患者から1回に採取した血液を検体として以下の1から8までの掲げる検査を5項目以上行った場合は、所定点数にかかわらず、検査項目の数に応じて算定します。
イ 5項目以上7項目以下 93点
ロ 8項目または9項目 99点
ハ 10項目以上 109点(2020年4月に112点から109点に改定)
- 総ビリルビン、直接ビリルビン又は抱合型ビリルビン、総蛋白、アルブミン(BCP改良法・BCG法)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、アルカリホスファター ゼ(ALP)、コリンエステラーゼ(ChE)、γ-グルタミルトランスフェラー ゼ(γ-GT)、中性脂肪、ナトリウム及びクロール、カリウム、カルシウム、マ グネシウム、クレアチン、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD)、アミラー ゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)、クレアチンキナーゼ(CK)、アル ドラーゼ、遊離コレステロール、鉄(Fe)、血中ケトン体・糖・クロール検査( 試験紙法・アンプル法・固定化酵素電極によるもの)、不飽和鉄結合能(UIBC)(比色法)、総鉄結合能(TIBC)(比色法)
- リン脂質
- HDL-コレステロール、無機リン及びリン酸、総コレステロール、アスパラギ ン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ( ALT)
- LDL-コレステロール、蛋白分画
- 銅(Cu)
- リパーゼ
- イオン化カルシウム
- マンガン(Mn)
総ビリルビン
肝疾患の診断、黄疸の鑑別などに重要な検査。
総ビリルビン(T−BIL) 11点
適応疾患
- 黄疸
- 胆石症
- 胆汁うっ滞
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 肝硬変症
- 原発性硬化症胆管炎
- 溶血性貧血
- 新生児黄疸
- 肝癌
- 肝障害
- 原発性胆汁性肝硬変
- 胆道閉鎖症
基準値
0.4〜1.5mg/dL
間接ビリルビン
間接ビリルビン(D−BIL) 11点
適応疾患
- 黄疸
- 胆石症
- 胆汁うっ滞
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 肝硬変症
- 原発性硬化症胆管炎
- 新生児黄疸
- 肝癌
- 肝障害
- 原発性胆汁性肝硬変
- 胆道閉鎖症
抱合型ビリルビン
抱合型ビリルビン 11点
適応疾患
- 黄疸
- 胆石症
- 胆汁うっ滞
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 肝硬変症
- 原発性硬化症胆管炎
- 溶血性貧血
- 新生児黄疸
- 肝癌
- 肝障害
- 原発性胆汁性肝硬変
- 胆道閉鎖症
総蛋白
血漿蛋白には100種類以上の蛋白成分があり、主成分はアルブミン(70%)とγ-グロブリン(20%)で、これらはそのほとんどが肝臓で産生され、もしも肝臓に障害があれば、蛋白質の合成能が低下して総蛋白は減少します。
また腎臓病などにより体外に漏れ出てしまう場合や、低栄養状態でも減少が認められます。
適応疾患
- 肝硬変症
- 劇症肝炎
- ネフローゼ症候群
- 脱水症
- 多発性骨髄腫
- 蛋白漏出性胃腸症
- 呼吸不良症候群
- 無ガンマグロブリン血症
- 栄養障害
- 感染症
- 肝障害
- 肝癌
- 膠原病
基準値
6.6〜8.1g/dL
アルブミン
栄養状態の分かるほか、肝障害、腎障害の指標となります。
適応疾患
- 栄養失調症
- 肝硬変症
- ネフローゼ症候群
- 甲状腺機能亢進症
- 吸収不良症候群
- 慢性肝炎
- 低蛋白血症
- 無アルブミン血症
- 肝障害
- 肝癌
- 栄養障害
基準値
4.1~5.1g/dL
尿素窒素
腎臓が十分働いているかどうかを調べる検査です。尿素窒素の数値が高くなるほど、腎臓の機能が低下していることを表しています。
適応疾患
- 腎機能低下(尿毒症、慢性腎不全)
- 肝不全
- 悪性腫瘍末期
- 甲状腺機能亢進症
- 高蛋白血症
- 消化管出血
- 脱水症
- 心不全
- 腎障害
- 慢性腎臓病
基準値
7~20mg/dL
クレアチニン
老廃物の一種で、通常はほとんどが尿で排泄されますが、腎機能が低下すると、血液中に値が増加します。
適応疾患
- 腎機能低下
- 尿路結石症
- 腎炎
- 腎不全
- うっ血性心不全
- 進行性筋ジストロフィー
- 腎障害
- 慢性腎臓病
基準値
男性:0.65~1.07mg/dL
女性:0.46~0.79mg/dL
※筋肉が多い方ではクレアチニン値は高く、女性や高齢者など筋肉が少ない方ではクレアチニン値は低くなります。
尿酸
プリン体を多く含む肉類の過剰摂取で上昇がみられ、高尿酸血症や痛風の診断に用いられます。
適応疾患
- 痛風
- 腎機能低下
- 慢性糸球体腎炎
- 白血病
- 悪性腫瘍
- 脱水症
- アルコール中毒
- 腎障害
- 高尿酸結晶