精神科デイケアとは、精神障害のある方が、社会参加、社会復帰、復学、就労などを目的に様々なグループ活動を行う通所施設です。
I009 精神科デイ・ケア(1日につき)
1 小規模なもの 590点
2 大規模なもの 700点
精神科デイ・ケアの算定要件
注1 1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。
注2 2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、疾患等に応じた診療計画を作成して行われる場合に算定する。
注3 精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケア、精神科ナイト・ケア又は精神科デイ・ナイト・ケアのいずれかを最初に算定した日から起算して1年を超える期間に行われる場合には、週5日を限度として算定する。ただし、週3日を超えて算定する場合にあっては、患者の意向を踏まえ、必要性が特に認められる場合に限る。
注4 精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケア、精神科ナイト・ケア又は精神科デイ・ナイト・ケアのいずれかを最初に算定した日から起算して3年を超える期間に行われる場合であって、週3日を超えて算定する場合には、長期の入院歴を有する患者を除き、当該日における点数は、所定点数の100分の90に相当する点数により算定する。
注5 精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケア、精神科ナイト・ケア又は精神科デイ・ナイト・ケアのいずれかを最初に算定した日から起算して1年以内の期間に行われる場合にあっては、早期加算として、50点を所定点数に加算する。
注6 当該保険医療機関において、入院中の患者であって、退院を予定しているもの(区分番号I011に掲げる精神科退院指導料を算定したものに限る。)に対して、精神科デイ・ケアを行った場合には、入院中1回に限り、所定点数の100分の50に相当する点数を算定する。
注7 精神科デイ・ケアを算定した場合は、精神科ショート・ケア、精神科ナイト・ケア、精神科デイ・ナイト・ケア及び重度認知症患者デイ・ケア料は算定しない。
精神科デイ・ケアの留意事項
(1) 精神科デイ・ケアは、精神疾患を有するものの社会生活機能の回復を目的として個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者1人当たり1日につき6時間を標準とする。なお、治療上の必要がある場合には、病棟や屋外など、専用の施設以外において当該療法を実施することも可能であること。また、この実施に当たっては、患者の症状等に応じたプログラムの作成、効果の判定等に万全を期すること。
(2) 「大規模なもの」については、多職種が共同して疾患等に応じた診療計画を作成した場合に算定する。なお、診療終了後に当該計画に基づいて行った診療方法や診療結果について評価を行い、その要点を診療録等に記載している場合には、参加者個別のプログラムを実施することができる。
(3) 精神科デイ・ケアは入院中の患者以外の患者に限り算定する。ただし、他の保険医療機関に入院中の患者であって、退院を予定しているもの(精神科退院指導料を算定したもの又は地域移行機能強化病棟入院料を算定している患者であって、指定特定相談支援事業者等において、退院後の生活を念頭に置いたサービス等利用計画が作成されているものに限る。)に対しては、退院支援の一環として、当該他の医療機関の入院中1回(「A318」地域移行機能強化病棟入院料を算定しているものについては入院中4回)に限り算定できる。この場合、当該他の医療機関に照会を行い、退院を予定しているものであること、入院料等について他の保険医療機関を受診する場合の取扱いがなされていること、他の保険医療機関を含め、入院中に精神科デイ・ケアの算定のないことを確認すること。また、精神科デイ・ケアを算定している患者に対しては、同一日に行う他の精神科専門療法(他の保険医療機関で実施するものも含む。)は、別に算定できない。
(4) 同一の保険医療機関で精神科デイ・ケア等を開始した日から起算して1年を超える場合には、精神科デイ・ケア等の実施回数にかかわらず、算定は1週間に5日を限度とする。ただし、週4日以上算定できるのは、精神科ショート・ケアの(4)のアからエまでのいずれも満たす場合に限られること。
(5) 月14回以上精神科デイ・ケア等を実施した患者の数等について、毎年10月に「別紙様式31」を用いて地方厚生(支)局長に報告すること。
(6) 治療の一環として治療上の目的を達するために食事を提供する場合にあっては、その費用は所定点数に含まれる。
(7) 同一の患者に対して同一日に精神科デイ・ケアと精神科ナイト・ケアを併せて実施した場合は、精神科デイ・ナイト・ケアとして算定する。
(8) 当該療法に要する消耗材料等については、当該保険医療機関の負担とする。
(9) 「注5」に規定する早期加算の対象となる患者は、当該療法の算定を開始してから1年以内又は精神病床を退院して1年以内の患者であること。
(10) 「注6」については、入院中の患者であって、退院を予定しているもの(精神科退院指導料を算定したもの又は地域移行機能強化病棟入院料を算定している患者であって、指定特定相談支援事業者等において、退院後の生活を念頭に置いたサービス等利用計画が作成されているものに限る。)に対して、精神科デイ・ケアを行う場合に、入院中1回に限り算定できる。
(11) 「注4」に掲げる長期の入院歴を有する患者とは、精神疾患により、通算して1年以上の入院歴を有する患者であること。
(12) 当該保険医療機関又は他の保険医療機関に入院中の患者に対して精神科デイ・ケアを行う場合、当該患者は精神科デイ・ケアを提供する対象患者数に含めること。
(13) 精神科デイ・ケアを行った場合は、その要点及び診療時間を診療録等に記載する。
精神科デイ・ケア「大規模なもの」に関する施設基準
(1) 精神科デイ・ケアであって大規模なものを実施するに当たっては、その従事者及び1日当たり患者数の限度が次のいずれかであること。ただし、専従者については、精神科デイ・ケアを実施しない時間帯において、精神科作業療法、精神科ショート・ケア、精神科ナイト・ケア、精神科デイ・ナイト・ケア及び重度認知症患者デイ・ケア(以下この項において「精神科作業療法等」という。)に従事することは差し支えない。また、精神科デイ・ケアと精神科作業療法等の実施日・時間が異なる場合にあっては、精神科作業療法等の専従者として届け出ることは可能である。
ア 精神科医師及び専従する3人の従事者(作業療法士又は精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケアの経験を有する看護師のいずれか1人、看護師1人、公認心理師、精神保健福祉士の1人)の4人で構成される場合にあっては、患者数は、当該従事者4人に対して1日50人を限度とすること。
イ アに規定する4人で構成される従事者に、更に、精神科医師1人及びアに規定する精
神科医師以外の従事者1人を加えて、6人で従事者を構成する場合にあっては、患者数は、当該従事者6人に対して1日70人を限度とすること。
(2) 精神科デイ・ケアを行うにふさわしい専用の施設又は精神科ショート・ケア、精神科ナイト・ケア若しくは精神科デイ・ナイト・ケアと兼用の施設を有しており、当該専用の施設の広さは、内法による測定で60平方メートル以上とし、かつ、患者1人当たりの面積は内法による測定で4.0平方メートルを標準とすること。
(3) 平成26年3月31日において、現に精神科デイ・ケアの届出を行っている保険医療機関については、当該専用の施設の増築又は全面的な改築を行うまでの間は、(2)の内法の規定を満たしているものとする。
(4) (1)で規定する従事者が共同して、別添2の様式46の2又はこれに準じる様式により疾患等に応じた診療計画が作成されていること。
(5) 精神科デイ・ケアと精神科ナイト・ケアを同一施設で実施する保険医療機関にあっては、両者を同一時間帯に混在して実施してはならないこと。
精神科デイ・ケア「小規模なもの」に関する施設基準
(1) 精神科医師及び専従する2人の従事者(作業療法士、精神保健福祉士又は公認心理師等のいずれか1人、看護師1人)の3人で構成される場合には、患者数は、当該従事者3人に対しては1日30人を限度とすること。なお、看護師は精神科ショート・ケア又は精神科デイ・ケアの経験を有していることが望ましい。ただし、専従者については、精神科デイ・ケアを実施しない時間帯において、精神科作業療法、精神科ショート・ケア、精神科ナイト・ケア、精神科デイ・ナイト・ケア及び重度認知症患者デイ・ケア(以下この項において「精神科作業療法等」という。)に従事することは差し支えない。また、精神科デイ・ケアと精神科作業療法等の実施日・時間が異なる場合にあっては、精神科作業療法等の専従者として届け出ることは可能である。
(2) 精神科デイ・ケアを行うにふさわしい専用の施設又は精神科ショート・ケア、精神科ナイト・ケア若しくは精神科デイ・ナイト・ケアと兼用の施設を有しており、当該専用の施設の広さは、内法による測定で 40 平方メートル以上とし、かつ、患者1人当たりの面積は、内法による測定で3.3平方メートルを標準とするものであること。
(3) 平成26年3月31日において、現に精神科デイ・ケアの届出を行っている保険医療機関については、当該専用の施設の増築又は全面的な改築を行うまでの間は、(2)の内法の規定を満たしているものとする。
(4) 精神科デイ・ケアと精神科ナイト・ケアを同一施設で実施する保険医療機関にあっては、両者を同一時間帯に混在して実施してはならないこと。