D007 37 血液ガス分析 140点
レセ電:160027710/血液ガス分析
判断料:生化学的検査(Ⅰ)判断料 144点
血液ガス分析とは、動脈血あるいは静脈血を検体として分析し、肺胞におけるガス交換機能や酸塩基平衡を調べる検査でO2とCO2の量を調べて肺が正常に働いているかを調べます。
酸塩基平衡…体内での酸と塩基のバランスで、主に肺と腎臓で調節される。
POINT静脈血ではpH の値を正確に測定できないため、通常は動脈血が用いられます。
血液ガス分析で分かること
血液ガス検査で分かることは主に以下のことです。
- 体内に酸素が十分にあるか
- 血液が酸性に傾いていないか
- 血液がアルカリ性に傾いていないか
血液ガス分析の適応疾患
- 呼吸性アシドーシス
- 呼吸性アルカローシス
- 代謝性アシドーシス
- 代謝性アルカローシス
- 呼吸不全
- 腎不全
- ショック
- 多臓器不全
- 循環不全
注意!!検体のヘパリン加動脈血が不安定であるため、血ガス分析は院内で実施した場合のみの算定になります。ただし、委託契約等に基づき院内で実施された検査について、その結果が速やかに報告される場合は、算定可能とされています。
血液ガスの基準値
pH(水素イオン濃度):7.35~7.45
7.35以下はアシデミア(酸血症)
7.45以上はアルカレミア(アルカリ血症)
PaCO2(炭酸ガス分圧):35~45mmHg
pH 7.35以下+45mmHg以上で呼吸性アシドーシス
pH 7.45以上+35mmHg以下で呼吸性アルカローシス
PaO2(動脈血酸素分圧):80~100mmHg
※高齢になるほど低くなる。そのため高齢だと80が正常値であっても若い人では低いと考えられる
HCO3–(重炭酸イオン):22~26mEq/L
pH 7.35以下+22以下で代謝性アシドーシス
pH 7.45以上+26以上で代謝性アルカローシス
Sa02(酸素飽和度):95%以上
BE(塩基余剰):-2.5~+2.5mEq/L
pH | PaCO2 | HCO3- | 診断 |
7.35以下 | 45以上 | 22~26(正常) | 呼吸性アシドーシス |
35~45(正常) | 22以下 | 代謝性アシドーシス | |
7.35~7.45(正常) | 45以上 | 26 | 呼吸性アシドーシス |
35~45(正常) | 22~26(正常) | 正常 | |
35以下 | 22以下 | 代謝性アシドーシス | |
7.45以上 | 35以下 | 22~26(正常) | 呼吸性アシドーシス |
35~45(正常) | 26以上 | 代謝性アルカローシス |
呼吸器の基本
呼吸は「呼吸」と「吸気」で成り立っています。
では、呼吸障害とは・・・
- 息が吸えない
- 息を吐けない
- 呼吸の効率が悪い
血液ガス分析で分かるのは、1と2です。
- 息が吸えない→酸素が足りない→PaO2が低下
- 息を吐けない→二酸化炭素が溜まる→PaCO2が上昇
呼吸性アシドーシスとは
塩基酸平衡障害の一つで、肺胞低下換気によりPaCO2が上昇して起こるアシドーシスで、pHの低下とPaCO2の上昇で診断されます。
原因
- 気管支喘息、肺気腫、心不全など肺に大きな影響を与える病気で発生する
- 脊髄損傷などによる呼吸筋麻痺
- 麻薬の過量投与、急性薬物中毒、脳血管障害などによる呼吸中枢抑制