リンパ浮腫指導管理料は、手術前若しくは手術後又は診断時若しくは診断後において、リンパ浮腫の重症化等を抑制するための指導を実施した場合に算定できる医学管理料です。
B001-7 リンパ浮腫指導管理料 100点
リンパ浮腫指導管理料の算定要件
注1 保険医療機関に入院中の患者であって、鼠径部、骨盤部若しくは腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍に対する手術を行ったもの又は原発性リンパ浮腫と診断されたものに対して、当該手術を行った日の属する月又はその前月若しくは翌月のいずれか(原発性リンパ浮腫と診断されたものにあっては、当該診断がされた日の属する月又はその翌月のいずれか)に、医師又は医師の指示に基づき看護師、理学療法士若しくは作業療法士が、リンパ浮腫の重症化等を抑制するための指導を実施した場合に、入院中1回に限り算定する。
原発性リンパ浮腫とは
原発性リンパ浮腫とは、癌手術におけるリンパ節郭清等の誘因後に発症する二次性リンパ浮腫と区別され、リンパ管の先天的低形成・無形成や機能不全により、四肢にリンパ浮腫を発症し慢性的に経過する疾患です。
注2 注1に基づき当該点数を算定した患者であって当該保険医療機関を退院したものに対して、当該保険医療機関又は当該患者の退院後においてがん治療連携計画策定料の注1に規定する地域連携診療計画に基づいた治療を担う他の保険医療機関(当該患者についてがん治療連携指導料を算定した場合に限る。)において、退院した日の属する月又はその翌月に注1に規定する指導を再度実施した場合に、当該指導を実施した、いずれかの保険医療機関において、1回に限り算定する。
リンパ浮腫指導管理料の留意事項
(1) リンパ浮腫指導管理料は、手術前若しくは手術後又は診断時若しくは診断後において、以下に示す事項について、個別に説明及び指導管理を行った場合に算定できる。当該指導管理料は、当該指導管理料の算定対象となる手術を受けた保険医療機関に入院中に当該説明及び指導管理を行った場合に1回、当該保険医療機関を退院した後に、当該保険医療機関又は当該患者の退院後において「B005-6」の「注1」に規定する地域連携診療計画に基づいた治療を担う他の保険医療機関(当該患者について「B005-6-2」がん治療連携指導料を算定した場合に限る。)において当該説明及び指導管理を行った場合にいずれか一方の保険医療機関において1回に限り、算定できる。
ア リンパ浮腫の病因と病態
イ リンパ浮腫の治療方法の概要
ウ セルフケアの重要性と局所へのリンパ液の停滞を予防及び改善するための具体的実施方法
(イ) リンパドレナージに関すること
(ロ) 弾性着衣又は弾性包帯による圧迫に関すること
(ハ) 弾性着衣又は弾性包帯を着用した状態での運動に関すること
(ニ) 保湿及び清潔の維持等のスキンケアに関すること
エ 生活上の具体的注意事項リンパ浮腫を発症又は増悪させる感染症又は肥満の予防に関すること
オ 感染症の発症等増悪時の対処方法感染症の発症等による増悪時における診察及び投薬の必要性に関すること
(2) 指導内容の要点を診療録等に記載する。
(3) 手術前においてリンパ浮腫に関する指導を行った場合であって、結果的に手術が行われなかった場合にはリンパ浮腫指導管理料は算定できない。
弾性着衣等に係る療養費支給について
腋窩、骨盤内の広範なリンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍の術後に発生する四肢のリンパ浮腫の重篤化予防を目的とした弾性着衣等の購入費用については、療養費として支給されます。
患者様が療養費の支給申請を行うには「弾性着衣等 装着指示書」と購入した際の「領収書」または「費用の額を証する書類」が必要です。
支給対象
上記悪性腫瘍術後の四肢のリンパ浮腫の治療のために、医師の指示に基づき購入する弾性着衣等について、療養費の支給対象となります。
弾性包帯については、弾性ストッキング、弾性スリープ及び弾性グローブを使用できないと認められる場合に限り療養費の支給対象となります。
弾性着衣等に係る療養費支給の留意事項
支給対象となる疾病
リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍
- 悪性黒色腫
- 乳腺をはじめとする腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍
- 子宮悪性腫瘍
- 子宮附属器悪性腫瘍
- 前立腺悪性腫瘍
- 泌尿器系の骨盤内のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍
の術後に発生する四肢のリンパ浮腫が支給の対象となります。
弾性着衣の支給回数について
1度に購入する弾性着衣は、洗い替えを考慮して「装着部毎に2着」を限度とします。また、経年劣化することから前回購入から6ヶ月経過して再度購入することができます。
弾性着衣の支給申請費用
療養費として以下の金額が上限として支給されます。
弾性ストッキング 28,000円(片足の場合は25,000円)
弾性スリーブ 16,000円
弾性グローブ 15,000円
弾性包帯の支給対象
弾性包帯については、医師の判断により弾性着衣を使用できないと指示がある場合に限り療養費の対象となります。
弾性包帯の支給回数について
1度に購入する弾性着衣は、洗い替えを考慮して「装着部毎に2着」を限度とします。また、経年劣化することから前回購入から6ヶ月経過して再度購入することができます。
弾性包帯の支給申請費用について
療養費として支給する額は、弾性包帯にについては装着に必要な製品(筒状包帯、パッティング包帯、ガーゼ指包帯、粘着テープ等を含む)一組がそれぞれ上肢7,000円、下肢14,000円を上限とし、弾性包帯の購入に要した費用の範囲内とします。