2021年|療養病棟入院料の算定要件と施設基準について

療養病棟入院料

病院の療養病棟であって、看護配置、看護師比率、看護補助配置その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者さんについて、当該基準に係る区分(※1)及び当該患者さんの疾患、状態、ADL等について別に厚生労働大臣が定める区分に従い、それぞれ以下の点数を算定します。

1 療養病棟入院料1

( )・・・健康保険法第63条第2項第2号及び高齢者医療確保法第64条第2項第2号の療養を受ける場合
イ 入院料A 1813点(1798点)
ロ 入院料B 1758点(1744点)
ハ 入院料C 1471点(1457点)
ニ 入院料D 1414点(1399点)
ホ 入院料E 1386点(1372点)
ヘ 入院料F 1232点(1217点)
ト 入院料G 968点(953点)
チ 入院料H 920点(905点)
リ 入院料I 815点(801点)
2 療養病棟入院料2
イ 入院料A 1748点(1734点)
ロ 入院料B 1694点(1,680点)
ハ 入院料C 1406点(1,392点)
ニ 入院料D 1349点(1335点)
ホ 入院料E 1322点(1307点)
ヘ 入院料F 1167点(1,153点)
ト 入院料G 903点(889点)
チ 入院料H 855点(841点)
リ 入院料I 751点(736点)

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厚生労働省が定める区分について(※1)

イ入院料A

医療区分3の患者さんであって、ADLの判定基準による判定が23点以上であるもの

ロ入院料B

医療区分3の患者さんであって、ADLの判定基準による判定が11点以上二23点未満であるもの

ハ入院料C

医療区分3の患者さんであって、ADLの判定基準による判定が11点未満であるもの

ニ入院料D

医療区分2の患者さんであって、ADLの判定基準による判定が23点以上であるもの

ホ入院料E

医療区分2の患者さんであって、ADLの判定基準による判定が11点以上二23点未満であるもの

ヘ入院料F

医療区分二の患者であって、ADLの判定基準による判定が11点未満であるもの

ト入院料G

以下に掲げる疾患及び状態にある患者さんであって、ADLの判定基準による判定が23点以上であるもの

チ入院料H

医療区分1の患者さんであって、ADLの判定基準による判定が11点以上二23点未満であるもの

リ入院料I

医療区分1の患者さっbであって、ADLの判定基準による判定が11点未満であるもの

「ト入院料G」に該当する患者さんについて

対象疾患の名称

  • スモン
  • 筋ジストロフィー症
  • 多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患( 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病
  • 脊髄損傷( 頸椎損傷を原因とする麻痺が四肢全てに認められる場合に限る。)
  • 慢性閉塞性肺疾患( ヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当する場合に限る。)
  • 悪性腫瘍( 医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールが必要な場合に限る。)

対象となる状態

  • 医師及び看護職員により、常時、監視及び管理を実施している状態
  • 中心静脈注射を実施している状態
  • 24時間持続して点滴を実施している状態
  • 人工呼吸器を使用している状態
  • ドレーン法又は胸腔若しくは腹腔の洗浄を実施している状態
  • 気管切開又は気管内挿管が行われており、発熱を伴う状態
  • 感染症の治療の必要性から隔離室での管理を実施している状態
  • 肺炎に対する治療を実施している状態
  • 尿路感染症に対する治療を実施している状態
  • 傷病等によるリハビリテーションが必要な状態
  • 脱水に対する治療を実施している状態かつ発熱を伴う状態
  • 消化管等の体内からの出血が反復継続している状態
  • 頻回の嘔吐に対する治療を実施している状態かつ発熱を伴う状態
  • 褥瘡に対する治療を実施している状態( 皮膚層の部分的喪失が認められる場合又は褥瘡が二箇所以上に認められる場合に限る。)
  • 末梢循環障害による下肢末端の開放創に対する治療を実施している状態
  • せん妄に対する治療を実施している状態
  • うつ症状に対する治療を実施している状態
  • 他者に対する暴行が毎日認められる状態
  • 人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血 漿 交換療法を実施している状態
  • 経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われており、かつ、発熱又は嘔吐を伴う状態
  • 1日8回以上の喀痰吸引を実施している状態
  • 頻回の血糖検査を実施している状態
  • 創傷、皮膚潰瘍又は下腿若しくは足部の蜂巣炎、膿等の感染症に対する治療を実施している状態
  • 酸素療法を実施している状態( 密度の高い治療を要する状態を除く。)

包括されるコストについて

療養病棟入院基本料を算定する患者さんに対して行った以下の費用は、当該入院基本料に含まれるものされ別に算定することはできません。

  • 写真診断(単純撮影( エックス線診断料に係るものに限る。) に限る。)
  • 撮影(単純撮影( エックス線診断料に係るものに限る。) に限る。)
  • 創傷処置( 手術日から起算して十四日以内の患者に対するものを除く。)
  • 喀痰吸引
  • 摘便
  • 酸素吸入
  • 酸素テント
  • 皮膚科軟膏処置
  • 膀胱洗浄
  • 留置カテーテル設置
  • 導尿
  • 膣洗浄
  • 眼処置
  • 耳処置
  • 耳管処置
  • 鼻処置
  • 口腔、咽頭処置
  • 間接喉頭鏡下喉頭処置
  • ネブライザー
  • 超音波ネブライザー
  • 介達牽引
  • 消炎鎮痛等処置
  • 鼻腔栄養
  • 長期療養患者褥瘡等処置

ただし、患者さんの急性増悪により、同一保険医療機関の一般病棟へ転棟又は別の保険医療機関の一般病棟へ転院する場合には、その日から起算して3日前までの費用については算定可能です。

療養病棟入院基本料の施設基準について

療養病棟入院基本料を算定する場合は、以下の施設基準を満たし、地方厚生局への届け出を行う必要があります。

  1. 当該病棟において、1日に看護を行う看護職員の数は、入院患者の数が20又はその端数を増すごとに1以上であること。ただし、当該病棟において、1日に看護を行う看護職員の数が本文に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、本文の規定にかかわらず、1以上であることとする。
  2. 当該病棟において、看護職員の最小必要数の2割以上が看護師であること。
  3. 当該病棟において、1日に看護補助を行う看護補助者の数は、入院患者の数が20又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であることとする。主として事務的業務を行う看護補助者を含む場合は、1日に事務的業務を行う看護補助者の数は、当該病棟の入院患者の数が200又はその端数を増すごとに1に相当する数以下であること。
  4. 当該病棟に入院している患者に係る褥瘡の発生割合等について継続的に測定を行い、その結果に基づき評価を行っていること。
  5. 当該病棟の入院患者に関する区分に係る疾患及び状態等並びにADLの判定基準による判定結果について、記録していること。
  6. 当該保険医療機関において、適切な意思決定支援に関する指針を定めていること。
  7. 中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制が整備されていること。
  8. データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。

ロ療養病棟入院料1の施設基準当該病棟の入院患者のうち医療区分3の患者と医療区分2の患者との合計が8割以上であること。

ハ療養病棟入院料2の施設基準当該病棟の入院患者のうち医療区分3の患者と医療区分2の患者との合計が5割以上であること。

届出を行う地方厚生局HPについて

届出を行う際は、保険医療機関が所在する都道府県を管轄する厚生局に別添の「当該施設基準に係る届出書」及び「添付書類」を1部提出する必要があります。

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