令和6年|D001 尿中特殊物質定性定量検査の算定要件と適応疾患

D001 尿中特殊物質定性定量検査

1 尿蛋白 7点
2 VMA定性(尿)、尿グルコース 9点
3 ウロビリノゲン(尿)、先天性代謝異常症スクリーニングテスト(尿)、尿浸透圧 16点
4 ポルフィリン症スクリーニングテスト(尿)17点
5 N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)(尿)41点
6 アルブミン定性(尿)49点
7 黄体形成ホルモン(LH)定性(尿)、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)(尿)72点
8 トランスフェリン(尿)98点
9 アルブミン定量(尿)99点
10 ウロポルフィリン(尿)、トリプシノーゲン2(尿)105点
11 δアミノレブリン酸(δ-ALA)(尿)106点
12 ポリアミン(尿)115点
13 ミオイノシトール(尿)120点
14 コプロポルフィリン(尿)131点
15 Ⅳ型コラーゲン(尿)184点
16 総ヨウ素(尿)、ポルフォビリノゲン(尿)186点
17 プロスタグランジンE主要代謝物(尿)187点
18 シュウ酸(尿)200点
19 L型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)210点
20 尿の蛋白免疫学的検査 区分番号D015に掲げる血漿蛋白免疫学的検査の例により算定した点数
21 その他 検査の種類の別により区分番号D007に掲げる血液化学検査、区分番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の例により算定した点数

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区分番号D007に掲げる血液化学検査、区分番号D008に掲げる内分泌学的検査、区分番号D009に掲げる腫瘍マーカー又は区分番号D010に掲げる特殊分析の所定点数を準用した場合は、当該区分の注についても同様に準用するものとする。

通知

(1) 「3」の先天性代謝異常症スクリーニングテスト(尿)とは、次に掲げる物質の定性半定量検査及び反応検査をいう。

塩化鉄(Ⅲ)反応(フェニールケトン体及びアルカプトン体の検出を含む。)
酸性ムコ多糖類
システイン、シスチン等のSH化合物
ヒスチジン定性
メチルマロン酸
Millon反応
イサチン反応
Benedict反応

(2) 「4」のポルフィリン症スクリーニングテスト(尿)として、Watson-Schwartz反応、Rimington反応又はDeanand Barnes反応を行った場合は、それぞれ所定点数を算定する。

(3) 「8」のトランスフェリン(尿)、「9」のアルブミン定量(尿)及び「15」のⅣ型コラーゲン(尿)は、糖尿病又は糖尿病性早期腎症患者であって微量アルブミン尿を疑うもの(糖尿病性腎症第1期又は第2期のものに限る。)に対して行った場合に、3月に1回に限り算定できる。なお、これらを同時に行った場合は、主たるもののみ算定する。

(4) トリプシノーゲン2(尿)

「10」のトリプシノーゲン2(尿)は、免疫クロマト法により測定した場合に算定する。この場合、急性膵炎を疑う医学的根拠について、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
「10」のトリプシノーゲン2(尿)と、「D007」血液化学検査の「1」アミラーゼ、「6」リパーゼ、「14」アミラーゼアイソザイム、「49」トリプシン又は「D009」腫瘍マーカーの「8」エラスターゼ1を併せて実施した場合には、いずれか主たるもののみ算定する。

(5) 「13」のミオイノシトール(尿)は、空腹時血糖が110mg/dL以上126mg/dL未満の患者に対し、耐糖能診断の補助として、尿中のミオイノシトールを測定した場合に1年に1回に限り算定できる。ただし、既に糖尿病と診断されている場合は、算定できない。

(6) プロスタグランジンE主要代謝物(尿)

「17」のプロスタグランジンE主要代謝物(尿)は、潰瘍性大腸炎の患者の病態把握の補助を目的として、尿を検体とし、CLEIA法により測定した場合に、3月に1回を限度として算定できる。ただし、医学的な必要性から、本検査を1月に1回行う場合には、その詳細な理由及び検査結果を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

潰瘍性大腸炎の病態把握を目的として、「D003」糞便検査の「9」カルプロテクチン(糞便)、「D007」血液化学検査の「57」ロイシンリッチ α2グリコプロテイン又は「D313」大腸内視鏡検査を同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定する。

(7) 「18」のシュウ酸(尿)は、再発性尿路結石症の患者に対して、キャピラリー電気泳動法により行った場合に、原則として1年に1回に限り算定する。

(8) 「19」のL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)は、原則として3月に1回に限り算定する。ただし、医学的な必要性からそれ以上算定する場合においては、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(9) 好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)

「19」の好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)は、急性腎障害の診断時又はその治療中に、CLIA法により測定した場合に算定できる。ただし、診断時においては1回、その後は急性腎障害に対する一連の治療につき3回を限度として算定する。なお、医学的な必要性からそれ以上算定する場合においては、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

「19」のL型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)と好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)を併せて実施した場合には、主たるもののみ算定する。

(10) 同一日に尿、穿刺液・採取液及び血液を検体として生化学的検査(Ⅰ)又は生化学的検査(Ⅱ)に掲げる検査項目につきそれぞれを実施した場合の、多項目包括規定の適用については、尿、穿刺液・採取液及び血液のそれぞれについて算出した項目数により所定点数を算定するのではなく、血液、尿、穿刺液・採取液それぞれに係る項目数を合算した項目数により、所定点数を算定する。ただし、同一日に行う2回目以降の血液採取による検体を用いた検査項目については、当該項目数に合算せず、所定点数を別途算定する。

(11) 蛋白質とクレアチニンの比を測定する目的で試験紙により実施した場合は、「21」のその他によるクレアチニン(尿)として算定し、その判断料は、「D026」検体検査判断料の「1」尿・糞便等検査判断料を算定する。

尿蛋白の適応疾患

糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、急性尿細管壊死、尿路感染症、起立性蛋白尿、腎硬化症、腎腫瘍、前立腺肥大症、尿管結石症、尿道結石症、嚢胞腎、膀胱炎、膀胱結石症、アミロイドーシス、膠原病、紫斑病、多発性骨髄腫、心不全、痛風、糖尿病性腎症、薬物中毒、ループス腎炎、IgA腎症、尿細管間質性腎炎、熱性蛋白尿、薬剤性腎障害

VMA定性(尿)の適応疾患

褐色細胞腫、神経芽腫、シャイ・ドレーガー症候群

尿グルコースの適応疾患

糖尿病、腎性糖尿、肥満症、先端巨大症、クッシング症候群、ファンコニー症候群、慢性糸球体腎炎、急性膵炎、慢性膵炎、甲状腺機能亢進症、胃切除後

ウロビリノゲン(尿)の適応疾患

肝炎、肝癌、肝硬変症、肝細胞性黄疸、閉塞性黄疸、胆管結石症、胆道癌、溶血性貧血

先天性代謝異常症スクリーニングテスト(尿)の適応疾患

遺伝性果糖不耐症、乳糖不耐症、ガラクトース血症、キサンチン尿症、シスチン尿症、 ヒスチジン血症、フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、チロシン血症、メチルマロン酸血症、ハーラー症候群、ムコ多糖症Ⅱ型、高プロリン血症、メープルシロップ尿症、アルカプトン尿症、先天性糖代謝異常、先天性甲状腺機能低下症、クレチン病

尿浸透圧の適応疾患

尿崩症、腎不全、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、糖尿病、心因性多飲症、メタノル中毒、パラアルデヒド中毒、脱水症

ポルフィリン症スクリーニングテスト(尿)の適応疾患

ポルフィリン症、鉛中毒

N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)(尿)の適応疾患

尿細管間質性腎炎、急性腎不全、慢性腎不全、急性尿細管壊死、ネフローゼ症候群、 ループス腎炎、糖尿病性腎症

アルブミン定性(尿)の適応疾患

糖尿病性腎症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、IgA腎症

黄体形成ホルモン(LH)定性(尿)の適応疾患

性腺機能低下症、多のう胞性卵巣症候便群、思春期早発症、不妊症、下垂体機能低下症

フィブリン・フィブリノゲン分解産物( FDP)(尿)の適応疾患

播種性血管内凝固(DIC) 、静脈血栓症、 糸球体腎炎、妊娠高血圧症候群、肺血栓塞栓症

アルブミン定量(尿)の適応疾患

1型糖尿病性腎症第1期、1型糖尿病性腎症第2期、2型糖尿病性腎症第1期、2型糖尿病性腎症第2期

トランスフェリン(尿)の適応疾患

1型糖尿病性腎症第1期、1型糖尿病性腎症第2期、2型糖尿病性腎症第1期、2型糖尿病性腎症第2期

ウロポルフィリン(尿)の適応疾患

ポルフィリン症

δアミノレブリン酸(δ-ALA)(尿)の適応疾患

ポルフィリン症、鉛中毒

ポリアミン(尿)の適応疾患

胃癌、食道癌、大腸癌、肺癌、乳癌

ミオイノシトール(尿)の適応疾患

多糖性異常

コプロポルフィリン(尿)の適応疾患

ポルフィリン症、鉛中毒

総ヨウ素(尿)の適応疾患

甲状腺中毒症、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、バセドウ病

Ⅳ型コラーゲン(尿)の適応疾患

1型糖尿病性腎症第1期、1型糖尿病性腎症第2期、2型糖尿病性腎症第1期、2型糖尿病性腎症第2期

ポルフォビリノゲン(尿)の適応疾患

肝性ポルフィリン症、鉛中毒

シュウ酸(尿)の適応疾患

再発性尿路結石症

L型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)(尿)の適応疾患

慢性腎臓病、糸球体腎炎、薬剤性害、糖尿病性腎症、尿細管間質性腎炎、急性腎障害

好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)(尿)の適応疾患

急性腎障害

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