2022年|手術前医学管理料の算定要件と包括される検査について

手術前医学管理量

手術医学管理料について分かりやすく解説します!

手術前医学管理料とは、術前検査の結果に基づいて計画的な医学管理を行い、手術の実施に際して 「硬膜外麻酔」「脊椎麻酔」「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔」を行った場合、手術料を算定した日に算定する管理料です。

手術前医学管理料は、月に1回限り病名を問わず算定することができます。

ただし手術前医学管理料には包括されている検査項目があり、別に算定できない項目がありますので算定時には注意して下さい。

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手術前医学管理料に包括される検査項目

  • 尿中一般物質定性半定量検査
  •  末梢血液像(自動機械法)、末梢血液像(鏡検法)及び末梢血液一般検査
  • 出血・凝固検査出血時間、プロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
  • 総ビリルビン、直接ビリルビン又は抱合型ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アルカリホスファターゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(γ-GT)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウム、クレアチン、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アミラーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アルドラーゼ、遊離コレステロール、鉄(Fe)、血中ケトン体・糖・クロール検査(試験紙法・アンプル法・固定化酵素電極によるもの)、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法)、リン脂質、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)並びにイオン化カルシウム
  • 梅毒血清反応(STS)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)定性、抗ストレプトリジンO(ASO)半定量、抗ストレプトリジンO(ASO)定量、抗ストレプトキナーゼ(ASK)定性、抗ストレプトキナーゼ(ASK)半定量、梅毒トレポネーマ抗体定性、HIV-1抗体、肺炎球菌抗原定性(尿・髄液)、ヘモフィルス・インフルエンザb型(Hib)抗原定性(尿・髄液)、単純ヘルペスウイルス抗原定性、RSウイルス抗原定性及び淋菌抗原定性
  • HBs抗原定性・半定量及びHCV抗体定性・定量
  • C反応性蛋白(CRP)定性及びC反応性蛋白(CRP)
  • 心電図検査(四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導体)
  • E001 写真診断(単純撮影 頭部、胸部、腹部または脊椎)
  • E002 撮影(単純撮影 アナログ撮影、デジタル撮影)

 

手術前医学管理料を算定した月は「血液学的検査判断料」「生化学的検査(Ⅰ)判断料」「免疫学的検査判断料」は別に算定できませんのでその点も注意してください。

 

注意!!管理料に包括されている「HBs抗原定性・半定量及びHCV抗体定性・定量」を行った場合には、当該検査の結果が陰性であった場合も含め、当該検査の結果について患者に適切な説明を行い、文書により提供する必要があります。

2回以上行った検査があった場合も同じように包括されますか?

2回目以降に行った検査に関しては別に算定することができます。

心電図検査の算定について

手術前医学管理料を算定した同一月に以下の心電図検査を行った場合は、算定の期日に関わらず100分の90に相当する点数にて算定します。

D208 心電図検査

  1.  四肢単極誘導及び胸部誘導を含む最低12誘導
  2. ベクトル心電図、体表ヒス束心電図
  3. 携帯型発作時心電図記憶伝達装置使用心電図検査
  4. 加算平均心電図による心室遅延電位測定
  5. その他(6誘導以上)

術前検査の期間について

「手術を行う1週間以内に行った検査」を術前検査とし、手術前1週間に手術前医学管理料に包括されている検査のいずれも行わなかった場合は、手術前医学管理料を算定することはできません。

つまり、包括される検査についても手術を行う1週間以内のもの限ります。

POINT「手術を行う前1週間以内に行ったもの」とは、手術を行う日の前日を起算日として1週間前の日から当該手術を実施した当日の手術実施前までに行ったものをいいます。

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