超音波検査(エコー検査)の適応疾患とカルテ記載の注意点について

エコー検査

超音波検査(エコー検査)とは、人の耳では聞こえないほどの高い周波数の音を発生させ、その音の反射を利用し画像化させて臓器の形態を調べる検査です。

一般的に多くみられる検査には、心臓や大動脈の評価を行う心臓超音波検査、腹腔内の臓器や妊娠中の胎児の評価を行う腹部超音波検査などがありますね。

今回はそれぞれの「検査の意義」「点数」「適応疾患」とカルテ記載の重要性について解説したいと思います。

 

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胸腹部エコー検査

D215 超音波検査

2 断層撮影法(心臓超音波を除く)

イ 訪問診療時に行った場合 400点

※月に1回限り算定

ロ その他の場合(1)胸腹部 530点

※往診時に行った場合は「その他の場合」を算定します

適応疾患胸水、胆のう結石症、胆のうポリープ、胆のう炎、胆のう癌、肝硬変症、脂肪肝、肝癌、肝炎、膵癌、慢性膵炎、膵のう胞、腎結石症、水腎症、腎不全、腎癌、腎のう胞、腎動脈狭窄症、膀胱癌、尿管結石症、膀胱結石症、副腎腫瘍、前立腺癌、前立腺肥大、胃癌、大腸癌、イレウス、腸重積症、虫垂炎、子宮癌、子宮筋腫、卵巣腫瘍、リンパ節腫大、胆管結石症、アルコール性肝障害

断層撮影法(Bモード法)は、体内の組織から反射される超音波の信号を輝点に変換してディスプレイ上に断層画像としてリアルタイムに描出したもので、胸部、腹部、膀胱、前立腺などの検査に用いられます。

ただし、カルテの記載内容から医学的に必要性が乏しいと判断されたり、算定要件を満たしていないと判断された場合は厚生局の個別指導で指摘を受けますので注意しましょう。また、検査で得られた画像は必ず診療録に添付しましょう。

カルテ記載例
本日AM5:00より特に誘因なく背部と腹部に痛みを自覚した。痛みには波があり、かなり強く現在も疼痛継続しており当院を初診となった。
【身体所見】
心窩部に圧痛あり
腹膜刺激症状はなし
CVA knocking pain +/-
【検査】
症状及び身体所見より尿管結石症を強く疑うため腹部エコーにて精査を行った
結果:拡張した尿管内に音響陰影を伴う結石が2個描出された
【診断】
#尿管結石症検査所見より上記と診断し、まずはNSAIDs坐剤にて経過観察とした
【方針】
水分摂取を促し対症療法にて経過観察とした

検査で得られら所見を診療録に記載する又は検査実施者が測定値や性状等について文書に記載しなければなりません。医師以外が検査を実施した場合は、その文書を確認した旨を診療録に記載する必要があります。

【診療報酬明細書の適応欄の記載】
2020年4月の改訂時より「その他の場合 530点」を算定する場合は、領域について診療報酬明細書の摘要欄に該当項目を記載するようになりました。(複数領域の検査を行った場合は、その全てを記載すること)
ア 消化器領域
イ 腎・泌尿器領域
ウ 女性生殖器領域
エ 血管領域(大動脈・大静脈等)
オ 腹腔内・胸腔内の貯留物等
カ その他(具体的な臓器又は領域を診療報酬明細書の摘要欄に記載)

心エコー検査

D215 超音波検査

3 心臓超音波検査
イ 経胸壁心エコー法 880点

適応疾患細菌性心内膜炎、心筋梗塞、心筋症、肺高血圧症、大動脈瘤、心臓弁膜症、先天性心疾患、三尖弁閉鎖不全症、心筋炎、心室中隔欠損症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症

D215 超音波検査

3 心臓超音波検査
ロ Mモード法 500点

適応疾患 心臓弁膜症、先天性心疾患、細菌性心内膜症、心筋梗塞、心筋症、肺高血圧症、大動脈瘤、心筋炎、心室中隔欠損症、心内膜炎、心肥大、心不全、心房中隔欠損症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症

D215 超音波検査

3 心臓超音波検査
ハ 経食道心エコー法 1500点

適応疾患細菌性心内膜炎、大動脈解離、心筋梗塞、心筋症、肺高血圧症、大動脈瘤、心臓弁膜症、先天性心疾患

D215 超音波検査

ニ 胎児心エコー法300点
1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に、月1回に限り算定する。
2 当該検査に伴って診断を行った場合は、胎児心エコー法診断加算として、1,000点を所定点数に加算する。

適応疾患先天性心疾患、複雑心奇形

D215 超音波検査

ホ 負荷心エコー法 2,010点

適応疾患虚血性心疾患

疾患に対して正しい検査や診療を行っても、カルテ記載が正しく行われていなければ返還の対象となりますので日々のカルテ記載はしっかり行いましょう。

筆者:山下 佳代

【保有資格】

・診療報酬請求事務

・認定医師秘書TM

・医療秘書技能検定1級

・診療情報管理士

監修:大野 章太郎(日本救急医学会認定救急科専門医)

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