入院集団精神療法とは、精神疾患を有する入院患者に対して、集団内の対人関係を活かして治療を行う精神療法です。集団精神療法では、互いの多様性を認め合い、すべての人が等しく尊厳をもって扱われることが大前提です。リーダーはグループを導くのではなく、メンバーの自発性を尊重し、自由な交流を促します。
I005 入院集団精神療法(1日につき)100点
入院集団精神療法の算定要件
注1 入院中の患者について、入院の日から起算して6月を限度として週2回に限り算定する。
注2 入院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、所定点数に含まれるものとする。
入院集団精神療法の留意事項
(1) 入院集団精神療法とは、入院中の患者であって、精神疾患を有するものに対して、一定の治療計画に基づき、言葉によるやりとり、劇の形態を用いた自己表現等の手法により、集団内の対人関係の相互作用を用いて、対人場面での不安や葛藤の除去、患者自身の精神症状・問題行動に関する自己洞察の深化、対人関係技術の習得等をもたらすことにより、病状の改善を図る治療法をいう。
(2) 入院集団精神療法は、精神科を標榜している保険医療機関において、精神科を担当する医師及び1人以上の精神保健福祉士又は公認心理師等により構成される2人以上の者が行った場合に限り算定する。
(3) 1回に15人に限り、1日につき1時間以上実施した場合に、入院の日から起算して6月を限度として週2回に限り算定する。この場合、個々の患者について、精神科を担当する医師による治療計画が作成されていることが必要である。なお、入院の日及び入院の期間の取扱いについては、入院基本料の取扱いの例による。
(4) 入院集団精神療法に使用する十分な広さを有する当該医療機関内の一定の場所及びその場所を使用する時間帯を予め定めておくこと。
(5) 入院集団精神療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録等に記載する。
(6) 入院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。