルギー疾患