2024年心電図検査の点数・算定要件・適応疾患について

心電図検査の点数・算定要件・適応疾患について

D208 心電図検査

1 四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導 130点
2 ベクトル心電図、体表ヒス束心電図 150点
3 携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査 150点
4 加算平均心電図による心室遅延電位測定 200点
5 その他(6誘導以上) 90点  

スポンサーリンク

心電図検査の算定要件

(1) 「四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導」の四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低 12誘導は、普通、標準肢誘導(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)、単極肢誘導(aVR、aVL、aVF)、胸部誘導(V1、V2、V3、V4、V5、V6)の12誘導で、その他特別の場合にV7、V8、食道誘導等を行う場合もこれに含まれる。

(2) 当該保険医療機関以外の医療機関で描写したものについて診断のみを行った場合は、診断料として1回につき所定点数を算定できるが、患者が当該傷病につき当該医療機関で受診していない場合は算定できない。

(3) 当該保険医療機関以外の医療機関で描写した検査について診断を行った場合の算定については、2回目以降においても100分の90の算定としない。

(4) 「携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査」の携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査は、入院中の患者以外の患者に対して、携帯型発作時心電図記憶伝達装置を用いて発作時等の心電図を記録させた場合に、一連につき1回算定する。

(5) 「加算平均心電図による心室遅延電位測定」加算平均心電図による心室遅延電位測定

心筋梗塞、心筋症、Brugada症候群等により、致死性の心室性不整脈が誘発される可能性がある患者に対し行われた場合に算定する。

当該検査の実施に当たり行った他の心電図検査は、別に算定できない。

四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導の適応疾患

四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導の適応疾患については、主に以下のものがあります。

  • 狭心症
  • 高血圧症
  • 不整脈
  • 心筋梗塞
  • 心筋症
  • 先天性心疾患
  • 肺性心
  • 心膜炎
  • 原発性アルドステロン症
  • 副甲状腺機能亢進症
  • 甲状腺機能亢進症
  • 高カルシウム血症
  • 急性冠症候群
  • 心肥大

心筋が活動すると電気的興奮がおこり、活動電位が生じます。これを体表上の2点間の電位差をして記録するもので、不整脈、心筋肥大、心筋梗塞、先天性心疾患、電解質代謝異常などの診断、経過、治療効果判定に行います。

ベクトル心電図の適応疾患

ベクトル心電図の適応疾患については、主に以下のものがあります。

  • 右脚ブロック
  • 左脚ブロック
  • 心肥大
  • 狭心症
  • 心筋症
  • 心筋梗塞
  • 急性冠症候群

ベクトル心電図の検査は、通常の心電図ではわかりにくい波形を立体的に把握し、心腔内刺激伝導障害、心筋梗塞が起こっている部位や程度をより精密に調べるために行われます。

体表ヒス束心電図の適応疾患

体表ヒス束心電図の適応疾患については、主に以下のものがあります。

  • 不整脈
  • 心筋症
  • 心肥大
  • 狭心症
  • 肺性心
  • 急性冠症候群
  • 心筋梗塞

ヒス束は房室結節と刺激伝導系が右脚と左脚に分岐する点までを結ぶ線維で、短時間に一定方向で興奮が伝幡するため、心腔内に留置した電極カテーテルを用いてヒス束の電気的興奮を明瞭に記録することができます。

携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査の適応疾患

携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査の適応疾患については、主に以下のものがあります。

  • 狭心症
  • 不整脈
  • 電解質異常
  • 高カリウム血症
  • 低カリウム血症
  • 高カリシウム血症
  • 急性冠症候群
  • 心筋梗塞

携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査は、狭心症や特定の不整脈のように発作的に生じる心疾患の診断、虚血性心疾患患者の回復期ならびに維持期の在宅療養に際して、病状変化の早期発見などを目的に行われます。

加算平均心電図による心室遅延電位測定の適応疾患

加算平均心電図による心室遅延電位測定の適応疾患については、主に以下のものがあります。

  • 心室頻拍
  • 心室細動
  • ブルガダ症候群
  • QT延長症候群
  • 心筋梗塞
  • 心筋症

心筋梗塞や心筋炎などで心筋が損傷したり、変性が起こるとその部位に刺激が伝わりにくくなったり、伝わらなくなり、心室性の頻脈発作を起こしやすくなります。この遅延した微小電位のことを心室遅延電位と呼び、遅延電位を測定することにより生体にとって危険な頻泊発作を起こす状態であるかを事前に確認することができます。

6誘導以上の適応疾患

6誘導以上の適応疾患については、主に以下のものがあります。

  • 狭心症
  • 心肥大
  • 心筋症
  • 急性冠症候群
  • 不整脈
  • 心筋梗塞
  • 左脚ブロック

通常は、四肢単極誘導や胸部誘導を含む12誘導を行いますが、測定時間の短縮を要する緊急時や患者さんが四肢欠損の場合などには、6誘以上の導体で実施します。

タイトルとURLをコピーしました