結論から言うと、決して違法ではありません。
誰でも入力が可能というわけではありませんが、厚生労働省が定めた32時間以上の研修を受ければ医師事務作業補助者への配置が可能となり、代行入力も行うことが可能です。
医師事務作業補助者の研修内容について
研修の内容については、次の項目に係る基礎知識を習得することが必要と定められています。
- 医師法、医療法、医薬品医療機器法、健康保険法等の関連法規の概要
- 個人情報の保護に関する事項
- 当該医療機関で提供される一般的な医療内容及び各配置部門における医療内容や用語等
- 診療録等の記載・管理及び代筆、代行入力
- 電子カルテシステム(オーダリングシステムを含む)
医師事務作業補助者が禁止されている業務
医師事務作業補助者が禁止されている業務もあります。内容は以下の通りです。
- 窓口、受付業務
- 請求業務(レセプト業務
- 物品の搬入や運搬
- 看護師の業務サポート
- 運営に係る情報収集
医師以外から指示された業務について
医師事務作業補助者は「医師事務作業補助体制加算」において「医師の指示で事務作業の補助を行う専従の者」と規定されています。
医療機関には医師以外に、看護師、検査技師、薬剤師などさまざまな職種の人が働いていますが、基本的に医師以外から指示された業務は行っていけません。
医師事務作業補助者と医療事務との違い
医療事務は受付窓口、請求業務(レセプト業務)の仕事が主な内容なのに対し、医師事務作業補助者は、主に医師の事務作業をサポートする業務になります。病院によって「医療クラーク」「ドクターズクラーク」を呼ばれています。
医師事務作業補助者の主な仕事内容
医師事務作業補助者の主な仕事内容は、以下の通りです。
- 電子カルテの代行入力
- 書類の仮作成(診断書、診療情報提供書、意見書、退院時要約等)
- 検査等のオーダー補助
- データ入力や管理
- 代行入力を行う注意点
医療クラーク(医師事務作業補助者)が代行入力を行う際は、当然ですが 必ず医師の指示の下で行うことが原則です。
医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの「代行操作の承認機能」に以下の決まりが定められており、医療安全上でもルールを守って運用することが重要です。
1. 代行操作を運用上認めるケースがあれば、具体的にどの医療に関する業務等(プロシジャ)に適用するか、また誰が誰を代行してよいかを定義すること。
2. 代行操作を認める医療に関する業務等がある場合は、その代行操作者自身も予め電子保存システムの運用操作に携わる者として当該システムに識別管理情報を登録すること。
3. 代行操作が行われた場合には、誰の代行が誰によっていつ行われたかの管理情報が、その代行操作の都度記録されること。
4. 代行操作により記録された診療録等は、できるだけ速やかに作成責任者による「確定操作(承認)」が行われること。このため、代行入力により記録された情報及びその管理情報は必要な都度参照ができるとともに、一定の期間内に確定操作が行われるように督促機能が組織のルールとして整備されていること。
5. 一定時間後に記録が自動確定するような運用の場合は、作成責任者を特定する明確なルールを策定し運用管理規程に明記すること。
医療情報システムの安全管理に関するガイドラインより一部抜粋
上記からも分かるように、クラークが代行入力を行った際は、医師が遅延なく確認及び承認を行うことが必要であり、運用を行う上でしっかり組織のルールを定めていることが必要です。